たけくらべ

樋口ひぐち一葉かずはのたけくらべとか幸田こうだ露伴ろはんと森もり鴎外おうがいがたけくらべを批評ひひょうした「三さん人にん冗語じょうご」などを読よんでいるのだが、確たしかにたけくらべは面白おもしろいといえば面白おもしろいのだが、最近さいきんはこういう、いわゆるジュヴナイルな小説しょうせつというものはいくらでもあるので、当時とうじどのくらい珍めずらしくて新鮮しんせんな衝撃しょうげきだったかというのがわからない。

話はなしはおそらくは逆ぎゃくで、樋口ひぐち一葉かずはのたけくらべから、筒井つつい康隆やすたかのジュヴナイル小説しょうせつやら少女しょうじょ漫画まんがなどが生うまれてきて、感覚かんかくがマヒしてしまっていて、それで今こんたけくらべを見みても何なにも目新めあたらしさを感かんじないのだと思おもう。あとやはり文体ぶんたいが古ふるすぎるのも現代げんだい人じんにピンとこない要因よういんだ。

樋口ひぐち一葉かずは研究けんきゅうの第一人者だいいちにんしゃと言いわれる塩田しおだ良平りょうへいの解説かいせつなども読よんだのだが、なんだか異様いように決きめつけが多おおいように思おもう。半井なからい桃水とうすいと一いち葉ようの関係かんけいとか、なんとかかんとか。