ヤフーのスクラム開発かいはつ実践じっせん者しゃの経験けいけん年数ねんすうごとの学習がくしゅう方法ほうほうの紹介しょうかい

こんにちは！　アジャイルコーチの荒瀬あらせです。
ヤフー、および関連かんれん会社かいしゃのアジャイル開発かいはつ支援しえんや研修けんしゅうを担当たんとうしています。

今回こんかいはヤフーのスクラム実践じっせん者しゃの学習がくしゅう方法ほうほうについてお話はなしします。
イベントや研修けんしゅうの中なかで、スクラムの勉強べんきょう方法ほうほうをいろいろな方ほうから質問しつもんされることが多おおかったので、記事きじにするとより多おおくの人ひとの役やくに立たつのではないかと思おもい執筆しっぴつすることにしました。
また、せっかく書かくのであれば、ヤフーの中なかにいるさまざまなスクラム実践じっせん者しゃの話はなしも交まじえると、経験けいけん年数ねんすう別べつに、より参考さんこうになりそうな書籍しょせき、セミナーや研修けんしゅうを紹介しょうかいできるのではないかと考かんがえ、ヤフーのスクラム経験けいけん者しゃにも協力きょうりょくいただいています。
スクラムを始はじめた頃ころの自身じしんのことを考かんがえながら、こういう記事きじがあるといいのにと思おもっていた内容ないようを記事きじにしました。
ここに掲載けいさいしている書籍しょせきやセミナーはヤフーのスクラム開発かいはつ実践じっせん者しゃにアンケートをとり、集計しゅうけいしたものです。
皆みなさんのスクラムの学習がくしゅう方法ほうほうについて参考さんこうになれば幸さいわいです。

ヤフーのスクラム実践じっせん者しゃがよく読よんでいる書籍しょせき

実践じっせん経験けいけん1〜2年ねんの方ほうが読よんでいる書籍しょせき

• アジャイルサムライ 達人たつじん開発かいはつ者しゃへの道みち
  スクラムを実践じっせんするためのパターンやガイドが盛もり沢山だくさんです。この本ほんに書かかれているガイド的てきな手法しゅほうは簡単かんたんに試ためせて、効果こうかを早期そうきに実感じっかんしやすいものばかりです。
  
• ＳＣＲＵＭ ＢＯＯＴ ＣＡＭＰ ＴＨＥ ＢＯＯＫ
  挿絵さしえが多おおく、ストーリー性せいがあり、漫画まんがのように口語こうごでわかりやすい言葉ことばで説明せつめいされているため初心者しょしんしゃの方ほうにはとても読よみやすいです。
  
• エッセンシャルスクラム
  スクラムの詳細しょうさいまでしっかりと書かかれ文章ぶんしょうも丁寧ていねいでかつシステマチックな挿絵さしえがスクラムの全体ぜんたい像ぞうを把握はあくしやすい一いち冊さつです。
  フレームワークの細部さいぶにわたって網羅もうらされていますので入門にゅうもん書しょとして活用かつようできるだけでなく、レファレンスとしても重宝ちょうほうします。

実践じっせん経験けいけん2〜3年ねんの方ほうが読よんでいる書籍しょせき

• アジャイルな見積みつもりと計画けいかくづくり
  プロジェクトの中長期ちゅうちょうきの計画けいかくの方法ほうほうや、プラクティスが豊富ほうふです。またスクラムといえばイテレーションでかつインクリメンタルな開発かいはつで進すすめますが、この本ほんを読よむことによりその優位ゆうい性せいを十分じゅうぶん理解りかいできると思おもいます。
  
• アジャイルレトロスペクティブズ 強つよいチ-ムを育そだてる「ふりかえり」の手引てびき
  レトロスペクティブズのプラクティスが満載まんさいされた一いち冊さつです。レトロスペクティブズの進すすめ方かたにマンネリを感かんじている、効果こうかを感かんじない方ほうに読よんでほしい一いち冊さつです。
  
• カイゼン・ジャーニーたった１人にんからはじめて、「越境えっきょう」するチームをつくるまで
  主人公しゅじんこうがカイゼンを通とおして1人にん、チーム、組織そしきの現状げんじょうを変かえていくストーリーで、小説しょうせつのような本ほんです。カンバン、インセプションデッキ、狩野かのモデルなどにも触ふれていますので読よみ終おえた後のちにいろいろ試ためしたくなります。

実践じっせん経験けいけん3〜5年ねんの方ほうが読よんでいる書籍しょせき

• 学習がくしゅうする組織そしき システム思考しこうで未来みらいを創造そうぞうする
  組織そしきが学習がくしゅうし続つづけるための原理げんり原則げんそくをシステム思考しこう、自己じこマスタリー、メンタル・モデル、共有きょうゆうビジョンの構築こうちくを通とおしてミクロ的てきに理解りかいできます。
  
• 大だい規模きぼスクラムLarge‐Scale Scrum〈ＬｅＳＳ〉 アジャイルとスクラムを大だい規模きぼに実装じっそうする方法ほうほう
  顧客こきゃく価値かちを高たかめるためのエッセンスや、スクラム実践じっせんを通つうじたチームのキャリアアップ、ステークホルダーとの協きょう働はたらけやマネージメントについて書かかれた濃厚のうこうな書籍しょせきです。
  
• ユーザーストーリーマッピング
  プロダクトやサービスを使つかうユーザーの体験たいけんをマッピングする方法ほうほうについて書かかれています。プロジェクト関係かんけい者しゃと認識にんしきを合あわせる時ときに便利べんりです
  

実践じっせん経験けいけん5〜10年ねんの方ほうが読よんでいる書籍しょせき

• 世界せかいはシステムで動うごく いま起おきていることの本質ほんしつをつかむ考かんがえ方かた
  “世界せかいがもし100人にんの村むらだったら”の著者ちょしゃドネラ・H.メドウズ氏しによるシステム思考しこうについて書かかれた本ほんです。世よの中なかで起おきていることをシステマチックに分析ぶんせきし、事ことの起おこりうる構造こうぞうを理解りかいする方法ほうほう論ろんについて書かかれています。チームや組織そしきの課題かだい改善かいぜんにとても役やくに立たちます
• チームが機能きのうするとはどういうことか EdmondsonAmy
  機能きのうするチームとはチームメンバーが団結だんけつし成果せいかを出だす働はたらき方かたのことで、本書ほんしょではチーミングと呼よび、チーミングの条件じょうけんや活動かつどうについて詳細しょうさいに書かかれています。良よいチーム状態じょうたいを客観きゃっかん的てきに捉とらえ、把握はあくできる書籍しょせきです。

手法しゅほうがわかりやすい書籍しょせきから特定とくてい領域りょういきの専門せんもん書しょや組織そしき論ろんへ

挿絵さしえが多おおく口語こうごで書かかれストーリー性せいのある文章ぶんしょうは、読よみやすくスクラムの入門にゅうもん書しょとして人気にんきでした。
またスクラムの流ながれにそってフレームワークを章しょう立だてにした書籍しょせきは、レファレンスとして活用かつようしやすく幅広はばひろい経験けいけん者しゃに好このまれています。
実践じっせん経験けいけんが長ながくなるほど、システム思考しこうやユーザーストーリーマッピングなど限定げんていされた専門せんもん領域りょういきを学習がくしゅうする傾向けいこうが見みえました。

私わたしが考かんがえるスクラム開発かいはつ者しゃに読よんでほしい書籍しょせき

ここからは上記じょうきの書籍しょせき以外いがいで私わたしが考かんがえるスクラム開発かいはつ者しゃに読よんでほしい書籍しょせきをご紹介しょうかいいたします。

• SCRUMMASTER THE BOOK
  スクラムマスターは役割やくわりを果はたすために状況じょうきょうに応おうじた打うち手しゅが多岐たきにわたります。故ゆえにどの打うち手しゅをとるべきか迷まよう経験けいけん年数ねんすうの浅あさいスクラムマスターは少すくなくないと思おもいます。
  この本ほんはとても読よみやすく、またスクラムマスターの活動かつどうレベルごとの活動かつどうフォーカスポイントや必要ひつようスキルについて書かかれておりスクラムマスターとして成長せいちょうしたい方ほうにはぜひ読よんでほしいです。
  
• みんなでアジャイル 変化へんかに対応たいおうできる顧客こきゃく中心ちゅうしん組織そしきのつくりかた
  なぜアジャイル開発かいはつが必要ひつようなのかという疑問ぎもんや、スクラムのマインドセットについて学まなべます。アジャイル開発かいはつが選えらばれる背景はいけいや理由りゆうを知しりたい方ほうもいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時ときはこの本ほんを読よむと良よいと思おもいます。組織そしき上じょうの全すべての方ほうと一緒いっしょに顧客こきゃく中心ちゅうしんな組織そしき作づくりを進すすめる時ときに起おこりやすい問題もんだいとその改善かいぜんについての知しりたい方ほう向むけの一いち冊さつです。
  
• トヨタ生産せいさん方式ほうしき　脱だつ規模きぼの経営けいえいをめざして/大野おおの耐たい一いち
  トヨタの無駄むだを徹底的てっていてきに排除はいじょした仕組しくみ”トヨタ生産せいさん方式ほうしき”について解説かいせつされています。
  “ジャスト・イン・タイム”、”現地げんち現物げんぶつ”などスクラム実践じっせんに活用かつようできるものがたくさんあります。
  イテレーション開発かいはつについて、またプロダクトバックログの作つくり方かたやプロセス改善かいぜんについてヒントを得えたい方ほうに読よんでほしいです。

他ほかにも紹介しょうかいしたい書籍しょせきはありますが、今回こんかいはこの辺あたりにしておきます。

ヤフーのスクラム実践じっせん者しゃがよく参加さんかしていた勉強べんきょう会かい

続つづいてヤフーのスクラム実践じっせん者しゃがよく参加さんかしていたイベントや研修けんしゅうについて紹介しょうかいします。

実践じっせん経験けいけん1〜2年ねんの方ほうが参加さんかしたイベントや研修けんしゅう

• 社内しゃないのスクラム初心者しょしんしゃ向むけセミナー
  
• 社内しゃないのスクラムマスター同士どうしの意見いけん交換こうかん会かい
  

実践じっせん経験けいけん2〜3年ねんの方ほうが参加さんかしたイベントや研修けんしゅう

• Regional Scrum Gathering Tokyo （外部がいぶサイト）

実践じっせん経験けいけん3〜5年ねんの方ほうが参加さんかしたイベントや研修けんしゅう

• 認定にんていスクラムマスター研修けんしゅう（外部がいぶサイト）
• 認定にんていスクラムデベロッパー研修けんしゅう（外部がいぶサイト）
• Certified LeSS Practitioner（外部がいぶサイト）
• Certified Agile Leadership（外部がいぶサイト）

実践じっせん経験けいけん5〜10年ねんの方ほうが参加さんかしたイベントや研修けんしゅう

• 認定にんていアドバンスドスクラムマスター研修けんしゅう（外部がいぶサイト）
• 認定にんていスクラムマスター研修けんしゅう（外部がいぶサイト）
• 認定にんていプロダクトオーナー研修けんしゅう（外部がいぶサイト）
• 認定にんていスクラムデベロッパー研修けんしゅう（外部がいぶサイト）
• Certified LeSS Practitioner（外部がいぶサイト）

社内しゃない研修けんしゅうやセミナーから、徐々じょじょに社外しゃがいのイベントや認定にんてい研修けんしゅうに参加さんかする傾向けいこう

ヤフーには社内しゃない向むけにアジャイル開発かいはつに関連かんれんしたセミナーや研修けんしゅうがあります。
スクラムの概要がいようセミナーから、スクラムマスターやプロダクトオーナーなどロールごとの研修けんしゅうやチームビルディングに特とく化かしたものなどさまざまです。
新卒しんそつ向むけアジャイル研修けんしゅうも実施じっしされました。
これからスクラムを始はじめる方ほうや始はじめたばかりの方ほうをターゲットにしたものも多おおく、スクラム実践じっせん1〜2年ねんの方ほうが気楽きらくに学まなべます。
また、不定期ふていきですが社外しゃがいに向むけたセミナーや研修けんしゅうもあります。ぜひこちらのconnpassをチェックしてみてください。
またある程度ていどのスクラム実践じっせん経験けいけんを積つむと社外しゃがいへのイベントや研修けんしゅうに参加さんかする傾向けいこうが見みられました。
社外しゃがいのコミュニティには経験けいけん者しゃ同士どうしが意見いけん交換こうかんできるSlackの専用せんようチャンネルや、アジャイル開発かいはつについて情報じょうほうを共有きょうゆうするチャンネルもあり、幅広はばひろく学まなべる環境かんきょうがあります。
スクラム実践じっせん者しゃの経験けいけん談だんや実際じっさいに議論ぎろんできる場ばとして以下いかをご用意よういしています。

• スクラム実験じっけん室しつ（外部がいぶサイト）
  ヤフーの社員しゃいんと他社たしゃのメンバーで立たち上あげたコミュニティです。
  スクラムの概要がいようセミナーから、実践じっせん事例じれいまでセミナーやワークショップを通とおして理解りかいを深ふかめてくれます。
  
• Yahoo! JAPAN Agile
  ヤフー社員しゃいんによるスクラムの事例じれい発表はっぴょうやセミナーイベントです。
  書籍しょせきにはない実際じっさいに現場げんばで起おこった問題もんだいや、スクラム実践じっせん者しゃによる工夫くふうや改善かいぜん事例じれいを紹介しょうかいしています。
  参加さんか者しゃとのコミュニケーションを大切たいせつにし、疑問ぎもんや質問しつもんにスクラム実践じっせん者しゃが丁寧ていねいに答こたえてくれます。記事きじにもなっているので、読よんでいただくと雰囲気ふんいきがわかるかと思おもいます。
  ヤフーのアジャイル開発かいはつ事例じれいを紹介しょうかい”Yahoo! JAPAN Agile 1st”

私わたしが参加さんかしてきた研修けんしゅう

私わたしが今いままで受講じゅこうしてきた社外しゃがい研修けんしゅうをいくつか紹介しょうかいします。

• Kazumasa Ebataさん（外部がいぶサイト）
• Michael Jamesさん（外部がいぶサイト）
• Bas Voddeさん（外部がいぶサイト）

上記じょうき研修けんしゅうの魅力みりょくは講師こうしからの一方いっぽう通行つうこうな講義こうぎではなく、対話たいわを通とおして自分じぶんの思考しこうがアップデートされることです。
ナレッジはもちろんたまりますし、現場げんばに戻もどった後のちの活動かつどうについてヒントを得えられるのがとても良よかったです。

過去かこの自分じぶんにどんなアドバイスを送おくるか？

最後さいごにスクラムを始はじめた頃ころの自分じぶんへアドバイスできるとしたら、どんなことを伝つたえるかヤフーのスクラム開発かいはつ実践じっせん者しゃに尋たずねてみました。

実践じっせん経験けいけん1〜2年ねんの実践じっせん者しゃが過去かこの自分じぶんに送おくるアドバイス

• 最初さいしょは、スクラムのフレームワークに忠実ちゅうじつに従したがうよう心こころがける。
  
• 各かくミーティングなどその意義いぎに疑念ぎねんを持もつこともあるが実践じっせんし続つづける。
  
• まずスクラムを体感たいかんし、次つぎにエッセンシャルスクラムといった教科書きょうかしょとの差分さぶんについて考かんがえる。
  

実践じっせん経験けいけん2〜3年ねんの実践じっせん者しゃが過去かこの自分じぶんに送おくるアドバイス

• 「他たのチームも使つかっているから」という理由りゆうだけで１ひとつの手法しゅほうを続つづけるのではなく、他たの手法しゅほうも取とり入いれて最適さいてきな方法ほうほうを見みつける。
  
• 最初さいしょから最適さいてき解かいはないので、実践じっせんし立たち止どまり考かんがえる(フリカエル)。
  
• 解決かいけつしたい疑問ぎもんを感かんじたら抱かかえ込こまずチームに共有きょうゆうすること。
  

実践じっせん経験けいけん3〜5年ねんの実践じっせん者しゃが過去かこの自分じぶんに送おくるアドバイス

• 実践じっせん前まえに型かたを学まなび型かたどおり進すすめるのは大事だいじだが、型かたに囚とらわれることで苦くるしむくらいなら楽たのしむことを選択せんたくする。
  
• スクラム促進そくしん・実践じっせんは1人ひとりでは困難こんなんだから仲間なかまを見みつけること。
  
• スクラム、アジャイルの歴史れきしや必要ひつよう性せいを理解りかいすることと、根本こんぽんにある原則げんそくを忘わすれないこと。
  
• 最初さいしょから完璧かんぺきに進すすめることは難むずかしいからコーチと相談そうだんしながらプロセス設計せっけいすること。
  

実践じっせん経験けいけん5〜10年ねんの方ほうのスクラム始はじめた頃ころの自分じぶんにアドバイス

• 継続けいぞくすることで必かならず効果こうかが現あらわれるので根気こんきよく実践じっせんし続つづけること。
  
• チームが活動かつどうする中なかで最もっとも実現じつげんしたい最さい重要じゅうよう指標しひょうを決きめること。
  
• フレームワークの表面ひょうめん的てきな理解りかいではなく、本質ほんしつを理解りかいするために探求たんきゅうすること。
  
• 継続けいぞく的てきに学習がくしゅうすることで経験けいけん・知識ちしきが得えられるので諦あきらめないこと。
  

最後さいごに

今回こんかいヤフーのスクラム実践じっせん者しゃに学習がくしゅう方法ほうほうを聞きいてみましたが、書籍しょせき、セミナー、研修けんしゅうからの学習がくしゅうがほとんどでした。
人気にんきのある書籍しょせきや研修けんしゅうは、社外しゃがいでも評判ひょうばんが良よいものが多おおかったです。

最後さいごに私わたしが普段ふだん心こころがけている学習がくしゅう方法ほうほうを紹介しょうかいします。
うろ覚おぼえから知識ちしきへ
学習がくしゅうしただけではなんとなくの理解りかい、うろ覚おぼえの状態じょうたいが多おおいです。説明せつめいや語かたることで知識ちしきに変換へんかんされていくので学習がくしゅうしたことはアウトプットすることを心こころがけています。
マネからモノへ
書籍しょせき、研修けんしゅうを参考さんこうにすることがあります。ただし単たんにマネるのではなく、自分じぶん流りゅうに作つくり直なおします。うまくいかないことも多々たたありますが自分じぶん流りゅうに変かえる過程かていで禹行舜しゅん趨ではなく少すこしずつ自分じぶんのモノになることを実感じっかんします。