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インターステラと室蘭工大、包括連携–ロケットの材料研究含め総合的に連携
2023.01.24 08:00
飯塚直
インターステラテクノロジズ(北海道大樹町)は1月23日、室蘭工業大学(北海道室蘭市)と包括連携協力協定を締結したと発表した。ロケットエンジン開発やロケット軽量化のための材料研究など、両者の共同研究をこれまで以上に推進するとともに、人材育成や広報活動などを含めた総合的な連携関係を構築することが目的。
主に「人材育成に関する各種活動」「相互の広報活動」「共同研究の推進」「相互のニーズ及びシーズの提供」「マッチングに関する各種活動」「その他、本協定の目的達成のために必要と認めたもの」という6項目について、協定を締結した。
インターステラは、観測ロケット「MOMO」でこれまでに計3回、国内民間企業単独として初めて、唯一の宇宙空間到達を達成。次世代機となる超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の開発を本格化させている。
室蘭工業大学は、日本の基幹ロケット用エンジンの開発に関する豊富な経験と実績があると説明。インターステラと室蘭工業大学は2019年度から共同で低コストターボポンプの研究に取り組んでいる。
2020年12月には、研究促進のため、同大学内に拠点となる室蘭技術研究所を開設。同大学との事業は、経済産業省の2021年度「サポイン事業(戦略的基盤技術高度化支援事業)」にも北海道で唯一採択されている。
室蘭工業大学は2020年10月に、インターステラの本社がある北海道大樹町に大樹サテライトオフィスを開所。共同研究の促進にとどまらず、大樹町が主催する宇宙航空イベントへの支援や協力など教育や地域貢献にも取り組んでいる。
2021年9月には、室蘭工業大学 航空宇宙機システム研究センターにロケット開発を産学連携で推進する拠点「宇宙プロジェクト共創ラボラトリ」を開設。国内ポンプ製造最大手の荏原製作所が加わり、同社と室蘭工業大学、荏原製作所との3者による共同開発を進めている。
インターステラは、ロケットエンジンに関する豊富な経験と実績を持つ室蘭工業大学との連携をさらに強化することで、初号機打ち上げを目指しているZEROの開発を促進していくとしている。