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NASA、宇宙望遠鏡でX線と遠赤外線を選定–26年に絞り込み、費用は10億ドルまで
米航空宇宙局(NASA)は米国時間10月3日、「Probe Explorers」と呼ぶ、新しい宇宙探査ミッションの一部として宇宙望遠鏡の2つの提案を選定した。選ばれたのは、X線による「AXIS」と遠赤外線による「PRIMA」。
AXIS(Advanced X-ray Imaging Satellite)は、広い視野と高い空間解像度を持つX線撮像観測装置を宇宙に浮かべて、超大質量のブラックホールや銀河のガスと塵の流れを調査する。地上でのX線天文台の成果に基づいてX線の撮像での新しい能力を獲得できるという。
PRIMA(PRobe far-Infrared Mission for Astrophysics)は、遠赤外線画像と分光法に最適化された1.8メートル級の望遠鏡で惑星形成の過程や銀河と超大質量ブラックホールの進化、銀河、重元素、星間塵の形成を調べる。現在稼働中のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)のような既存の赤外線観測装置と電波望遠鏡のギャップを埋めるものになるという。
各提案には1年間の研究費として500万ドル(約7億4000万円)が支給される。NASAは2026年に2つの提案のうち1つを選定して開発し、2032年に打ち上げる予定だ。ミッション費用は10億ドルが上限。どちらも、米学術機関である全米科学・工学・医学アカデミーによる天文学と天体物理学での10年計画「Astro2020」が挙げている主要なトピックに対応している。
現在、稼働している宇宙望遠鏡はハッブル(Hubble Space Telescope:HST)やジェイムズ・ウェッブ(James Webb Space Telescope:JWST)が有名。ナンシー・グレース・ローマン(Nancy Grace Roman Space Telescope:NGRST)が2020年代半ばの打ち上げが予定されている。その次に「Habitable Worlds Observatory(HWO)」が控えている。
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AXIS
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