造形作家・宮田瑞稀さんの個展が3月26日~4月5日、宇都宮の「ギャラリー・イン・ザ・ブルー」(宇都宮市東宿郷3)で開催された。
会場の作品1
会場には鉄板で造形した作品を中心に、油絵、鉛筆デッサンの作品全30点を展示した。作品の多くは、以前飼っていた愛犬レオンや実家に来る猫がモデル。
最初に鉄を使って造形したのは大学での授業。鉄と針金を使って「卵」を作る課題で、設計図から書き起こして作った。大学時代、先輩が置いていった鉄くずを使って作っていた時もあったという。
「鉄は素材感が強く、粘土では崩れてしまうような上部が大きくてバランスの悪い形のものでも自由にできるのが魅力で面白い」と宮田さん。以来、鉄を使った作品を多く作っている。さまざまな形に溶断した板を「つぎはぎ」状に溶接しているのが宮田さんの作品の特徴。見る角度によって表情が変わり、生き物感が出せるように、軽くイメージを書いてから作っていくという。
一つの作品を作るのに2、3カ月かかる。高さ65センチ、タイトル「風のにおい」という、鉄で作った愛犬がモデルの作品が、宮田さんが「現在、一番自分の求めているものに近い作品」だという。会場では、展示以外に犬や猫のデッサンファイルも置いた。
今後について、宮田さんは「もっと自分が思うような造形に近づけていけたら」と意気込む。