遊軍ゆうぐん～編集へんしゅう局きょくの「なんでも屋や」のブログ

　やればできる！ｐａｒｔ２です。

　マスコミは打うち上あげ花火はなびで、騒さわぐだけ騒さわいで後のちはフォローしないと言いわれないようしようという意味いみも込こめて書かいてみました（今回こんかいは自分じぶんで書かきました）。

　しかし、公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいの判断はんだんはまだ出でていません。

　以前いぜんよりよくなったからといって、過去かこにあった不正ふせいを許ゆるすようなことがあってはならないはずです。

　「未遂みすい」という言葉ことばがありますが、事件じけん記者きしゃはよく「既遂きすい」という言葉ことばを使つかいます。事件じけんの構成こうせい要件ようけんを満みたした時点じてんで、「犯罪はんざいを既すんでに成なし遂とげげてしまった」という意味いみです。後戻あともどりはできません。

　「ごめんで済すんだら警察けいさついらない」「（盗ぬすんだモノを）返かえせば良よいってものではない」ということです。詐欺さぎ師しに騙だまされそうになって、金品きんぴんを取とられる前まえに気きがついても、詐欺さぎ未遂みすい罪ざいで立件りっけんされることもあるくらいですから。

　まして、日本道路にほんどうろ興きょう運うん社しゃは、現職げんしょくの閣僚かくりょうが大だい株主かぶぬしでありかつ秘書ひしょ給与きゅうよを立たて替かえていましたし、別べつの現職げんしょくの女性じょせい閣僚かくりょうにとっては父親ちちおやの代だいからの支援しえん者しゃですから、どうしたって処分しょぶんの行方ゆくえに注目ちゅうもくが集あつまろうというものです。

　中川なかがわ昭一しょういち財務ざいむ相しょうが辞任じにんしました。久ひさしぶりの大臣だいじん辞任じにんはまたしても、私わたしの宿直しゅくちょく明あけでした。

　しばらく、永田町ながたちょうを揺ゆるがすような大型おおがた不祥事ふしょうじがなかったので忘わすれてましたが、今日きょうの取材しゅざいは、これまで数々かずかずの大臣だいじんが、私わたしが弱よわっている日ひを狙ねらって（？）辞意じいを表明ひょうめいしてくれていたことを鮮明せんめいに思おもい出ださせてくれました。

　中川なかがわ元もと財務ざいむ相しょうが辞意じい表明ひょうめいした緊急きんきゅう記者きしゃ会見かいけんが開ひらかれた昼間ひるまから先さきほどまで、それこそ酩酊めいてい状態じょうたいで衆院しゅういん内ないをうろついて、代議士だいぎし先生せんせいのコメント取とりと原稿げんこう書がきなどをしていました。

　かく言いう私わたしも実じつは、事件じけん記者きしゃ時代じだいは多忙たぼうにつき風邪かぜでも仕事しごとを休やすめず、酒席しゅせきでパブロンをビールや水割みずわりで飲のんだものでした。
　あの時ときの自分じぶんも、テレビで繰くり返かえし流ながされている酩酊めいてい記者きしゃ会見かいけんのようだったのかもしれません…。
 

　とまれ、中川なかがわ元もと財務ざいむ相しょうは、政治せいじ家かとしては、弊紙へいしのスタンスに近ちかく、閣僚かくりょうとしての活躍かつやくができなくなったのは残念ざんねんでした。議員ぎいんとしての仕事しごとに戻もどるわけですから、病院びょういんで休養きゅうようされた後のちの再起さいきに期待きたいしたいと思おもいます。

　ところで、国会こっかい記者きしゃクラブでは「池田いけだが泊とまり明あけの日ひは要注意ようちゅうい」と張はり紙がみが…ある訳わけないですが、いい笑わらいモノになっています。
　次回じかいの泊とまり勤務きんむは２月がつ２●日にちです。
 

　講師こうしの楠山くすやま氏しの分析ぶんせきによると、日本にっぽんのネット広告こうこくは２００９年ねん、不ふ況きょう下かでも１０％から１２％成長せいちょうし、新聞しんぶんを抜ぬいて第だい２のメディアになるのではないかとのことでした。

　シードプランニングの予想よそうによると、オンラインの成長せいちょう率りつは１１．２％（７６００億おく円えん）。新聞しんぶんは１１％落おちて７３８０億おく円えん…。新聞しんぶん社しゃは今後こんご、ネットで攻せめ、コスト削減さくげんで守まもる作戦さくせんを取とることになるだろうと見みています。

　楠山くすやま氏しがいま面白おもしろいと思おもっている新聞しんぶん社しゃは、日経新聞にっけいしんぶんと光栄こうえいにも産経新聞さんけいしんぶんだそう。以下いか、発言はつげん要旨ようし。

　「日経にっけいは、ウォールストリートを意識いしきしている（有料ゆうりょう化か路線ろせん）。産経さんけいはデジタルを分社ぶんしゃ化かして、『ウェブファースト』と社長しゃちょうがい切いきり、意思いし統一とういつができている。（産経さんけいは）財務ざいむ状況じょうきょうは無視むししたとしても、すばらしい取とり組くみだと思おもう。がむしゃらにやるのがいいのではないか。ＮＹにゅーよーくタイムズのように、会社かいしゃ一丸いちがんとなってがむしゃらにやるというのがいい」

　弊社へいしゃがロイターさんの配信はいしんを受うけているせいか、なんだか妙みょうにおだてていただきました。

　最後さいごに、講演こうえん後ごの質疑しつぎ応答おうとうで気きになったものを一ひとつだけ紹介しょうかいします。

Ｑ（某ぼう全国ぜんこく紙し）　アメリカは規制きせい緩和かんわからコングロマリット化かしていたが、日本にっぽんでも起おきるか。

Ａその可能かのう性せいは高たかい。フジメディアホールディングスのような持株もちかぶ会社かいしゃか。その中なかに、産経新聞さんけいしんぶんや地方ちほう局きょくが入はいってくるのではないか。日本にっぽんでは、読売よみうりグループとかフジグループがあるので。

　経営けいえいの弱よわいテレビ局てれびきょく、経営けいえいの弱よわい新聞しんぶん社しゃがくっつくのは弱者じゃくしゃ連合れんごうになってしまう。経営けいえいを健全けんぜんにしたうえで、くっつく方ほうがいいのではないか。

Ｑ（コングロマリット化かを）促進そくしんするための方策ほうさくは。

Ａくっつくもの同士どうしの経営けいえいを健全けんぜん化かすること。

Ｑリストラという意味いみか。

Ａそうです。

※アメリカ編へんはこちら

 http://ikedaa.iza.ne.jp/blog/entry/910298/

※イギリス編へんはこちら

http://ikedaa.iza.ne.jp/blog/entry/915627/

 引ひき続つづき、

　欧米おうべいの先進せんしんメディア事例じれいに学まなぶ２００９年ねん日本にっぽんメディア業界ぎょうかいの将来しょうらい図ず

　の話はなしです。

　今度こんどは、イギリス編へん。

　面白おもしろかったのは、広告こうこくの話はなしでした。

　イギリスのネット広告こうこくは２００９年ねん、７．２％成長せいちょうし、全ぜん広告こうこくに占しめる割合わりあいは２５％へ増ふえました。２０１０年ねんから再ふたたび２桁けた成長せいちょうが見込みこまれているということです。

　ちなみに、２００８年ねんの広告こうこく費ひシェアは、新聞しんぶん２７．１％、ネット２４．５％、テレビ２５．１％と拮抗きっこう。

　講師こうしの楠山くすやま氏しは、２００９年ねんには、ネットが新聞しんぶん、テレビを抜ぬくとみています。スウェーデンはすでに逆転ぎゃくてんしているそうです。

　イギリスでネットのシェアが高たかい理由りゆうも、興味深きょうみぶかいものでした。

　イギリスは国策こくさくとして、ネット広告こうこくの価値かちを高たかめているそうです。日本にっぽんではネット広告こうこくは新あたらしくてあてにならないような感かんじですが、イギリスはブレア元もと首相しゅしょうが提唱ていしょうしたクール・ブリタニカ政策せいさくの中なかで、イギリスをクリエイティブ大国たいこくにしようとしたことから、１ページビューの単価たんかを高たかく設定せっていできたそうです。

　料金りょうきん表ひょうをみると、イギリスの１ＰＶの単価たんかは、アメリカの２倍ばい、なんと日本にっぽんの４倍ばいの価格かかくでした！

　ところで（ここからは私わたしの感想かんそうです）、イギリス政府せいふのＰＶ単価たんかアップ策さくもうれしいですが、フランスでは政府せいふが若者わかものの新聞しんぶん購読こうどく費ひを補助ほじょすることになったようですね。

　日本にっぽんも報道ほうどう機関きかんを三権分立さんけんぶんりつのチェックとは別べつの「第だい４のチェック機関きかん」（第だい４の権力けんりょくならぬ…）と位置いちづけ、政府せいふによるなんらかの助たすけ舟ぶねがあっていいような気きもします。

　政府せいふからお金かねをもらったら、政府せいふに楯だて突つけなくなるという見方みかたもあるかもしれませんが、スポンサーだからといって筆ふでを止とめたら、それこそ読者どくしゃが離はなれてしまう訳わけですから、そんなことにはならないと思おもいます。

　実際じっさい、どの新聞しんぶんを見みても、広告こうこくをもらっている企業きぎょうの不祥事ふしょうじの記事きじだって、ちゃんと載のっていますから。

※アメリカ編へんはこちら↓

http://ikedaa.iza.ne.jp/blog/entry/910298/

　先日せんじつ、訳わけあって、

欧米おうべいの先進せんしんメディア事例じれいに学まなぶ２００９年ねん日本にっぽんメディア業界ぎょうかいの将来しょうらい図ず

 　という講演こうえん会かいに行いってきました。

　講師こうしは、ロイター通信つうしんの日本にっぽん法人ほうじん「トムソン・ロイター・ジャパン」のメディア事業じぎょう部ぶゼネラルマネージャー、楠山くすやま健一郎けんいちろう氏し。トムソン・ロイター社しゃは、世界せかい１７カ国かこくでニュースサイトを持もっています。欧米おうべいの新聞しんぶん・テレビなどの大手おおてメディアの弱体じゃくたい化かを受うけ、自みずから媒体ばいたいを持もつにいたったそうです。

　楠山くすやま氏しご自身じしんもおっしゃっていたとおり、全体ぜんたい的てきに広ひろく浅あさい内容ないようでしたが、いくつかびっくりしたことがあり、大変たいへん参考さんこうになりました。

 　まず、アメリカの記者きしゃの仕事しごとです。

　ノートパソコンを持もち歩あるく記者きしゃが、ニュースの現場げんばからネット向むけに出稿しゅっこうし、新聞しんぶん用ようの原稿げんこうも書かき、時ときにはデジカメの前まえで動画どうがニュースも自分じぶんで撮とって送信そうしんする…というところまでは、産経新聞さんけいしんぶん社しゃでも目指めざしていないことはないのですが、さらに加くわえて、ＳＥＭ（Search Engine Optimization＝サーチエンジン最適さいてき化か）対策たいさくもするという話はなしでした。

　ＳＥＯ対策たいさくをするということは、検索けんさくサイトに引ひっかかりやすい原稿げんこうを書かくということです。それでは読者どくしゃにおもねるばかりになりがちでしょう。

　読者どくしゃをリードすジャーナリズムとＳＥＯ対策たいさくを両立りょうりつする術じゅつが必要ひつようになってくるわけです。

  　次つぎに広告こうこく費ひ。

　Ｅｍａｒｋｅｔｅｒ社しゃの昨年さくねん１２月がつの予測よそくによると、２０１１年ねんにはネット広告こうこくが新聞しんぶん広告こうこくを逆転ぎゃくてんする可能かのう性せいが大おおきいとのこと。

　この流ながれは、遅おそかれ早はやかれ、日本にっぽんにもくるでしょう。

　もっとも、欧米おうべいの新聞しんぶん業界ぎょうかいの収入しゅうにゅうのうち２０％が購読こうどく、８０％が広告こうこく。日本にっぽんは７０％が購読こうどく、３０％が収入しゅうにゅうとなっているそうです。日本にっぽんの方ほうが購読こうどくに頼たよれる分ぶんだけ影響えいきょうが少すくないものの、ビジネスモデルの転換てんかんは待まったなしと言いって良よさそうです。

　ただし、楠山くすやま氏しは慧眼けいがんにも、日本にっぽんの購読こうどくによる収入しゅうにゅうは購読こうどくを維持いじするための支出ししゅつで帳消ちょうけしになっていると考かんがえていると指摘してきしていました。

  　続つづいて、特徴とくちょう的てきな３媒体ばいたいについて紹介しょうかいがありました。３媒体ばいたいとは、ニューヨークタイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、フォーブスです。

　ＮＹにゅーよーくタイムズはご存知ぞんじの通とおり、１８５１年ねん創刊そうかんの米国べいこくで最もっとも伝統でんとうのある新聞しんぶん。発行はっこう部数ぶすうは、１１０万まん部ぶ。

　ところが、株価かぶかは２００４年ねんの５３ドルから、すでに５ドルへ下さがりました。Ｓ＆Ｐは同社どうしゃ株かぶの格付かくづけを「ジャンク」としているとのことです。

　本社ほんしゃは、ニューヨークの一いち等地とうちもありますが、ビルを抵当ていとうにして延命えんめい中ちゅう。保有ほゆうするレッドソックス株かぶも売うりにだしているという苦境くきょうぶりです。

 　ＮＹにゅーよーくタイムズは戦略せんりゃくとして、ネットに力ちからを入いれており、アメリカのニュースサイトでは１番ばんだそうです。

　中なかでも、先進せんしん的てきな試こころみの１ひとつは、「オープン化か」。

　これまで、新聞しんぶん社しゃは外部がいぶにリンクを張はりたがらなかったのですが、自社じしゃの記事きじに他紙たしのサイトへのリンクを張はることにしたそうです。裏うらサイトを作つくり、ウォールストリートジャーナルやロサンゼルス・タイムズにリンクを張はっています。

　ウォールストリートジャーナル（ＷＳＪ）は１８８９年ねんの創刊そうかん。ダウ・ジョーンズ傘下さんかにあったが、マードックのニューズ・コーポレーションに買かわれた。発行はっこう部数ぶすう２１０万まん部ぶで、金融きんゆう情報じょうほうが強つよみの新聞しんぶんです。

　こちらは、ＮＹにゅーよーくタイムズと違ちがい、有料ゆうりょう化か路線ろせん。１年間ねんかん８９ドルで記事きじを見みることができ、購読こうどく数すう１００万まん人にんですから、年間ねんかん８９億おく円えんの収入しゅうにゅうになります。

　もっとも、最近さいきんはマードック路線ろせんとの折衷せっちゅう案あんで一部いちぶ無料むりょう化かが進すすみ、ページビュー数すうが増ふえ、広告こうこくも増加ぞうか傾向けいこうだったとのことです。 

 　フォーブス誌しは、１９１７年ねん創刊そうかんの月刊げっかん誌し。発行はっこう部数ぶすう９０万まん部ぶ。ビジネスウィークやフォーチュンなどと並ならぶ世界せかい有数ゆうすうの経済けいざい誌しで、長者ちょうじゃ番付ばんづけが有名ゆうめいです。

　１９９６年ねんにフォーブス・ドット・コムを立たち上あげて上場じょうじょうし、キャピタルゲインを得えたうえ、さらにアグレッシブなサイトの作つくりをしています。

　サイトを開設かいせつすると、雑誌ざっしの部数ぶすうが減へると言いわれていたが、フォーブスは逆ぎゃくに部数ぶすうを増ふやしたそうです。まさに、ネットとの両立りょうりつ成功せいこうモデルです。ちなみに、フォーブスは紙かみの編集へんしゅう部ぶとネットの編集へんしゅう部ぶの２ふたつの編集へんしゅう部ぶはいらない、としています。 

　今朝けさ、会社かいしゃからの電話でんわで目めを覚さましました。

　「国くにと契約けいやくを結むすんだ会社かいしゃが、平成へいせい１７年ねん８月がつ３０日にちの総そう選挙せんきょ告示こくじ日にち前後ぜんこうに、尾身おみ幸次こうじ元もと財務ざいむ相しょうが代表だいひょうを務つとめる政党せいとう支部しぶに献金けんきんをした、という記事きじを共同通信社きょうどうつうしんしゃが配信はいしんしてきたけど、どう扱あつかうか？」

　という問とい合あわせでした。

　不正ふせい献金けんきん報道ほうどうにはいくつかのポイントがあります。

　とりあえず、契約けいやくの内容ないようを聞きくと、２ふたつあって、１ひとつは農林水産省のうりんすいさんしょうからの研究けんきゅう委託いたく事業じぎょう、２ふたつめは国交こっこう省しょうからの調査ちょうさ業務ぎょうむでした。

　政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうであれば、調査ちょうさや研究けんきゅう、国くにの代かわりにやる事業じぎょう、利益りえきを生うみ出だすことを目的もくてきとしない事業じぎょうなどで国くにから補助ほじょ金きん類るいを受うけても、献金けんきんをしていいことになっています。

　最初さいしょは公職こうしょく選挙せんきょ法ほうもこれと同おなじだと思おもっていたのですが、違ちがいました。

　公職こうしょく選挙せんきょ法ほう１９９条じょう第だい１項こうにはこうあります。

　なるほど、「特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやく」でなければ、国くにと契約けいやくしていても献金けんきんしていいわけです。

　で、特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやくとはなにか？

 　ここからがちょっと大変たいへんでした。

　軽かるくインターネットで調しらべたところ、地方自治体ちほうじちたいの選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいのホームページには詳くわしい説明せつめいがありませんでした。

　そこで、国会こっかい議事ぎじ録ろくをあたったところ、以下いかのような政府せいふ答弁とうべんを見みつけました。

○政府せいふ参考さんこう人じん（高部たかべ正男まさお君くん）　お答こたえを申もうし上あげます。
　委員いいん御ご指摘してきございました公職こうしょく選挙せんきょ法ほう百ひゃく九きゅう十じゅう九きゅう条じょう第だい一いち項こうは、請負うけおいその他た特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやくの当事とうじ者しゃが選挙せんきょに関かんする寄附きふを行おこなうことを禁きんじているわけでございますが、この契約けいやくでございますが、まず第だい一いちに請負うけおい契約けいやくが当あたります。次つぎに、請負うけおい契約けいやく以外いがいの契約けいやくで、特別とくべつの利益りえき、つまり利益りえきの契約けいやく全体ぜんたいに対たいする割合わりあいが通常つうじょうの場合ばあいと比較ひかくして特とくに大おおきい契約けいやく、又または利益りえきの割合わりあいは通常つうじょうであっても、契約けいやくそのものが大おおきいために利益りえきの総額そうがくが大おおきい場合ばあいで、例たとえばその利益りえきが特恵とっけい的てき又または独占どくせん的てきな場合ばあいなどが該当がいとうするものと解ほぐされているところでございます。
　なお、具体ぐたいの事例じれいにつきまして、この特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやくに当あたるか否ひかにつきましては、契約けいやくの内容ないように即そくしまして個別こべつ具体ぐたいに判断はんだんされるべきものと、かように考かんがえているところでございます。（平成へいせい１５年ねん６月がつ１６日にち　参院さんいん決算けっさん委員いいん会かい）

　つまり、特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやくとは、「利益りえきの割合わりあいが通常つうじょうより大おおきい契約けいやく」か「利益りえきの割合わりあいは通常つうじょうであっても利益りえきの総額そうがくが特とくに大おおきい契約けいやく」のどちらかということになります。

　今回こんかい問題もんだいになった契約けいやくは、１６６０万まん円えんと約やく１００万まん円えんでした。この２ふたつの契約けいやくが「利益りえきの割合わりあいが通常つうじょうより大おおきいか」は、月曜日げつようびに役所やくしょが開ひらくまで分わかりません。また、１００万まん円えんと１６６０万まん円えんが「総額そうがくが特とくに大おおきいか」なんて、だれが決きめるのでしょうか。さらに、その利益りえきが特恵とっけい的てき、独占どくせん的てきかどうかなんて・・・。

　ちなみに、この答弁とうべんはある意味いみ、ずるいです。

 　特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやくかどうかは、「個別こべつ具体ぐたい的てきに判断はんだんされるべきものと考かんがえているところでございます」ということですが、その判断はんだんをする第三者だいさんしゃ機関きかんはありません。

　総務そうむ省しょうや選挙せんきょ管理かんり委員いいん会かいは、政治せいじ団体だんたいの資金しきん収支しゅうし報告ほうこく書しょの体裁ていさいさえ間違まちがっていなければ、受うけ付つけてしまいます。

　たとえ、政治せいじ団体だんたいの会計かいけい責任せきにん者しゃが「これは特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやくでしょうか」と聞きいたとしても、上記じょうきのような答弁とうべんに終始しゅうしするだけですから、個別こべつ具体ぐたい的てきに判断はんだんするのは献金けんきんした業者ぎょうしゃか献金けんきんを受うけた政治せいじ団体だんたいになります。

　その献金けんきんが大おおきな政治せいじ問題もんだいとなり、辞職じしょく勧告かんこくを議論ぎろんするような事態じたいになれば国会こっかいが、あるいは民事みんじ・刑事けいじ裁判さいばんになれば司法しほうが裁さばくことになりますが、なかなか現実げんじつ的てきでなく、事実じじつ上じょうの野放のばなしとなります。

（寄付きふの制限せいげん違反いはん）

 第だい248条じょう　

 　一方いっぽう、尾身おみ元もと財務ざいむ相しょう事務所じむしょは「適正てきせいに受領じゅりょうしている」とコメントしています。

　実じつは、尾身おみ元もと大臣だいじんは平成へいせい１５年ねんの総そう選挙せんきょのときにも国くにと契約けいやくを結むすんだ別べつの業者ぎょうしゃから１００万まん円えんの献金けんきんを受うけていたことが昨年さくねん６月がつに発覚はっかくし、返還へんかんする意向いこうを示しめしていました。

　ということは、尾身おみ元もと大臣だいじん事務所じむしょは、公職こうしょく選挙せんきょ法ほう第だい１９９条じょう１項こうについて知悉ちしつしているはずです。だから「適正てきせいに受領じゅりょうしている」というコメントは重おもく見みる必要ひつようがあります。しかも、前回ぜんかいの契約けいやくの額がくは６７２０万まん円えんの土木どぼく工事こうじですから、今回こんかいより大おおきな額がくです。。

　結果けっか的てきに、産経新聞さんけいしんぶん社しゃは慎重しんちょうに判断はんだんし、共同通信きょうどうつうしんの記事きじを使つかったり、同様どうようの記事きじを掲載けいさいすることをとりあえずやめました。

　ただし、国会こっかい会議かいぎ録ろくの別べつの答弁とうべんには、こんなくだりもあります。

　○高部たかべ政府せいふ参考さんこう人じん　公職こうしょく選挙せんきょ法ほう百ひゃく九きゅう十じゅう九きゅう条じょう第だい一いち項こうにおきましては・・・（中略ちゅうりゃく）・・・ただ、いずれにいたしましても、具体ぐたいの契約けいやくが「特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやく」に該当がいとうするか否ひかにつきましては、この規定きていが、契約けいやくの当事とうじ者しゃたる地位ちいの取得しゅとく、維持いじまたは更新こうしん等とうを求もとめる代償だいしょうとして相当そうとう額がくの寄附きふがなされた場合ばあいには、そのために選挙せんきょの結果けっかに好このましからざる影響えいきょうが及およぶことを防止ぼうししようとするという趣旨しゅしでございます。こういう法ほうの趣旨しゅしに従したがいまして、健全けんぜんな常識じょうしきで判断はんだんしなくてはならないものと解ほぐされているところでございます。（平成へいせい１５年ねん２月がつ２０日にち　衆院しゅういん予算よさん委員いいん会かい）

　今回こんかいの献金けんきん問題もんだい、公職こうしょく選挙せんきょ法ほうの条文じょうぶんには違反いはんしていないかもしれませんが、法ほうの趣旨しゅしには違反いはんしているかもしれません。

　最後さいごに、「特別とくべつの利益りえきを伴ともなう契約けいやく」を第だい１９９条じょう第だい１項こうに盛もり込こみ、いまだに削除さくじょしていない理由りゆうを見みつけました。

　〇島上しまがみ善ぜん五郎ごろう委員いいん　国くにと契約けいやくしている会社かいしゃ、団体だんたいがあまりに多おおいので、私わたしは、あまりに一挙いっきょに範囲はんいを広ひろげるということは、現状げんじょうにかんがみまして少すこし無理むりではないか。そこで、これは必かならずしも理想りそう案あんとは申もうされませんけれども、理想りそうに近ちかづくための一いち歩ほないし二に歩ほ前進ぜんしんの意味いみにおきまして、今いま申もうしました国くにから補助ほじょ金きん、奨励しょうれい金きん、助成じょせい金きん、交付こうふ金きん、財政ざいせい投融資とうゆうしを受うけている団体だんたい、会社かいしゃその他た法人ほうじんからは寄付きふを受うけないことにする、こういうのが一番いちばん現在げんざい妥当だとうな改正かいせいではないかと思おもいます、一般いっぱんの会社かいしゃ、一般いっぱんの労働ろうどう団体だんたいその他たの団体だんたいからの寄付きふについて、今日きょうそのよりな制限せいげんを設もうけることは適当てきとうでない、このように考かんがえまして、そこまで拡大かくだいしなかったのであります。（昭和しょうわ３６年ねん４月がつ２１日にち　衆院しゅういんの公職こうしょく選挙せんきょ法ほう改正かいせいに関かんする調査ちょうさ特別とくべつ委員いいん会かい）

　前回ぜんかいまでのブログで浮うかんだ国会こっかい議員ぎいんの資産しさん公開こうかい制度せいどに関かんする疑問ぎもん点てんについて、衆院しゅういん事務じむ局きょくに尋たずねてみました。

１.所得しょとく等とう報告ほうこく書しょに確定かくてい申告しんこくの内容ないようを記載きさいする理由りゆうは？
→根拠こんきょ法ほうである資産しさん公開こうかい法ほうができる前まえに国会こっかい議員ぎいんは確定かくてい申告しんこくを提出ていしゅつすることになっていて、それを踏襲とうしゅうした。税務署ぜいむしょの目めも入はいっていて、いいのではないかということだった。

２.資産しさん等とう報告ほうこく書しょに資本しほん金きん１億おく円えん未満みまんの未み上場じょうじょう株かぶを記載きさいしなくていい理由りゆうは？
→資料しりょうが残のこってない。

 資産しさん公開こうかい法ほうはやはり、政治せいじ資金しきん規正きせい法ほう同様どうよう、抜ぬけ穴あなだらけと言いって良よさそうです。罰則ばっそくもありませんし…。
 

 昨年さくねん11月がつに塩谷しおや文科ぶんか相しょう事務所じむしょに質問しつもん状じょうを送おくった話はなしをしたかと思おもいます。談合だんごう疑惑ぎわくがもたれている企業きぎょうの株主かぶぬし配当はいとうを所得しょとく等とう報告ほうこく書しょに記載きさいしていなかった件けんです。

その内容ないようの一部いちぶを公開こうかいします。

あまりに、おざなりな対応たいおうだったので、政治せいじ家かは国民こくみんの疑問ぎもんに誠実せいじつに説明せつめいするべきではないかというメッセージを込こめて、です。

　まず、平成へいせい２０年ねん１１月がつ５日にちの質問しつもんから（抜粋ばっすい）。
  

　１．（独占どくせん禁止きんし法ほう違反いはんの疑うたがいで公正こうせい取引とりひき委員いいん会かいの立たち入いり検査けんさを受うけた）日本にっぽん道路どうろ興きょう運うん株式かぶしきの譲渡じょうとを受うけた日付ひづけをお教おしえください。

　２．同どう株式かぶしきの譲渡じょうとの経緯けいいをお教おしえください。

　３．同どう株式かぶしきの配当はいとうを受うけられたか、受うけていれば、金額きんがくをお教おしえください。

　続つづいて、翌よく６日にちの追加ついか質問しつもん（抜粋ばっすい）。
 

　１．日本道路にほんどうろ興きょう運うん株式会社かぶしきがいしゃの株式かぶしき４０００株かぶの譲渡じょうと価格かかくをお教おしえてください。

　２．平成へいせい１６年ねん以降いこう、塩谷しおや先生せんせいの資金しきん管理かんり団体だんたいや政党せいとう支部しぶ、その他たの政治せいじ団体だんたいに対たいし、同社どうしゃからの献金けんきんやパーティー券けん購入こうにゅうはありましたでしょうか。あれば、その詳細しょうさいをお教おしえください。

　２ふたつの質問しつもん状じょうに対たいする回答かいとう（１１月がつ６日にち付づけ）は以下いかの通とおりです（抜粋ばっすい）。

　１．（日本道路にほんどうろ興きょう運うんの）株式かぶしきは相続そうぞくにより取得しゅとくしたものです。大臣だいじん就任しゅうにんまでの国会こっかい議員ぎいんとしての有価ゆうか証券しょうけんに関かんする報告ほうこくについては「政治せいじ倫理りんりの確立かくりつのための国会こっかい議員ぎいんの資産しさん等とうの公開こうかい等とうに関かんする法律ほうりつ」（資産しさん公開こうかい法ほう）に従したがって適正てきせいに報告ほうこくしているところです。

　２．（同社どうしゃからの献金けんきんやパーティー券けんの購入こうにゅうは）政治せいじ資金しきん規正きせい法ほうに従したがい収支しゅうし報告ほうこく書しょに記載きさいしているとおりです。

　これに対たいする再さい質問しつもん状じょうを１１月じゅういちがつ７日にちに送付そうふし、同日どうじつ中ちゅうの回答かいとうを求もとめましたが、回答かいとうは得えられませんでした。取材しゅざい趣旨しゅしの説明せつめいと、質問しつもん内容ないようは以下いかの通とおりです。