エルミタージュ図書館としょかん

「ひど〜い！」
「ひどすぎます！」
　今こん流行りゅうこうの写真しゃしんの上うえにナルシスト系けいポエムを書かき込こんだものの集大成しゅうたいせい。２１００円えん（税別ぜいべつ）なのに写真しゃしんの発色はっしょくがメチャクチャ悪わるい。反射はんしゃ原稿げんこうを使用しよう（詩しを書かき込こんだ写真しゃしんそのものをスキャンした）のではないだろうか？　字じも個性こせいより小学生しょうがくせいの文集ぶんしゅうを彷彿ほうふつさせるし、写真しゃしんに記しるされているサインなど小学生しょうがくせいの落書らくがきレベルだ。そして、ペンネームがすごい。「写真しゃしん作家さっかたつろう」。自みずからのことを「写真しゃしん作家さっか」と呼よんでしまっているが、ペンネームとＷＥＢのハンドルネームを勘違かんちがいしているのではないだろうか？　本ほんを制作せいさくする時ときに、編集へんしゅう者しゃは、写真しゃしん原稿げんこうの扱あつかい方かた、ペンネームのつけ方かたなどでアドバイスしなかったのだろうか？

　それでも「蓼たで食くう虫むしも好すき好すき」とは言いったものだ。路上ろじょう販売はんばいをしている彼かれにはファンも多おおいらしく、掲示板けいじばんには「感動かんどうした！」なんて書かき込こみも目立めだつ。私わたしの感性かんせいの方ほうが経年けいねん劣化れっかしてしまっただけなのではと不安ふあんに駆かられ、仕事しごと関係かんけいの本ほん好すき２０代だい女性じょせいに、この本ほんを貸かしてあげた。
　「自己じこ完結かんけつ型がたの人ひとって好すきじゃないんです」。
　本ほんを返かえしてもらう時ときの彼女かのじょの一言ひとことで、なんかホッとした。

　ところで、どうしてこのようなダボ〜ンがエルミタージュ図書館としょかんに存在そんざいするのか？　それをここに書かくと著者ちょしゃが寝込ねこんでしまいそうなので、やめておく。

（個人こじん的てき評価ひょうか：−）
（おすすめ度ど：宝たからくじで５億おく当あたった時ときに購入こうにゅうしてください！）

　南西諸島なんせいしょとうはもちろんのこと、尖閣諸島せんかくしょとう、竹島たけしま、軍艦ぐんかん島とう、南鳥島みなみとりしま（気象庁きしょうちょう・海上かいじょう自衛隊じえいたい・海上保安庁かいじょうほあんちょうの職員しょくいんのみの１５人にんの島しま）、孀婦岩そうふがん（見みたことないだろ〜。私わたしは見みたことあるけど）、臥蛇島がじやしままで、有人ゆうじん無人むじん、日本にっぽんにあるすべての島しまを網羅もうらしている書しょ。
　【所在地しょざいち】【面積めんせき】【周囲しゅうい】【標高ひょうこう】【世帯せたい数すう】【人口じんこう】【年齢ねんれい比率ひりつ】【産業さんぎょう】【来島らいとう者しゃ数すう】【交通こうつう機関きかん】から【窓口まどぐち】まで。地図ちずの記載きさいも多おおい。私わたしの所有しょゆうしているものは１９９８年版ねんばん１１５２ページで２８００円えん（税別ぜいべつ）。しばらく改訂かいてい版ばんが出でていなかったが、２００４年ねん７月がつ、『シマダス第だい２版はん』（１３２７ページ　税込ぜいこみ３１５０円えん）が出でた。
　地図ちずや時刻じこく表ひょうで「旅たび」することのできる人ひとには必携ひっけいの１冊さつ！

（個人こじん的てき評価ひょうか：★★★★★）
（おすすめ度ど：地図ちずや時刻じこく表ひょうを見みて、旅たびすることができる人ひとには一生いっしょうモノです！）

　たしかに「ある意味いみで」面白おもしろい本ほんだった。これまで見みてきた中国ちゅうごくでの戦争せんそう中ちゅうの写真しゃしんが本物ほんものであるか否ひか？

 　しかし、 写真しゃしんに関かんしては、ありとあらゆる角度かくどから疑問符ぎもんふを投なげかける著者ちょしゃだが、日本にっぽん軍ぐんにとって都合つごうの良よい写真しゃしんや、従軍じゅうぐん記者きしゃや日本にっぽん軍ぐん大尉たいいなどの発言はつげんに対たいしては何なんの疑問ぎもんも感かんじず鵜呑うのみである。

　南京なんきんでの「合法ごうほう的てき処刑しょけい」については著者ちょしゃは本書ほんしょで認みとめている。ジュネーブ条約じょうやくやバーグ陸戦りくせん法規ほうきなどを挙あげているが、当時とうじの関係かんけい者しゃや一いち歩兵ほへいがそういった法ほうを熟知じゅくち・遵守じゅんしゅしていたのだろうか？　現在げんざいのようにマスコミが発達はったつしていてもイラクでは捕虜ほりょに対たいする不適切ふてきせつな行為こういが行おこなわれているのだ。また、そういった戦争せんそう法ほうを知しっていたなら、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん末期まっきに多おおくの日本にっぽん兵へいや一般人いっぱんじんが自決じけつ的てき行為こういを行おこなわなくても済すんだはずである。

　埋葬まいそうした遺体いたいは１５０００体たいであるということも著者ちょしゃは本書ほんしょで認みとめている。また、虐殺ぎゃくさつかどうかは別べつとして、中国ちゅうごくでの戦闘せんとう行為こういの死者ししゃについても否定ひていしていないが、他人たにんの土地とちに上あがりこみ武力ぶりょくを行使こうしすると、その正当せいとう性せい・合法ごうほう性せいが当時とうじどういったものであろうが禍根かこんを残のこすことは明白めいはくである。

　たしかに著者ちょしゃが主張しゅちょうするように、何なん枚まいかの写真しゃしんは、南京なんきん大だい虐殺ぎゃくさつや日本にっぽん軍ぐんの残虐ざんぎゃく行為こういとは無縁むえんのものもあるかもしれない。しかし、中国ちゅうごくで日本にっぽん軍ぐんが行おこなってきたことは、加害かがい者しゃ側がわの告白こくはくからもわかるし、虐殺ぎゃくさつの数かずの多少たしょうはあるかもしれないが、否定ひていできない事実じじつだろう。ちょっと洞察どうさつしてみればわかることではないか？　治安ちあんが良よいといわれている今日きょうの日本にっぽんでも、日々ひび、尋常じんじょうでない事件じけん・陰湿いんしつな事件じけんが起おこっている。「スーフリ」のような鬼畜きちくの所業しょぎょうもあるわけだ。鬼畜きちくの所業しょぎょうまでは行いかなくとも、性欲せいよくをコントロールしきれない男おとこは五ご万まんとおり、アジア諸国しょこくで女おんなを買かったことを自慢じまんするバカもいまだに少すくなくない。学校がっこうではイジメがあっても中なかに入はいって止とめることのできる人間にんげんは少すくない。当時とうじは人権じんけん意識いしきも今日きょうほど高たかくなく、「チャンコロ」などという蔑称べっしょうが当あたり前まえに使つかわれていた時代じだいだ。現在げんざいでも、近隣きんりん諸国しょこくの人ひとたちに対たいする差別さべつ意識いしきや偏見へんけん・無知むちは多々たた存在そんざいする。そんなことなどから考かんがえると戦時せんじ下かの中国ちゅうごくで、日本人にっぽんじんがそれなりのことをしてきたことは容易よういに想像そうぞうがつくはずだ。

　もう少すこし私わたしなりに逆ぎゃくに疑問符ぎもんふを投なげかけてみよう。「日本にっぽん軍ぐんは代価だいかを払はらって鶏にわとりを買かった」とあるが、日常にちじょうでも汚きたない上下じょうげ関係かんけいがある場合ばあい、「よこせ！」という奴やつや、買かうといって品物しなものを受うけ取とった後のち、金かねを払はらわない奴やつも多々たたいるではないか？　　また、中国人ちゅうごくじんの臓器ぞうき試食ししょくについて、著者ちょしゃは「そんな残酷ざんこくな行為こういをする習慣しゅうかんがあっただろうか？」と記しるしているが、戦争せんそう末期まっき、撃墜げきついしたＢ２９搭乗とうじょう員いんらを生体せいたい実験じっけんし、医者いしゃが臓器ぞうきを自慢じまんげに喰くったというレポートを読よんだことがある。

　私わたしは、虐殺ぎゃくさつの数かずが、３０万まん人にんだったのか、３万まん人にんだったのか、３千せん人にんだったのかは、わからない。しかし、３０万まんなら大だい虐殺ぎゃくさつで、３千せん人にんなら大だい虐殺ぎゃくさつでない、なんてことはないはずだ。
　「南京なんきん事件じけんは歪曲わいきょく」と簡単かんたんにい切いきる若者わかものが増ふえていることは、戦争せんそう体験たいけんの第だい三さん世代せだいへの伝承でんしょうがいかに難むずかしいかを物語ものがたっているようで、とても残念ざんねんだ。

（個人こじん的てき評価ひょうか：★★）
（おすすめ度ど：一読いちどくの価値かちくらいはある）