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ダヤンと王の塔
2009年10月26日
池田あきこ 価格:¥880 (本体¥838+税)
人気猫ダヤンを主人公にした、時空を超えた長編ファンタジーシリーズの第6弾。平和なタシル王国を死の森の魔王から守るため、タシル国王の大猫グラン、王子猫ジタン、大魔女「セ」らが戦う。「音楽での決闘」など ...[全文へ]
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ゴーストライター
2009年10月22日
ロバート・ハリス 価格:¥920 (本体¥876+税)
ほぼ完成した原稿を1か月で手直しすれば25万ドル。好条件につられてラング前英首相のゴーストライターを引き受けた「私」は、米国の孤島でラング夫妻を取材する。前任ライターは謎の水死。対テロ戦争でのラング ...[全文へ]
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水銀虫
2009年10月22日
朱川湊人 価格:¥630 (本体¥600+税)
妻に裏切りを告白され、悄然(しょうぜん)と街をゆく男に奇妙な女がまつわりつく(「枯葉の日」)、快活だった姉が自殺し、傷心の母を慰める姉の友だち。死神のような女生徒の正体は(「はだれの日」)。人の魂の ...[全文へ]
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つばさよつばさ
2009年10月22日
浅田次郎 価格:¥500 (本体¥476+税)
1年のうち3分の1は旅をしている「旅先作家」暮らし。旅をすれば締め切りがきつく、帰京後は打ち合わせが待つが、旅は力の源だ。さまざまな物を食べ、人間を見て謙虚になり、不在中の遅れに悩むどころか原稿が進 ...[全文へ]
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がんと心
2009年10月22日
岸本葉子 価格:¥570 (本体¥543+税)
がん体験者の岸本氏が、がん診断後に生じる落ち込みと不安のケアを専門にする精神腫瘍(しゅよう)医の内富氏と語り合う。「知る権利」の浸透で告知率は増したが、告知の衝撃、治療の苦しみ、再発への不安などの葛 ...[全文へ]
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京都奈良「駅名」の謎
2009年10月19日
谷川彰英 価格:¥600 (本体¥571+税)
駅名に隠された謎を解き明かそうと、地名研究者が現地を歩き回って調べた。源義経にゆかりのある「蹴上(けあげ)」、渡来人の秦(はた)氏が興した養蚕にちなんだ「蚕(かいこ)ノ社(やしろ)」、万葉集に詠まれ ...[全文へ]
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京〈Kyo〉のお言葉
2009年10月13日
入江敦彦 価格:¥700 (本体¥667+税)
「さよか」「もっさい」など京都の言葉にこめられた微妙なニュアンスを、懇切丁寧に解説。一つの言葉でプライドを示したり、毒を中和したり、思わずニヤリとさせられる。言葉に合わせて掲載した写真もおしゃれ。お ...[全文へ]
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空飛ぶタイヤ
2009年10月8日
池井戸潤 価格:¥680 (本体¥648+税)
トラックのタイヤが外れ、息子の手を引いた若い主婦が亡くなった。整備不良のせいにし続け、リコール隠しをする大企業に立ち向かう、小さな運送会社の2代目社長の持久力。不利益な事柄は知りたくない、躍起となっ ...[全文へ]
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グランド・ブルテーシュ奇譚
2009年10月8日
オノレ・ド・バルザック 価格:¥620 (本体¥590+税)
『ゴリオ爺(じい)さん』等を手に取って諦(あきら)めていた人も、本書により、バルザックを知る悦(よろこ)びを得るだろう。「人間喜劇」の作品群から、訳者により選ばれた短篇(たんぺん)を収録。皮膚が粟立 ...[全文へ]
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此処彼処
2009年10月8日
川上弘美 価格:¥460 (本体¥438+税)
いつかの日、目次に並ぶ様々な土地に「居た」著者。5歳の時に裸足(はだし)で駆け抜けた夜のオレゴンの街、小学生の時に湯島の祖母の家へ一人で行った冒険。少女時代の描写の際立ちは、著者が男の子の母のためか ...[全文へ]
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毎月新聞
2009年10月8日
佐藤雅彦 価格:¥680 (本体¥648+税)
広告や教育など多方面で深い思考を示し、ひらめきで魅了し続ける著者は、「かつては自分が表現をするとは夢にも思わなかった」という。1998年から4年間毎日新聞に連載された紙上新聞。「だんご3兄弟」や「ピ ...[全文へ]
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栗林忠道硫黄島からの手紙
2009年10月5日
栗林忠道 価格:¥480 (本体¥457+税)
太平洋戦争の激戦地、硫黄島の戦いで、日本軍の総指揮をとった栗林忠道中将が、家族に書いた全41通の書簡を収録。半藤一利氏が詳細な解説を付している。幼い子どもたちにあてた手紙には、ただ父親としての優しさ ...[全文へ]
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君はフィクション
2009年10月1日
中島らも 価格:¥550 (本体¥524+税)
亡くなって5年、今も存在感ある奇才の最後の短編集。怖いのにどこか笑えるホラー、不思議な透明感の漂うロマンティックな恋愛もの、実体験を背景に音楽への傾倒を描いたルポふうの物語などバラエティーに富む。単 ...[全文へ]
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地球を斬る
2009年10月1日
佐藤優 価格:¥620 (本体¥590+税)
日露関係やアジアでの日本外交の可能性をめぐる2006〜07年の連載にその後の検証とキーワード解説を加え、元外交官の眼差(まなざ)しはますます鋭い。文庫化にあたって書き下ろされた序文とあとがきも読み応 ...[全文へ]
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シャドウ
2009年10月1日
道尾秀介 価格:¥735 (本体¥700+税)
最近注目の新鋭による本格ミステリ大賞受賞作。母が病死し父と二人暮らしになった小学5年生の凰介が、自分自身の問題を抱えながらも幼なじみの亜紀の身に起こった悲劇に手をさしのべる。日常のちょっとした違和感 ...[全文へ]
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子どものための哲学対話
2009年10月1日
永井均 価格:¥400 (本体¥381+税)
小学5年生の「ぼく」と猫の「ペネトレ」とのユーモラスなやりとりの中で、人間という存在への根源的な問いかけとそれに対する考え方が展開する。世の中の公式の答えは受け入れないこともできるのだと忘れてはいけ ...[全文へ]
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貧困の光景
2009年9月28日
曽野綾子 価格:¥420 (本体¥400+税)
海外で活動する日本人神父や修道女に物資や資金を送っている著者が、自らもアフリカを訪ね、最貧国といわれる地域で見た貧しさの実態をつづった。互いに食べ物を分け合う、やせほそった子どもたち。エイズで死に別 ...[全文へ]
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私の中のあなた
2009年9月21日
ジョディ・ピコー著 川副智子訳 価格:¥735 (本体¥700+税)
白血病の姉ケイトに骨髄移植などの治療を施すため、遺伝子操作を経て生まれた妹のアナ。腎臓移植を求められ、両親を相手取って訴訟を起こす。家族のきずなを問いかける感動の物語。映画化され、10月に公開される ...[全文へ]
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澁澤龍彦日本芸術論集成
2009年9月17日
渋沢竜彦 価格:¥1470 (本体¥1400+税)
古典美術から現代舞踏まで、日本の芸術について書かれたエッセイをすべて収録した決定版集成。キリスト教以降のヨーロッパにおいてエロティック美術は悪徳と結びついているが、浮世絵の春画には神と原罪のない国の ...[全文へ]
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淀川でバタフライ
2009年9月17日
たかのてるこ 価格:¥710 (本体¥676+税)
映画会社に勤めるかたわら、エッセイストとしても活躍する著者の日常をつづった一冊。50歳をすぎて突然腹話術師になった母、どんなことがあっても動じない父、名前は似ているのに性格は対照的なふたりの祖母など ...[全文へ]
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時限捜査
2009年9月17日
ジェイムズ・F.デイヴィッド 価格:¥798 (本体¥760+税)
アメリカ、ポートランドで幼児ばかりを狙う連続殺人犯クレイドルラバー(ゆりかご泥棒)による事件が発生。娘を失って以来、酒におぼれる敏腕刑事が捜査にあたる。土壇場で子どもたちを救い、奇妙な紙切れを渡す老 ...[全文へ]
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ツアー1989
2009年9月17日
中島京子 価格:¥500 (本体¥476+税)
1989年、香港ツアーで1人の青年が消えた。15年後、青年の想い人、ツアーの参加者、添乗員が当時を振り返る。青年の消息を追うノンフィクションライターの卵が探り当てた「迷子つきツアー」とは何か? バブ ...[全文へ]
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ちょい太でだいじょうぶ
2009年9月14日
鎌田実 価格:¥600 (本体¥571+税)
メタボリックシンドロームを克服する食事や運動、睡眠、ストレスとのつきあい方を自ら実践し、ちょっと太っている方が心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの発症が少ない、と解説する。「がんばらない」を提唱してき ...[全文へ]
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数学的にありえない
2009年9月10日
アダム・ファウアー 価格:¥770 (本体¥733+税)
ポーカーの勝負中、強烈な悪臭に苛(さいな)まれて大敗した天才数学者ケイン。発作に悩む彼は、やむなく実験薬を服用するが、副作用で起きたのは驚異の「能力」の発現だった。「能力」を狙う秘密機関の追跡をかわ ...[全文へ]
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すじぼり
2009年9月10日
福澤徹三 価格:¥820 (本体¥781+税)
北九州で父親と2人暮らし、就職活動もせずに悪友とつるんでいる亮は、バーで知り合ったやくざの組事務所に出入りすることに。凶暴だが情が厚い武石、年下なのに頼れる松原ら、面々に魅了されて亮も無法者を気取り ...[全文へ]
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わが師山本周五郎
2009年9月10日
早乙女貢 価格:¥520 (本体¥495+税)
狷介(けんかい)にして頑迷、「曲軒」の異名をとり、〈作者は自分の小説によって殺されるもの〉と記した通りに仕事場で急逝した文豪、山本周五郎。昭和27年頃から周五郎宅に通い、人生全般を教えられた著者が、 ...[全文へ]
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少年たちはなぜ人を殺すのか
2009年9月10日
宮台真司 価格:¥903 (本体¥860+税)
神戸連続児童殺傷事件、佐賀バスジャック事件、愛知主婦殺人事件……。1990年代後半から相次ぎ、社会を震撼(しんかん)させた少年事件をめぐる、社会学者と精神科医の連続討論。いわゆる“不良”が問題を起こ ...[全文へ]
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音楽機械論
2009年9月7日
吉本隆明 価格:¥1260 (本体¥1200+税)
1984年に思想家と音楽家が行った対談を収録。スタジオで実際に電子楽器を使って坂本が作曲技法を説明したり、現代音楽の作曲家や美空ひばりなどを題材に対話が展開したり。音楽に対する吉本の率直な質問、坂本 ...[全文へ]
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62のソネット+36
2009年9月3日
谷川俊太郎 価格:¥630 (本体¥600+税)
余白さえも詩に造ったような詩人22歳の詩群。頭から呑(の)み込むのではなく、英詩と交互に読むと攪拌(かくはん)される。改めて、これらの詩があることを前提に、詩人たちは自作を書いてきたのだなあとの感慨 ...[全文へ]
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自由への道
2009年9月3日
ジャン・ポール・サルトル 価格:¥798 (本体¥760+税)
著者の名は教科書で知っているという世代にも薦めたい。「あんたが独りなのは、それが好きだからだよ」。ゆびや手の描写。細切れの恋愛に疲れた人は、恋愛にこなれた人の眼差(まなざ)しの描写に飲まれてみては? ...[全文へ]
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ラブシーンの言葉
2009年9月3日
荒川洋治 価格:¥460 (本体¥438+税)
初出の週刊誌連載の時に扱った本がすべて新刊だった、ということにまず驚く。性愛のシーンをピックアップして、コメントする。本と場面を決定するのは、軟らかな文章に反して苦労の多い作業だったはず。選ぶ箇所( ...[全文へ]
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恋人たち、幸せな恋人たち
2009年9月3日
ヴァレリー・ニコラ・ラルボー 価格:¥1050 (本体¥1000+税)
100年前の小説が、程よい数の読者を獲得している。この作家の名前素敵!と思ったのは、ヘミングウェイの著書だった。パリにある寮制の学校の少年たちの間に突如現れるコロンビアの少女の名を冠した「フェルミナ ...[全文へ]
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北海道幸せ鉄道旅15路線
2009年8月31日
矢野直美 価格:¥880 (本体¥838+税)
「鉄子ブーム」のパイオニアが、北海道の全15路線(廃止された「ふるさと銀河線」を含む)を旅する。各駅停車ならではの風景や思いがけない出会いを、飾らない文章と自ら撮影したカラー写真で紹介。知られざる北 ...[全文へ]
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終末のフール
2009年8月27日
伊坂幸太郎 価格:¥660 (本体¥629+税)
小惑星が衝突して地球は滅びる、と発表されて5年がたった。3年後にくる“終末”を前に、パニックが過ぎたあとの奇妙な静けさの中でそれぞれの人生の過去と未来に向き合う人々を描く連作短編集。頑固な父親、優柔 ...[全文へ]
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名人誕生
2009年8月27日
西村淳 価格:¥420 (本体¥400+税)
映画「南極料理人」の原作になった元南極観測隊員のエッセーシリーズ最新作。1988年に訓練と身体検査を経て初めて隊員となるまでのどたばたと、そこで出会ったいずれも濃いキャラクターの隊員仲間を、ハイテン ...[全文へ]
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スキャンダルを追え!「噂の眞相」トップ屋稼業
2009年8月27日
西岡研介 価格:¥735 (本体¥700+税)
新聞記者として阪神大震災に直面して「報道とは何か」を考え、酒鬼薔薇事件で権力側から情報を得る取材に限界を感じた著者は、タブーに挑む伝説の雑誌に転職。正論とバランス感覚をかなぐり捨て、「エライ人におも ...[全文へ]
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老いらくの花
2009年8月27日
小沢昭一 価格:¥520 (本体¥495+税)
読んでいると軽妙なリズムの語りを聞いているように心地よく、くせになる。「もうノンビリと、遊びが一番、仕事は二番で暮らそう、『こいつァ宗旨を変えざあなるめえ』の心境に至ったのです」なんて文章、他の誰に ...[全文へ]
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コンビニたそがれ堂
2009年8月24日
村山早紀 価格:¥599 (本体¥570+税)
冒険ファンタジーの作家による、コンビニ・ストーリーの第2弾。大事な探しものがある人は必ずここで見つけられる、というミステリアスなコンビニが登場する、4編の物語を収録した。友達に会いたいと願う10歳の ...[全文へ]
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静かなる天使の叫び
2009年8月20日
ロジャー・ジョン・エロリー 価格:¥740 (本体¥705+税)
第2次世界大戦直前、アメリカ南部の田舎町で起こった連続少女惨殺事件。死体の発見者になった少年の数奇な生涯を描く。町を覆う恐怖、疑いをかけられる隣人、精神を病んでいく母。子ども時代に巻き込まれた犯罪の ...[全文へ]
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顔面考
2009年8月20日
春日武彦 価格:¥861 (本体¥820+税)
サブカルチャーにも造詣が深い精神科医による画期的な「顔」論。恐怖漫画を例にステレオタイプな「狂気の顔」とはどんなものか検証したり、観相学を例に人間が顔と性格を結びつけて他人を見るのはなぜか考えたり、 ...[全文へ]
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中庭の出来事
2009年8月20日
恩田陸 価格:¥700 (本体¥667+税)
変死した脚本家にかかわりがある女優たちの攻防「中庭の出来事」、衆人の目前で突然死した女子大生をめぐる怪異譚(たん)「中庭にて」、どこともしれない霧の中を歩く2人の男の対話「旅人たち」。並行して語られ ...[全文へ]
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外人術
2009年8月20日
佐藤亜紀 価格:¥924 (本体¥880+税)
目次には「長距離旅客機は、空飛ぶ家畜運搬車である」「正当な待遇を得たければ金を持つこと」「外国で友達を作ろうと思うな」といった挑発的なタイトルが並ぶが、読めば目からウロコ。必要なところにだけお金を使 ...[全文へ]
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雨の日には雨の中を風の日には風の中を
2009年8月17日
相田みつを 価格:¥540 (本体¥514+税)
さまざまな言葉を書き残した書家で詩人のベストセラー作品集を文庫化。「欠点まるがかえで信ずる」「やわらかいこころ」など、言葉にあわせて墨の濃淡や字体もさまざま。心がひと休みしたいときに。(角川文庫、5 ...[全文へ]
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片眼の猿
2009年8月13日
道尾秀介 価格:¥540 (本体¥514+税)
盗聴専門の探偵・三梨は、耳の外見が普通ではない。楽器メーカーの依頼でライバル社を盗聴する傍ら、同業者の冬絵をスカウトするが、盗聴先の会社で殺人が起き、仕事が暗礁に乗り上げてしまう。三梨と仲間たちは、 ...[全文へ]
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ヒロシマ、60年の記憶
2009年8月13日
近藤紘子 価格:¥620 (本体¥590+税)
著者は生後8か月の時、爆心地から1.1キロの地点で被爆した。救済活動に尽力して留守がちな父、谷本清牧師に複雑な思いを抱いて育ち、10歳の時、原爆を投下したエノラ・ゲイの副操縦士、ルイスの涙を見て衝撃 ...[全文へ]
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グラウンド・ゼロがくれた希望
2009年8月13日
堤未果 価格:¥650 (本体¥619+税)
2001年9月11日、テロで崩壊した世界貿易センターの隣のビルにいた著者は、事件後PTSD症状に苛(さいな)まれ、03年3月、日本に帰国した。9・11によって「理想のアメリカ」像は打ち砕かれたが、で ...[全文へ]
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一枝の桜
2009年8月13日
フセヴォロド・オフチンニコフ 価格:¥840 (本体¥800+税)
約40年前、日本人は大多数が見合いで結婚し、妻は出勤する夫を見送り、丁寧にお辞儀をしていた。1960年代にソ連共産党の機関紙「プラウダ」の東京特派員を務めた著者が、71年に刊行した日本人論の初文庫化 ...[全文へ]
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ナガサキノート
2009年8月10日
朝日新聞社 価格:¥693 (本体¥660+税)
被爆者の声を次世代に残したいと、昨年から今年にかけて朝日新聞長崎県内版に掲載された計270回の記事を、加筆修正した。原爆で傷ついた両足、背中に残るケロイドなどの写真も掲載し、けっして忘れてはならない ...[全文へ]
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一本の茎の上に
2009年8月6日
茨木のり子 価格:¥630 (本体¥600+税)
彼女の詩は堅苦しくて、と思う読者も、このエッセイ集は大丈夫。晩年親交のあった金子光晴を描く筆が際立っている。性に関しても、柔軟な発想に、思わず微笑(ほほえ)んでしまう。50歳を過ぎて韓国語を学び、詩 ...[全文へ]
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第七官界彷徨
2009年8月6日
尾崎翠 価格:¥651 (本体¥620+税)
作家の再発見のきっかけとなった本作品の「初の単独文庫化」。ここから、詩情とおかしみと昂(たかぶ)りを経験させてくれる「おさきみどり」の他の小説へも、踏み迷う子供や大人が増えるだろう。「創作ノート」に ...[全文へ]
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もののはずみ
2009年8月6日
堀江敏幸 価格:¥540 (本体¥514+税)
丁寧に生きている人だけが獲得する視線、感触や戸惑い、それ自体が文章になっている。「もの」との遭遇から、自宅での日々まで、あたたかく「適度にぼやけた」(「白壁に映ったエジプト」)筆者の描写は、陶器の肌 ...[全文へ]
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鉄道員は見た!
2009年8月6日
難波とん平 価格:¥420 (本体¥400+税)
遅れを放送する電車内などで読むと迫力がある。同業者を描いた小説を読み、クリスチャンになった運転士のとん平と、駅員の三吉。命を預かる現場は過酷で、ドキッとすることを警戒する分、トピックが尽きない。雨の ...[全文へ]