(Translated by https://www.hiragana.jp/)
外債投資もインデックス・ファンドで : 山崎流マネーここに注目 : トレンド : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
The Wayback Machine - https://web.archive.org/web/20091020100800/http://www.yomiuri.co.jp:80/atmoney/trend/yamazaki/20091016-OYT8T00462.htm



現在位置は
です

トレンド

一覧いちらん
本文です

外債がいさい投資とうしもインデックス・ファンドで

 株式かぶしきのアクティブ・ファンドが、平均へいきんてきて、TOPIXなどの市場いちば平均へいきんてないことについては、かなりひろわたってきたようだ。たとえば、日本にっぽん株式かぶしきファンドマネジャーは市場いちば平均へいきんよりも電気でんき業種ぎょうしゅかぶおおち、金融きんゆうかぶすくなくつような傾向けいこうがあるので、市場いちばうごきとこうした傾向けいこう合致がっちしたときには、アクティブ・ファンドの平均へいきん市場いちば平均へいきん凌駕りょうがするデータがることがあるが、ながると、日本にっぽんのみならず米国べいこくでも、アクティブ・ファンドは市場いちば平均へいきん、そしてインデックス・ファンドにてないことがおおい。

 その最大さいだい原因げんいん手数料てすうりょうりつちがいだ。年間ねんかんすうじゅうベイシス(1ベイシスは100ぶんの1%)のであっても、継続けいぞくてき影響えいきょうするので、市場いちば平均へいきんたたかうファンドマネジャーにとってはおも負担ふたんになる。

 この傾向けいこうは、運用うんよう対象たいしょうわってもおなじだ。「日本経済新聞にほんけいざいしんぶん」(10がつ11にち朝刊ちょうかん)に「シティグループ世界せかい国債こくさいインデックス」をベンチマークとする外債がいさいファンドとして、アクティブ・ファンドの「グローバル・ソブリン・オープン」(運用うんよう国際こくさい投信とうしん)と、インデックス・ファンドの「PRU海外かいがい債券さいけんマーケット・パフォーマー」(どうプルデンシャル投信とうしん)の8年間ねんかん運用うんよう成績せいせき比較ひかくっていた。騰落とうらくりつ累積るいせき分配ぶんぱいきん税引ぜいびまえさい投資とうし仮定かてい)で47.1%にたいし37.5%と、やくわりけて「PRU海外かいがい債券さいけんマーケット・パフォーマー」がっていた。りょうファンドは、信託しんたく報酬ほうしゅうが60ベイシスきょう(1.31%たい0.68%)ことなるが、外債がいさいとはいえ、債券さいけん運用うんようでこのおもい。

 「PRU海外かいがい債券さいけんマーケット・パフォーマー」は、外国がいこく債券さいけん投資とうしするリテール販売はんばいされる投資とうし信託しんたくとしては信託しんたく報酬ほうしゅうおさえているが、それでも、債券さいけん運用うんようで68ベイシスの手数料てすうりょうちいさくないと筆者ひっしゃおもっていた。

 すると、よろこばしいことに「上場じょうじょうインデックスファンド海外かいがい債券さいけん毎月まいつき分配ぶんぱいがた」(運用うんよう日興にっこうアセットマネジメント)というETF(上場じょうじょうがた投資とうし信託しんたく)がつい最近さいきん上場じょうじょうされた。運用うんようのベンチマークはおなじく「シティグループ世界せかい国債こくさいインデックス」だ。顧客こきゃく実質じっしつてき負担ふたんする信託しんたく報酬ほうしゅう年率ねんりつやく0.2625%(税込ぜいこみ)である。

 ETFなので取引とりひき単位たんいがややおおきい(やく50まんえんから)し、毎月まいつき分配ぶんぱいというてん資産しさん形成けいせいのための運用うんようかんがえるうえでは余計よけいだし、分配ぶんぱいきんさい投資とうし自動じどうではできないが、この程度ていどまで信託しんたく報酬ほうしゅうがってくると、一般いっぱんてき個人こじん資産しさん運用うんようでも投資とうし検討けんとうしていい対象たいしょうになるだろう。出来できてのETFなので、慎重しんちょうするなら、運用うんよう資産しさんがくじゅうふんえるか、売買ばいばい活発かっぱつになるか、といったてん見極みきわめてから投資とうしすべきだが、注目ちゅうもくしておきたい。

 外国がいこく債券さいけんは、すうじゅうおくえん単位たんい資産しさんっているのでなければ、投資とうし信託しんたく投資とうしするのが無難ぶなんだ。最大さいだい理由りゆうは、債券さいけん投資とうしのポイントである信用しんようリスク(と利回りまわり)の判断はんだんが、専門せんもん以外いがいにはむずかしいからだ。より正確せいかくにいえば、専門せんもん債券さいけんファンドマネジャー)の場合ばあいはポートフォリオで分散ぶんさん投資とうしすることができるので、債券さいけん運用うんようできているといえる。少数しょうすう銘柄めいがらにしか投資とうしできない場合ばあい、デフォルト(利払りばらい・元本がんぽん償還しょうかん失敗しっぱい)がこると影響えいきょうおおきいし、すぐにそうならないとしても、信用度しんようど顕著けんちょ低下ていかすると流通りゅうつう価格かかくおおきくがる。その段階だんかいつづけるのはリスクがおおきいし、売却ばいきゃくすると損失そんしつ確定かくていする。

 また、債券さいけんせんもん業者ぎょうしゃ同士どうし相対そうたい取引とりひきなので、証券しょうけん会社かいしゃ顧客こきゃくである個人こじん立場たちばではフェアな市場いちば価格かかくかりにくく、価格かかくなかおおきな手数料てすうりょうふくめられてしまうリスクがある。くわえて、外債がいさい場合ばあいは、為替かわせのやりとりにも手数料てすうりょうがかかる。

 なにはともあれ、ローコストで運用うんよう中身なかみかりやすいインデックス・ファンドに、個人こじん投資とうし投資とうし検討けんとうするにあたいする商品しょうひんえたことは歓迎かんげいしたい。

2009ねん10がつ16にち  読売新聞よみうりしんぶん
現在位置は
です