難民支えて30年
NPOが来月、創立記念イベント
世界各地で難民や災害被災者への支援を手がけているNPO法人「難民を助ける会」(品川区)が11月、創立30周年を迎える。2日には、会が支援してきた元難民などを招いて記念イベントを開催する予定で、同会は「活動を理解し、支援してくれた人たちへ感謝し、これから新たな気持ちで活動する機会にしたい」と話している。
フィリピンの障害者支援施設で消毒用アルコールなどを手渡すスタッフ(左)(10月、難民を助ける会提供)
同会は1979年、インドシナ難民への支援を目的に相馬雪香氏が設立。これまで東南アジアのほか、アフガニスタンやスーダンなど計50か国以上で難民支援や障害者の自立支援、地雷対策などに取り組んできた。今月初めには、台風直撃を受けたフィリピンや、大地震で被災したインドネシア・スマトラ島にスタッフを派遣。水や消毒用アルコールなどを配布した。
設立当初から携わってきた柳瀬房子会長(61)は「この30年で、日本人の国際支援への意識が飛躍的に高まった」と感慨深げだ。当初は「よく設立してくれた」という励ましの一方、「日本にも貧しい人はいる。なぜ外国を助けるのか」と批判の声も多かったという。
記念イベントは文京シビックセンター(文京区春日1)で午後2時半から。第1部では80〜82年に来日した3人の元難民と外務省職員を招き、支援の歴史と今後について語る。第2部では「もったいない」活動で知られるタレントのルー大柴さんらを招き、これからの社会にどのような貢献ができるかを話し合う。
同会の堀江良彰(よしてる)事務局長は「難民支援にこだわらず、このイベントが、今の自分に何ができるかを問い直す機会になればいいと思う」と話している。入場無料。希望者は31日までに同会((電)03・5423・4511)へ。
(2009年10月29日 読売新聞)