かつて冷戦れいせんという時代じだいが存在そんざいした。世界せかいは東ひがしと西にしに分わかれて対立たいりつしていた。東側ひがしがわは共産きょうさん主義しゅぎを、西側にしがわは自由じゆう主義しゅぎを信しんじ、対立たいりつは約やく40年間ねんかん続つづいたが、最終さいしゅう的てきには自由じゆう主義しゅぎ陣営じんえいの勝利しょうりに終おわった――。教科書きょうかしょ的てきに書かくと、こ ...[全文ぜんぶんへ]
今年ことしもクライマックスシリーズが始はじまり、プロ野球やきゅうの覇者はしゃを決きめる季き節ぶしを迎むかえている。人気にんき低下ていかでプロ野球やきゅう危機きき説せつが唱となえられた時期じきもあったが、クライマックスシリーズが導入どうにゅうされてからは、首位しゅい争あらそいだけでなく、2位い、 ...[全文ぜんぶんへ]
第だい二に次じ大戦たいせん末期まっき、そして敗戦はいせん後ごの日本にっぽんを舞台ぶたいにした二に本ほんの中編ちゅうへんからなる。 ...[全文ぜんぶんへ]
ある科学かがく者しゃが自みずから発見はっけんした方程式ほうていしきを自信満々じしんまんまんでアインシュタインに見みせたところ、アインシュタインはしばらくそれを眺ながめて、ただ一言ひとこと「まあ、なんと汚きたない」と述のべたそうだ。科学かがくの理論りろんでは美的びてき感覚かんかくは重要じゅうような判定はんてい要素ようそな ...[全文ぜんぶんへ]
江戸えど時代じだい後期こうき、都市としに住すむ知識ちしき人じんたちは寄よりあってサロンを形成けいせいした。学問がくもん・詩文しぶん・書画しょがなどを通つうじて自由じゆうに談笑だんしょうし議論ぎろんし、交遊こうゆうした。俗物ぞくぶつ的てきな卑いやしさをしりぞけながら、「古ふるき」をたっとぶ心情しんじょうと「みやび」の理念りねんによ ...[全文ぜんぶんへ]
今年ことし傘寿さんじゅの俳優はいゆうが人生じんせい折々おりおりの道楽どうらくを縦横無尽じゅうおうむじんに語かたり下おろす。 ...[全文ぜんぶんへ]
身近みぢかな現象げんしょうなのに、現代げんだい医学いがくから取とり残のこされた謎なぞがある。好すきな人ひとを見みると胸むねがどきどきする。こんな自明じめいなことのメカニズムがわからない。視覚しかく(感覚かんかく神経しんけい)と鼓動こどう(自律じりつ神経しんけい)をつなぐ回路かいろが未み(いま)だに発見はっけんされ ...[全文ぜんぶんへ]
クラシックに造詣ぞうけいの深ふかい作家さっかが、モーツァルトからショスタコービッチまで九ここのつの名作めいさくをユニークな視点してんから紹介しょうかい。オペラの筋書すじがきが善悪ぜんあくを超越ちょうえつするのは元来がんらい、神かみ々の時代じだいの営いとなみを描えがいたためで、すべてが許ゆるされるオペラ ...[全文ぜんぶんへ]
どれほど混雑こんざつしていようと、通勤つうきん電車でんしゃの中なかで、人ひとは孤独こどくだ。人生じんせいの来きし方かた行ゆく末すえを考かんがえることもあるだろう。そんな時とき、時代じだいとともに生いきる詩人しじんが編あんだ詩しの“束たば”を読よめば、きっと心しんが動うごき出だす。草野くさの心こころ平ひらめ、田村たむら隆一りゅういち、 ...[全文ぜんぶんへ]
就職しゅうしょく活動かつどうで重要じゅうようなのが、企業きぎょうに提出ていしゅつするエントリーシート。だが、マニュアル通どおりに漫然まんぜんと書かいたような代物しろものでは決けっして担当たんとう者しゃにアピールできない――そんな視点してんから、マスコミの採用さいよう担当たんとう者しゃが就活しゅうかつで成功せいこうするための勘かんど ...[全文ぜんぶんへ]
ニジンスキーが舞まい、ピカソが美術びじゅつ、コクトーが台本だいほん、シャネルが衣装いしょうを担当たんとう――。20世紀せいき前半ぜんはん、ロシア貴族きぞくディアギレフが結成けっせいしてパリを拠点きょてんとした「バレエ・リュス」は、いまや伝説でんせつ的てきなバレエ団だんだ。その全貌ぜんぼう(ぜ ...[全文ぜんぶんへ]
「私わたしの妻つまの郷里きょうりは、私わたしたちがいま暮くらしている都会とかいから、新幹線しんかんせんでおよそ一時いちじ間あいだ行いったところにあります。妻つまはその町まちで二に十じゅう三さん歳さいになるまで、これといって特筆とくひつすることもない人生じんせいを送おくりました」。こう男おとこは妻つまの身みの上うえを ...[全文ぜんぶんへ]
本書ほんしょの前書まえがきにあたる「口上こうじょう フィギュラリズム」に、著者ちょしゃの生家せいかが帰依きえ心こころ篤あつし(あつ)い曹洞宗そうとうしゅう檀家だんか(だんか)で、経けいを読よむ父上ちちうえの傍かたわらで幼おさない日ひから日課にっか経けい大全たいぜんを暗誦あんしょう(あんしょう)していたとあるのを読よみ、「高山たかやま節たかし」 ...[全文ぜんぶんへ]
明治めいじには社会しゃかい主義しゅぎ者しゃ。大正たいしょう昭和しょうわには右翼うよくのカリスマ。二・二六事件ににろくじけんの黒幕くろまくとして銃殺じゅうさつ刑けい。人生じんせいの前後ぜんごが大おおきく左右さゆうにねじれている。それが北きた一いち輝てるの一般いっぱん的てきイメージだろう。 ...[全文ぜんぶんへ]
スポーツ小説しょうせつの第一人者だいいちにんしゃが書かいた野球やきゅう小説しょうせつである。冒頭ぼうとうに、草くさ野球やきゅうチーム「ジンルイズ」のオーダーが載のっているが、その年齢ねんれい欄らんを見みるだけで、この長編ちょうへんが変化球へんかきゅうであることがわかる。ちなみに、スポーツ小説しょうせつには直球ちょっきゅう型がた ...[全文ぜんぶんへ]
本書ほんしょの主人公しゅじんこうには実在じつざいのモデルがいる。第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん中ちゅう、ベラルーシで同胞どうほうであるユダヤ人じんの命いのちを救すくうためゲシュタポの通訳つうやくとなり、その後ごカトリックに改宗かいしゅうしてイスラエルに渡わたったダニエル神父しんぷである。ダニエル神父しんぷ ...[全文ぜんぶんへ]
小気味こきみのいいタンカが何なんとも爽(さわ)やかな痛快つうかいの書しょだ。著者ちょしゃは漱石そうせきの長女ちょうじょ(筆ふで子こ)の娘むすめ。偉大いだいな人物じんぶつを父ちちや祖父そふに持もつ幸しあわせと不幸ふこう、誇ほこりと苦痛くつうが虚飾きょしょくなく描えがかれている。 ...[全文ぜんぶんへ]
毎朝まいあさ、心しんを和なごませてくれる本紙ほんし連載れんさいの四よんコマ漫画まんが「コボちゃん」。もうじき第だい一いち万まん話わを迎むかえる超ちょう長寿ちょうじゅ作さくだ。 ...[全文ぜんぶんへ]
著者ちょしゃは、毎日新聞まいにちしんぶんのヨハネスブルク特派とくは員いんだった。帰国きこくするまで、4年間ねんかんにわたってアフリカ各地かくちを取材しゅざいし、記事きじを送おくり続つづけてきた。 ...[全文ぜんぶんへ]
田沼たぬま武能たけよしさんはライフワークとして世界せかいの、そして日本にっぽんの子こどもを撮とり続つづけてきた。この一いち冊さつは祭礼さいれいなどの際さい、地域ちいきの子こどもたちが作つくる小ちいさな自治じち集団しゅうだん「子こども組ぐみ」を全国ぜんこく各地かくちに訪たずねている。 ...[全文ぜんぶんへ]
世界せかい最高さいこうの現役げんえきサッカー監督かんとくの一人ひとりに数かぞえられるジョゼ・モウリーニョ。イタリアの強豪きょうごうチーム・インテルの監督かんとくとして戦たたかった昨さくシーズンの彼かれの発言はつげんを丹念たんねんに集あつめ、心境しんきょうの変化へんかに伴ともなう戦術せんじゅつの変化へんか、挑発ちょうはつ的てきな振ふる舞まいの理由りゆう ...[全文ぜんぶんへ]
鹿児島かごしま県けんで雑誌ざっし「随筆ずいひつかごしま」を発行はっこうしている著者ちょしゃが、同誌どうしの巻頭かんとう言ごとやインタビューなどを本ほんにまとめた。時ときの政治せいじへの怒いかり、殺伐さつばつとした社会しゃかい風潮ふうちょうへの嘆なげきが、率直そっちょくな言葉ことばでつづられる。戦争せんそう体験たいけんもあっけらかんと記しるし ...[全文ぜんぶんへ]
今年ことし、没後ぼつご20年ねんとなる作家さっか・開高かいこう健けん。数多かずおおく手てがけたエッセーの中なかには、全集ぜんしゅうに入はいっていない作品さくひんも多おおい。本書ほんしょは、単行たんこう本初ほんしょ収録しゅうろくとなるエッセーなど18作さくを含ふくめ、全集ぜんしゅう未み収録しゅうろくの65作さくを厳選げんせんした。豊穣ほうじょう(ほうじょう) ...[全文ぜんぶんへ]
アフリカ音楽おんがくのリズムの奥深おくふかさ、多様たようさに魅了みりょうされ、ケニアの伝統でんとう楽器がっきニャティティを習得しゅうとくするまでの道みちのりをテンポよく語かたる。「女性じょせいだから」「外国がいこく人じんだから」と修業しゅうぎょうを拒否きょひされながらも、常つねに前向まえむきに取とり組くみ続つづける ...[全文ぜんぶんへ]
うつ病びょうが急増きゅうぞうしているといわれる。確たしかに臨床りんしょうの現場げんばにいる者ものとしても、受診じゅしん患者かんじゃは増ふえている印象いんしょうがある。ただし、古典こてん的てきないし典型てんけい的てきなうつ病びょうが増ふえたようには思おもえない。いわゆる非ひ定型ていけいうつ病びょう・新型しんがたうつ病びょうと称しょうされ ...[全文ぜんぶんへ]
冒頭ぼうとうの描写びょうしゃにはこうある。「その小柄こがらな生いき物ものはふわりとした毛けに覆おおわれていて、全長ぜんちょう六ろく〇センチメートルほどしかない」。後のちに、イーダと名なづけられる彼女かのじょ(年とし若わかい雌めすだった)は水際みずぎわで果実かじつを探さがしていた。その時ときだった ...[全文ぜんぶんへ]
自民党じみんとうは、総そう選挙せんきょでの大敗たいはい後ご、谷垣たにがき禎一ていいち氏しを新しん総裁そうさいに選出せんしゅつした。就任しゅうにん直後ちょくご、党とう再生さいせいに取とり組くむ決意けついを示しめしたが、自民党じみんとうがなぜ野のに下くだる結果けっかとなったか、まさに「失敗しっぱいの本質ほんしつ」を理解りかいしなければ、真しんの再生さいせいはありえない。 ...[全文ぜんぶんへ]
本書ほんしょのたたずまいと内容ないように高山こうざんのすがすがしい冷気れいきを感かんじた。山やまの自然しぜんを全身ぜんしんで感かんじ取とる登山とざん者しゃの感受性かんじゅせいと、文学ぶんがくをめぐる思索しさくや詩作しさくの営いとなみとが一体いったいになって結晶けっしょう化かしている。新あたらしい時代じだいにおける「山やまのパンセ」(串田くしだ孫まご ...[全文ぜんぶんへ]
住民じゅうみんに多おおくの犠牲ぎせい者しゃをだした太平洋戦争たいへいようせんそう、アメリカによる27年間ねんかんの支配しはい、広大こうだいな米べい軍ぐん基地きち。これが沖縄おきなわの「三重苦さんじゅうく」である。日本にっぽん政府せいふは三重苦さんじゅうくへの賠償ばいしょうとして、税金ぜいきんをじゃぶじゃぶつぎ込こんできた。その結果けっかとして、ま ...[全文ぜんぶんへ]
1908年ねんから22年間ねんかんにわたって撮影さつえいされた7万まん2千せん枚まい以上いじょうのオートクロームと呼よばれるカラー写真しゃしん、4千せん枚まい以上いじょうの白黒しろくろ写真しゃしん、約やく120時じ間あいだのドキュメンタリーフィルム……。現在げんざい、フランスのアルベール・カーン博物はくぶつ ...[全文ぜんぶんへ]
働はたらく母ははには時間じかんがない。何なにがないって、買かい物ものする時間じかんがない。保育園ほいくえんから職場しょくばへ、職場しょくばからまた保育園ほいくえんへ。いつもまっしぐらであり、本屋ほんややコンビニでぶらぶらなどというのは極上ごくじょうの贅沢ぜいたく(ぜいたく)だ。 ...[全文ぜんぶんへ]
本書ほんしょは、オピニオン誌し『諸君しょくん!』(今年ことし六ろく月がつ号ごうで休刊きゅうかん)の、掲載けいさい当時とうじは匿名とくめいだった巻頭かんとうコラムの選集せんしゅうである。 ...[全文ぜんぶんへ]
写真しゃしん関係かんけいの集あつまりで先日せんじつ、三島みしま由紀夫ゆきおの『春はるの雪ゆき』はある写真しゃしんのエピソードで始はじまっている、と教おしえられた。そこでの評言ひょうげん「ふしぎな沈しずんだ微光びこうに犯おかされ」「(靴くつなどの)輪郭りんかくをしらじらと光ひからせ、うつむいた項こう(うなじ ...[全文ぜんぶんへ]
明治めいじ前半ぜんはん期きに立憲政体りっけんせいたいの早期そうき樹立じゅりつを目指めざした自由じゆう民権みんけん運動うんどう。民みん撰せん議院ぎいん設立せつりつ建白けんぱく書しょ(1874年ねん)からでなく、欧米おうべい諸国しょこくの憲法けんぽうや議会ぎかいの存在そんざいが知しられ始はじめた60年代ねんだいから筆ふでを起おこす。大正たいしょうデモクラシーの先駆せんく者しゃ・吉野よしの作造さくぞうの ...[全文ぜんぶんへ]
ソ連それん崩壊ほうかいから18年ねん、大国たいこくとして復活ふっかつしたロシアを率ひきいるプーチンの政治せいじ手腕しゅわんを多角たかく的てきに検証けんしょうした力作りきさく。著者ちょしゃはドイツの著名ちょめいな歴史れきし家かで、ロシアの現状げんじょうと未来みらい、諸しょ外国がいこくとの関係かんけいについて鋭するどい洞察どうさつを提供ていきょうしている。ロシアの ...[全文ぜんぶんへ]
クジラからサメ、タコ、プランクトンまで海うみで暮くらす生物せいぶつが日々ひび繰くり広ひろげる「食くうか食くわれるか」の戦たたかいを、国立こくりつ科学かがく博物館はくぶつかんの研究けんきゅう員いんが明あかす。トビウオが飛とぶのは、敵てきから逃にげるため。450メートルも飛とんだ記録きろくがあ ...[全文ぜんぶんへ]
人気にんきお笑わらいコンビが、ギャグをまじえながらその時々ときどきの社会しゃかい問題もんだいについて語かたる「日本にっぽん原論げんろん」シリーズ最新さいしん刊かん。今回こんかい取とり上あげたのは2006年ねん1月がつから今年ことし3月がつまでの出来事できごと。産地さんち偽装ぎそうから北京ぺきん五輪ごりん、オバマ大統領だいとうりょう誕生たんじょうまで ...[全文ぜんぶんへ]
昨年さくねん、米べい下院かいん議長ぎちょうが広島ひろしまの原爆げんばく慰霊いれい碑ひで、日本にっぽんの衆議院しゅうぎいん議長ぎちょうが真珠湾しんじゅわんのアリゾナ記念きねん館かんで、それぞれ献花けんかを行おこなった。日米にちべいともに今いままでで最高さいこう位いの政治せいじ指導しどう者しゃによる英断えいだんだった。 ...[全文ぜんぶんへ]
私わたしたちは日本語にほんごや英語えいご、フランス語ごといった言語げんごが自分じぶんたちの外部がいぶに自律じりつ的てきに存在そんざいしていると思おもっている。言語げんご学者がくしゃソシュールが打うち砕くだいたのはこの通念つうねんであり、それは「言語げんご学がく」そのものの破壊はかいだったと著者ちょしゃは言いう。本ほん ...[全文ぜんぶんへ]
主人公しゅじんこうは南太平洋みなみたいへいようのブーゲンヴィル島とうに暮くらす少女しょうじょマティルダ。一いち九きゅう九きゅう〇年代ねんだい前半ぜんはん、分離ぶんり独立どくりつを求もとめる革命かくめい軍ぐんとの対立たいりつからパプア・ニューギニア政府せいふは島しまを封鎖ふうさし、彼女かのじょの村むらの学校がっこうも閉鎖へいさされる。ある日ひ学校がっこうが再開さいかいされる ...[全文ぜんぶんへ]
たった200ページの本ほんでこれだけ壮大そうだいなロマンをたのしめるのか。ぞくぞく身震みぶるいするような「物語ものがたり」である。 ...[全文ぜんぶんへ]
勇猛ゆうもうなモーセの率ひきいるイスラエルの民みんの前まえで、進路しんろをふさぐ海うみが裂さけ道どうが開あける。映画えいが「十戒じっかい」の見みせ場ばであり、聖書せいしょの出いでエジプトに由来ゆらいする。だが、もしこの出でエジプトもなく、その後ごのダビデとソロモンの統一とういつ王国おうこくも ...[全文ぜんぶんへ]
書店しょてん員いんさんがあらゆるジャンルのお薦すすめの本ほんを紹介しょうかいする読書どくしょ日記にっき。