一生モノの買い物だからこそ予算オーバーも致し方ない?
理想の物件に出会えれば、少し背伸びするだけで届くなら! と購入を決意しているようだ
「エリアは変えたくないし、ほかの条件も妥協したくない」——そんな場合は、予算そのものを見直すことになる。実際はどうだろうか。
「とても気に入った物件なので、当初の予算よりオーバーしていたが、払えないほどでもなかったので購入した。特に我慢していることはない」(港区・37歳・シングル男性)、「もう一度ローンシミュレーションし直してもらって、買えると判断。実際の生活は、少し節約するくらいですよ」(千葉市・40歳・カップル)など、「これ!」という本命物件に出会うと、少し予算オーバーでも買ってしまうケースが多いようだ。また「今まで見たなかで一番条件が合う物件だったので思い切って購入しました。前回一戸建てを購入したときに妥協した部分があったので、今回はなるべくしたくなかった。仕事も頑張れます」(立川市・44歳・カップル)、「不安はあったけど妥協したくなかったから。今は返済も順調なのであの時あきらめなくてよかった」(江東区・33歳・シングル女性)というように、一生モノの買い物だからこそ「妥協したくない!」という強い意識が、多少の予算オーバーを乗り越えさせているようだ。
もちろん「親に借金をしました」(目黒区・34歳・カップル)、「親に間取りなどを見せて、援助をお願いした」(越谷市・42歳・カップル)など、 親の協力を仰ぐ人もいれば、「私(妻)がパートを増やして、残金決済までに頭金を200万円増やした」(横浜市・33歳・カップル)という頑張ったケースもある。
ただし、もちろん「予算オーバーなら潔くあきらめる」と答えた人も多い。「最初から自分たちの予算内の物件しか検討しなかった」(三郷市・33歳・カップル)、「潔くあきらめ、ほかの物件に矛先を変えた」(江東区・35歳・シングル男性)など、家のために生活が苦しくなるのは本末転倒と、予算を死守する声も多かった。
「予算オーバーだったけど、買えない価格でもなかったので購入した」という人も多かったが、この「ローンシミュレーション」にもいろいろな計算方法があるので注意したい。例えば不動産会社でやってもらうことの多いローンシミュレーションは、設定次第では大きく変わるもの。右の図を見て欲しい。AのシミュレーションとBのシミュレーションでは、4万円以上も毎月の返済額が違う。つまり、設定次第で、同じ物件が「買える」物件になったり、「予算オーバー」になったりするのだ。もちろんAの設定でも大丈夫と判断できるかもしれない。しかし、金利が上がったら、ボーナスが減ったら、思うように繰り上げ返済できず定年後もローンが残ったら・・・。それらを踏まえて、予算は考えたい。
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自分の経済事情を把握するだけに切ない気持ちにもなる
予算オーバーするかどうかという問題は、自分の経済事情と自分の理想の住まいを照らし合わせて「落としどころ」を探すということ。つまり、自分のフトコロ事情を客観視しなければいけないため、ちょっと落ち込んだ気持ちになることもある。「予算があれば、もっといい物件があったと思うと、もっと夫には貯金をしていてほしかった」(川崎市・30歳・カップル)なんて夫からすれば切ない妻の本音や、「今までは“ちょっと贅沢”といって、高いブランドものを買ったり、豪華なリゾートに泊まったりもしてきたが、マンションとなると額が違うので、その“ちょっとの贅沢”は許されないと今更ながら実感した」(武蔵野市・37歳・カップル)、「シミュレーションをしてもらったとき、私たちの収入はやっぱり少ないと再認識させられ、なんだか、ふたりで切なくなった」(港区・33歳・カップル)など、ちょっとシビアな感想も寄せられた。
また、なぜかシングル男性を中心に「銀行の審査」問題も複数寄せられた。
「派遣だったのでローンが通るか不安だった」(港区・33歳・シングル男性)、「希望していた銀行の審査は通らなかった」(中野区・47歳・シングル男性)、「気軽にカードの買い物をリボ払いにしていたので、銀行の審査が危なかった」(練馬区・39歳・シングル男性)。シングル以外でも、「夫の転職直後で銀行の審査が降りにくかった」(横浜市・33歳・カップル)、「夫より収入が多いのに、フリーランスというだけで自分のローンは組めなかった」(武蔵野市・36歳・カップル)というケースもあったようだ。
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家探しで夫婦円満?なハッピーエピソード
そんなに何度もすることがないモデルルーム巡り。せっかくならデート気分で楽しんでみては?夫婦の将来設計の会話の糸口になったり、経済事情を冷静に判断するいい機会になるかも
と、シビアな話ばかりしてきたが、家探しには思わぬハッピーな副産物もある。
「ふたりでモデルルームをまわっているうちに、夫婦の会話が増えた」(三郷市・33歳・カップル)、「家探しがきっかけで将来のことを考えるようになり、“やっぱり子どもが早く欲しいね”ということになり、すぐに妊娠できた」(中野区・33歳・カップル)など、家探しが夫婦仲をよくするきっかけになっているようだ。
また新婚カップルには別な意味を持つようで、「予算を組むときになって夫の貯蓄額を知り、多額だったのでびっくり。堅実な人なんだと改めて安心した」(さいたま市・44歳・カップル)、「結婚と同時に購入だったので、結婚後の生活について具体的に話せてよかった。それまでには気付かなかったこともたくさんありました。いいことも悪いことも含めて」(大田区・30歳・カップル)というように、新婚カップルには家探しはお互いを知るいい機会になっているようだ。
ほかにも「土日ではずっとモデルルーム巡りだったので、交通費程度しかお金を使わずに済んだ」(横浜市・33歳・カップル)、「抽選のキャンペーンで薄型テレビと『ヘルシオ』をもらえた」(千葉市・41歳・カップル)など、ちゃっかり派の意見もあった。