ラストプレーだった。セットプレーから三都主の左クロスにファーサイドから頭で飛び込んだのは闘莉王。終了と同時にピッチに大の字となった背番号4に、仲間が次々と折り重なった。
闘莉王本人は「みんなの気持ちがつないだ点」と謙虚だが、その勝負強さは驚異というほかない。今季5得点中、これで3点が残り10分を切ってから。「守備でも一番貢献しているし…。かなり助けられている。年下だけど尊敬している」と守護神・楢崎も賛辞の言葉を並べた。
もっとも、勝負強さは今季の名古屋全体に浸透している。「どんなに内容が悪くても最後は勝てるんだという強い気持ちを持っている」と闘莉王。決勝点の場面も、残り時間が、わずかにもかかわらず直接FKをほうり込まずに金崎に一度預け、相手の意表を突いた。勝ち方を覚えてきたともい換えられるかもしれない。
清水と勝ち点1差の2位ターン。闘莉王の加入で“勝者のメンタリティー”を身に付けつつある今季の名古屋から、後半戦も目が離せそうにない。(森本利優)