メール添付による文書の受け渡しやフリーソフトのダウンロードなど、ネット経由でさまざまなファイルをやり取りするときに、送受信時間を短縮するため、ファイルを「圧縮」してサイズを縮小することがよくある。圧縮の形式は「ZIP」が一般的だが、日本で開発された「LZH」もネット草創期から広く利用されてきた。
ところが最近、「LZHの使用は危険だ」という指摘をネット上でよく見かける。圧縮ファイルには、悪意を持った人物にコンピューターウイルスを仕込まれる危険性があり、通常はウイルス対策ソフトで見破れるのだが、LZHだけは多くのソフトでウイルスが見逃されてしまうのだという。LZHは発祥地の日本以外ではほとんど使われていないせいか、対応していないウイルス対策ソフトが多いためらしい。
LZHの機能自体は大変優れたものなので、自分のパソコン内でハードディスク節約のために使うだけならまったく問題ないが、なじみのないサイトで公開されているファイルがLZH形式で圧縮されていたら、ダウンロードの際は慎重な判断が必要だ。(伊藤壽一郎)