楽天が5日発表した2010年6月中間連結決算は売上高が前年同期比17・4%増の1641億円、営業利益が20・6%増の282億円と増収増益となった。売上高、営業利益とも6月中間期としては過去最高を記録した。営業増益を受けて経常利益も22・8%増の275億円と最高を更新。仮想商店街「楽天市場」を軸とする主力の国内電子商取引(EC)事業が増収増益となり、全体の収益底上げに貢献した。デフレや消費不況に苦しむ百貨店やスーパーを尻目に、ネット通販の代表格である楽天の強さが際立っている。
主力のEC事業は、取引の総額が中間期で前年同期比17・9%増と大幅に増加。楽天市場への出店店舗も3万5681店と1年前より25・4%増えた。ネット旅行事業なども増収増益となったことで、EC事業全体の売上高は24・6%増の648億円、営業利益も同14・4%増の185億円と大幅に伸び、全体の収益を押し上げた。
一方、連結最終利益は55・0%減の171億円だった。09年1〜3月期に保有するTBSホールディングス株に関連した繰り延べ税金資産を計上したことで最終利益が膨らんだためで、その反動の影響が出た。
三木谷浩史社長はこの日、6月30日に打ち出した12年中の英語公用語化の方針に基づき、決算発表を英語で行った。三木谷社長は「全社員が英語を使うことで海外との情報交換がやりやすくなり、グローバル企業として中長期的に生産性を向上できる」とメリットを強調。合わせて社員の英語の浸透度について「1年半もすれば全社員が相当に話せるようになる」との楽観的な見通しを示した。