日本でも20日土曜に発売された Xbox 360
Kinect の話題。センサーの塊である Kinect は 非公式のPCドライバを通じて3Dカメラ化 や タッチレスマルチタッチ入力といった「ハック」でも人気を博していますが、マイクロソフトがこうしたXbox 360 以外での Kinect 利用を原則的に容認する態度を明らかにしました。
Kinect は奥行きを認識する赤外線カメラ、通常のRGBカメラ、4つのマイクなど多数のセンサーとUSB接続を備えていることから、さまざまな分野のハッカーや研究者、アーティストから注目されてきました。電子工作キットや部品販売の Adafruit が オープンソースの Kinect ドライバに賞金をかけて開発を募った際、Kinect の「ハック」に対してコメントを求められた
マイクロソフト広報の回答は「製品の改造は認めない。Kinect を改竄から守るため、関係当局と密接に協力してゆく」というものでした。
しかし実際にオープンソースのドライバが公開され多数のプロジェクトが発表されていることについて、マイクロソフトの幹部はこうした利用はもともと問題視しておらず、USB接続をプロテクトしなかったのも意図的な設計であると語っています。Kinect の開発を指揮した Alex Kipman 氏が米 NPR の番組
Science Daily のなかで明らかにしたもので、マイクロソフトが認めない「ハック」とは Xbox 360側のアルゴリズムまで到達すること、また Xbox 360とKinect のあいだに何らかの機器を挟んでゲームで不正行為を働くことを指しており、こうした意味では Kinect は「ハック」されていないとのこと。
一方、PCから Kinect センサーの値を読み取るためのUSB接続はもともと意図的に塞いでおらず、そういった利用をマイクロソフトが妨害することはないと明言しています。さらに、マイクロソフトはKinect の教育・研究目的利用について関係機関と協力を検討しており、実際にいくつかの大学には発売前から提供してきたとのこと。実際の発言は続きに掲載した元発言のテキスト、またはリンク先 Science Daily アーカイブで再生開始から18:22秒あたりを参照。
こうしたKinect ハックの現状をよく示すのは、たとえば
CGパペット操作をデモしたプログラマ / アーティスト
Theo Watson の「オープンなままにしておいてくれて本当にありがとう」Tweet と、マイクロソフト
Alex Kipmanの「you are most welcome. 開発したわれわれと同じくらい楽しんでもらえてよかった」といったやりとり。任天堂の Wii リモコンは Bluetooth接続の汎用入力機器としてロボットの操作からヘッドトラッキングまで広く使われるようになりましたが、手軽に入手できる民生機器として 前例のない高度な3Dセンサーである Kinect からは今後も見たこともないアイデアが生まれることに期待できそうです。