日本代表のアルベルト・ザッケローニ監督(57)が12日、イタリア人スタッフ4人とともにイタリアに緊急帰国した。地震の発生を受けて心配を募らせている母国の家族に面会するのが目的。再来日の日程は未定。17日に予定される日本代表発表、25日のモンテネグロ戦(エコパ)、29日のニュージーランド戦(国立)など今後のスケジュールは白紙となった。
ザッケローニ監督がスタッフとともに日本を脱出した。「イタリアにいるスタッフの家族が大いに心配してます。家族に元気な顔を見せ、安心させるため、一時帰国することにしました」。日本協会の小倉会長の許可を得ると、この日夜羽田発の航空機で帰国の途に就いた。ドバイ経由でイタリアに向かう。翌朝の直行便さえ待てなかった。まさに緊急脱出だった。
日本協会を通じて「甚大な被害を受けた多くの方々に心からお見舞い申し上げます」と被災者を見舞うコメントを発表したが、指揮官自身もショックを受けた。前日の地震発生時、ザッケローニ監督は都内の21階建ての高層マンションの4階におり、指示に従って屋外に避難した。衛星テレビ、スカイ・イタリア(電子版)には「全てが波打つのを見た。まるでゴムの家にいるようだった」と恐怖の体験を語った。唯一通じたネット電話「スカイプ」を使い母国に安否を伝えたが、心配する家族のために居ても立ってもいられなくなったようだ。
今後のスケジュールも全て白紙となった。日本代表は21日に合宿を開始し、25日にモンテネグロ、29日にニュージーランド戦を行う予定だが、日本協会の田嶋副会長は「まずはこの1週間の対応。その後はそれから考えたい」と開催可否の明言は避けた。関係者によればザッケローニ監督は「すぐに戻ってきたい」とい残したというが、再来日の予定は未定。17日に予定していたメンバー発表もキャンセルが濃厚だ。国内観測史上最大規模の大地震は順風満帆だったザックジャパンにも大きな爪痕を残しそうだ。(スポニチ)