汚染水、処理施設容量の半分まで…漏出防止で
福島第一原子力発電所の事故で、東京電力は19日、2号機タービン建屋の作業用トンネル(トレンチ)で見つかった高濃度の放射能汚染水を、集中廃棄物処理施設へ移す作業を始め、同日午後8時までにトレンチ立て坑から100トンを移送した。
東電は、同施設最大の貯水量(2万トン)を持つプロセス主建屋など4棟で、計3万2000トンを収容できるとしていたが、汚染水の地中への漏出を防ぐため、移送量は総容量の半分程度との見解を示した。
経済産業省原子力安全・保安院は「亀裂が完全に塞がれたのか不明な点もある。移送水の水位が周囲の地下水位よりも高くなると、水圧により汚染水が土中に漏れ出す危険がある」と指摘した。周辺の地下水位は主建屋地下1階床面の約50センチ上にある。東電は、汚染水が地中に漏れる万が一の事態を避けるため、地下2階(1万トン)に収容できる分だけ移すことにした。
(2011年4月19日23時38分 読売新聞)