小沢系ら採決欠席、叫び声あげ…首相に抗議文も
ガソリン価格が高騰した場合の減税措置(トリガー条項)の一時凍結を盛り込んだ税制関連法案が22日、全会一致で衆院を通過した。
ただ、民主党の小沢一郎元代表に近い議員が採決前に本会議場を退席するなど党の方針に反旗を翻す場面もあった。「菅降ろし」を狙う議員の行動は先鋭化しつつあり、執行部とのミゾは深まる一方だ。
トリガー条項の一時凍結について、政府は、ガソリン消費を抑えることで被災地へのガソリン供給を確保することや、復興財源を捻出する目的があると説明してきた。これに対し小沢グループは「税収減を嫌う財務省に菅政権が牛耳られている証拠だ」と批判している。
22日の衆院本会議では、開会直前に小沢グループの石井章、黒田雄両氏がひな壇の菅首相のもとに足を運び、「凍結は(被災者に)大きな負担増を強いる。被災者支援の法案の中に、被災者のためにならない条文がある」などと記した抗議文を首相に手渡した。本会議場内は黒田氏らの行動にざわめいた。
同じく小沢グループの菊池長右ェ門氏と、樽床伸二衆院国家基本政策委員長を支持するグループの網屋信介氏は、法案採決時に本会議場を退席した。川内博史氏は採決時に「異議あり」と叫び声をあげた。民主党会派からの離脱を表明した渡辺浩一郎衆院議員をはじめ、欠席議員も続出した。
(2011年4月23日10時49分 読売新聞)