Google I/O 二日目のキーノートで、Google が
Chrome OS ノートの製品展開について発表しました。Chrome OS ノート は開発者向けのリファレンス機
Cr-48 が昨年から提供されていますが、今回は正式な立ち上げに向けてサムスンと Acer から一般向け " Chromebook " 2モデルが登場すること、法人・教育機関向けの月額制パッケージ展開、および Netflix や Hulu 、Angry BirdsなどChrome向けサービス・アプリの強化が発表となりました。
まず 市販版「Chromeブック」としては、サムスンの12.1型モデル Series 5、Acer の 11.6型モデルの2機種が正式発表されています。中身はいずれもデュアルコアの Atom N570ベース。ストレージが標準でSSDであることを除いて、カタログスペック的には一般的な薄型ネットブックと同等です。米国および欧州6か国での発売は6月15日、価格は349~429ドルから。両機種とも月100MBまでの通信料金を含む3Gモデルがオプションで用意されます。各機種の詳細は別記事を参照。
またいわゆる「シンクライアント」的な性質から相性が良い法人・教育機関向けには、1台につき28ドル / 月 (ビジネス) または20ドル / 月 (教育機関) の定額制パッケージが用意されます。こちらは Chromebook ハードウェアに加えて、リモートから各マシンへのアプリ導入やポリシー設定が可能な管理コンソール、ソフトウェアおよび
ハードウェアのアップデート、修理や交換、Google による直接サポートまでが含まれます。
Chrome OS は組み込みのFlashやPDFビューアを含めた自動アップデートや、タブごとに独立したプロセスが動くサンドボックスなどChrome ブラウザのセキュリティ機能をそのまま備えます。専用ハードウェアのChromebook ではさらにBIOSやカーネルのレベルから「ブラウザだけ」に最適化したことで、起動8秒・レジューム瞬時の高速性と、起動時にOSの署名を確認しマルウェアやウィルスを阻止する Verified Boot など高度なセキュリティを謳っています。Googleの表現では「使い続けることで速くなる」ノート。
またユーザーデータは原則的にクラウドに保存されること、キャッシュとして使われるローカルデータはデフォルトで暗号化されることから、紛失時のデータ流出の危険が少ない、再セットアップが不必要 (ログインすれば自動同期される)、ハードウェアの複数ユーザーでの共用がしやすいことも利点。Google は Chromebook の導入によりハードウェア・ソフトウェア・保守運用サポートを含めた総費用 (TCO) を「最大70%」削減することが可能としています。
そのほか Chrome OS のアップデート点としては、Gmail や カレンダー、Google Docs などのGoogleアプリに加えてChrome Web Store で販売されるサードパーティーのゲームやアプリでもオフラインモードが提供されること、米国で人気の Netflix や Hulu、Pandora といったサービスへの標準対応、改良されたローカルファイルブラウザ (SDカードや外部機器のファイルも含む)、Box.net などクラウドストレージサービスの統合機能などが発表されています。続きはGoogle による Chromebook 早わかり動画。