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「ゲド戦記」ライブ間近 カルロス・ヌニェスに聞く : 100人のジブリ : ジブリをいっぱい : エンタメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
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「ゲド戦記せんき」ライブ間近まぢか カルロス・ヌニェスに

カルロス・ヌニェスさん


カルロス・ヌニェス

スペイン北西ほくせいガリシア出身しゅっしん。8さいからガイタ(ガリシアのバグパイプ)をはじめ、1997ねんしたアルバム「スパニッシュ・ケルトの調しらべ」がヒット。「うみゆめ」など映画えいが音楽おんがくにも参加さんか


 映画えいが「ゲド戦記せんき」のサウンドトラックに参加さんかしたスペインのバグパイプ奏者そうしゃカルロス・ヌニェスが5がつにち東京とうきょう渋谷しぶやのNHKホールで、どうさくのテーマきょくをライブ演奏えんそうする。カルロスはケルト文化ぶんかけんであるスペイン・ガリシア地方ちほう出身しゅっしんで、ケルト音楽おんがくならではの郷愁きょうしゅう神秘しんぴせい大胆だいたん表現ひょうげんできる奏者そうしゃとして注目ちゅうもくされている。ライブへの意気込いきごみをいた。(依田よだ謙一けんいち

――「ゲド戦記せんき」に参加さんかした理由りゆうは。

カルロス 昨年さくねん、コンサートで日本にっぽんていたときに、レコード会社かいしゃのスタッフから、「宮崎みやざき吾朗ごろうというわか映画えいが監督かんとく映画えいがつくっていて、ぜひ演奏えんそうしてほしいとっている」とはなしがありました。最初さいしょは「どうしてぼくに?」とおもいましたが、スタジオジブリで映像えいぞうてすぐに納得なっとくしました。そこにえがかれていたのは、自分じぶん故郷こきょうおな景色けしきだったのです。とくに、うみしず印象いんしょうてきで、おもわず「This is my home!」とさけんだほど。

 さらに、寺嶋てらしまみん哉さんが作曲さっきょくしたスコアをて、もっとおどろきました。自分じぶんんでいるのとおなじ「ケルト音楽おんがく坩堝るつぼ(るつぼ)」――つまり、アイルランド、フランスのブルターニュ地方ちほう、スコットランド、そして故郷こきょうのガリシアをわせたものに、日本にっぽんらしさがくわわっていて、ケルト音楽おんがく未来みらいかんじました。

――日本にっぽんらしさとは。

カルロス 伝統でんとうてき要素ようそかしつつ、現代げんだいてき雰囲気ふんいきをうまくれているということです。ただ、録音ろくおん時間じかん満足まんぞくれなかったため、もっとおおくの楽器がっき演奏えんそうしたいと、スペインにもどって追加ついか録音ろくおんしました。

――これまでジブリ作品さくひんたことは?

カルロス ヨーロッパでたか評価ひょうかけていることもあり、興味きょうみってていました。自然しぜんたいするかんがかたや、なまたいするイメージは、ケルト文化ぶんかとも共通きょうつうこうがあり、共感きょうかんできます。ガリシアは、ヨーロッパの西端せいたんにあるため、アジアのひがしはしにある日本にっぽんとは、文化ぶんかてきめんふくめて「かがみ」のような関係かんけいにあるのではないかとかんじています。

――吾朗ごろう監督かんとく印象いんしょうは。

カルロス 寺嶋てらしまさんもそうですが、とても謙虚けんきょ名声めいせいれたひとは、とかくえらそうな態度たいどりがちですが、かれらには、そういうところがないですね。

――吾朗ごろう監督かんとく寺嶋てらしまさんは、演奏えんそうしている姿すがたがとてもカッコよかったとっています。

カルロス それはすごくうれしい。ぼくは、芸術げいじゅつというものはたんおとだけではなく、いくつもの要素ようそたがいに関連かんれんしあって成立せいりつしているとかんがえています。映画えいががいいれいでしょう。おなじように、生活せいかつ芸術げいじゅつであるとおもいます。


「メロディーズ・フロム・ゲド戦記せんき

――映画えいが完成かんせい、あなたの演奏えんそうをメインにしたアルバム「メロディーズ・フロム・ゲド戦記せんき」がつくられました。

カルロス 「ゲド戦記せんき」の音楽おんがくをもっとひろげたいと、寺嶋てらしまさんやジブリのスタッフにガリシアまでてもらい、やく半年はんとしかけてじっくりつくりました。映画えいがばんでは、シンフォニックな編曲へんきょく自分じぶんふえなどをせるイメージでしたが、このアルバムでは、パーカッション奏者そうしゃであるおとうとのショルシュに参加さんかしてもらったことで、リズムが強調きょうちょうされ、ケルト音楽おんがくらしさがよりつよていますね。

――コンサートでは、映画えいが挿入歌そうにゅうかうたった歌手かしゅしままもるさんと、以前いぜん、ジブリ作品さくひん参加さんかした経験けいけんがあるシンガーソングライターの矢野やの顕子あきこさんがゲストで参加さんかします。

カルロス しまさんには、わかにありがちな傲慢ごうまんさがない。普通ふつうなら「ポップスターになるんだ!」ってガツガツしてしまうのに。歌声うたごえ同様どうようで、独特どくとくしずかでふかいメッセージせいかんじさせます。

 矢野やのさんとは、アイルランドのバンド「ザ・チーフタンズ」のライブで共演きょうえんしたことがあり、ふたた一緒いっしょ演奏えんそうできるのはとてもたのしみ。彼女かのじょはニューヨークにんでいながら、日本人にっぽんじんならではの繊細せんさいさをうしなわないのが面白おもしろい。たとえば先日せんじつひさしぶりに電話でんわはなして「人生じんせいはどう?」といたら、「そんなふか質問しつもん簡単かんたんこたえられないわ」とこたえるのです。アメリカじんなら、適当てきとうに「調子ちょうしいいよ」ってかえすのに(笑)。彼女かのじょのそういう魅力みりょくは、音楽おんがくにもていますね。

――どんなコンサートにしたいですか。

カルロス さまざまなインスピレーションがざりって、シンフォニーのようになれば素敵すてきだとおもいます。えない感情かんじょうそだった場所ばしょちがっても脈々みゃくみゃくつづいてきている文化ぶんか、そういうものをみなかちいたいですね。



 
「カルロス・ヌニェス ゲド戦記せんきかなでる」
 カルロスを中心ちゅうしんに、映画えいが音楽おんがくがけた作曲さっきょく寺嶋てらじまみん哉、挿入歌そうにゅうかうたったしままもる出演しゅつえんするほか、シンガーソングライターの矢野やの顕子あきことも特別とくべつセッションをおこなう。5月ごがつにち東京とうきょう渋谷しぶやのNHKホールで。チケットは読売新聞よみうりしんぶん会員かいいんせいサービス「yorimo」などで発売はつばいちゅう


2007ねん4がつ24にち  読売新聞よみうりしんぶん
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