［スポーツ］【大相撲おおずもう】追悼ついとう・田子たつこノ浦うら親方おやかた　シャッターとネットと人情にんじょう相撲すもうへの反発はんぱつ＋（2/4ページ）（2012.2.19 18:00）

　稽古けいこ場じょうはガレージのようなスペースを改造かいぞうして作つくってある。相撲すもう部屋へやには必かならずある上あがり座敷ざしきはない。親方おやかたはイスに腰掛こしかけていた。傍かたわらの机つくえには土俵どひょう脇わきには不ふ釣つり合あいなノートパソコンがあった。小型こがたのビデオカメラがつながれている。朝あさ稽古けいこの様子ようすをインターネットの動画どうがサイトで生なま中継ちゅうけいしていたのだ。土俵どひょうでは、まだ十じゅう両りょうに上あがる前まえの碧あお山やまらが懸命けんめいに汗あせを流ながしていた。

　稽古けいこ後ご、親方おやかたはこう語かたった。

　「前まえから考かんがえていて、やろうと思おもっていた。（春場所はるばしょがあって）大阪おおさかに行いけば、あいさつ回まわりやスカウトにも出向でむくことになる。場所ばしょが中止ちゅうしになったから、こういうことにも力ちからが使つかえる。深ふかく考かんがえてやっている訳わけじゃない。面白おもしろいかなと」

　この時期じき、多おおくの部屋へやはホームページの更新こうしんを止とめていたが、親方おやかたはブログでも相撲すもう部屋へやの日常にちじょうなどを発信はっしんしていた。「見みてくれる人ひとがいるから」と、実じつにあっさりしたものだった。もちろん、田子たつこノ浦うら部屋へやに八百長やおちょう問題もんだいへの関与かんよを疑うたがわれた力士りきしがいなかったことが、言動げんどうの背景はいけいにはあった。