［科学かがく］４震源しんげん域いきが存在そんざい？　Ｍ９級きゅう、３５００年ねんに７回かい　北海道ほっかいどうから三陸さんりくに巨大きょだい津波つなみ＋（1/3ページ）（2012.2.3 10:58）

　東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいに匹敵ひってきするマグニチュード（Ｍ）９級きゅうの超ちょう巨きょ大だい地震じしんが北海道ほっかいどうから三陸さんりく沖おきの太平洋たいへいようで過去かこ３５００年間ねんかんに７回かい以上いじょう発生はっせい、大だい津波つなみが沿岸えんがんを繰くり返かえし襲おそっていたことが平川ひらかわ一臣かずおみ北海道大ほっかいどうだい特とく任にん教授きょうじゅ（自然しぜん地理ちり学がく）の調査ちょうさで分わかった。

４よっつの震源しんげん域いき

　北海道ほっかいどう根室ねむろ市し－宮城みやぎ県けん気仙沼けせんぬま市しの４００地点ちてん以上いじょうで確認かくにんされた津波つなみ堆積たいせき物ぶつの年代ねんだい比較ひかくで、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいを除のぞく７回分かいぶんの年代ねんだいが沿岸えんがん全域ぜんいきでほぼ一致いっち。調査ちょうさ結果けっかから千島ちしま海溝かいこうと日本にっぽん海溝かいこう沿ぞいに震源しんげん域いきが４よっつあると推定すいてい、７回かいのうち、約やく２４００年ねん前まえと約やく３５００年ねん前まえは複数ふくすうの震源しんげん域いきが同時どうじに活動かつどうした可能かのう性せいがあるとしている。

　平川ひらかわ特とく任にん教授きょうじゅは「４よっつの震源しんげん域いきは数すう百ひゃく～１０００年ねんの異ことなる間隔かんかくで地震じしんを繰くり返かえしており、同時どうじや連続れんぞく発生はっせいもあり得える。沿岸えんがん地域ちいきは常つねに４方向ほうこうからの津波つなみを警戒けいかいしておくべきだ」と話はなしており、各地かくちの防災ぼうさい、避難ひなん計画けいかくに大おおきな影響えいきょうを与あたえそうだ。

　平川ひらかわ特とく任にん教授きょうじゅは、堆積たいせき物ぶつの位置いちから津波つなみの高たかさを推定すいていできる海岸かいがん沿ぞいの崖がけや小規模しょうきぼな谷たにを中心ちゅうしんに道東どうとうの根室ねむろ市しから道みち南みなみの森町もりまち、青森あおもり県けん、岩手いわて県けん、宮城みやぎ県けん気仙沼けせんぬま市しまでの地点ちてんを調査ちょうさした。

　放射ほうしゃ性せい炭素たんそや土器どき、噴火ふんか時期じきが分わかる火山灰かざんばい層そうとの上下じょうげ関係かんけいから年代ねんだいを調しらべたところ、沿岸えんがん一帯いったいで１７世紀せいき初頭しょとう、１２～１３世紀せいき、８６９年ねんの貞さだ観かん津波つなみ、約やく２０００年ねん前まえ、約やく２４００年ねん前まえ、約やく３０００年ねん前まえ、約やく３５００年ねん前まえとみられる堆積たいせき物ぶつを確認かくにん。ほぼ同時どうじに津波つなみが広範囲こうはんいに押おし寄よせたことを裏付うらづけた。