東芝とうしば、JR九州きゅうしゅうの新型しんがた車両しゃりょう向むけ駆動くどうシステムを受注じゅちゅう

　東芝とうしばは3日にち、九州旅客鉄道きゅうしゅうりょかくてつどう株式会社かぶしきがいしゃ（JR九州きゅうしゅう）の新型しんがた車両しゃりょう向むけに駆動くどうシステムを受注じゅちゅうしたと発表はっぴょうした。高こう効率こうりつで、レアアースのジスプロシウムを使用しようしない主しゅ電動でんどう機きなどで構成こうせいされており、JRグループの量産りょうさん型がた営業えいぎょう車両しゃりょうとしては初はじめての採用さいようになるという。

　同社どうしゃによると、今回こんかいの駆動くどうシステムは、レアアースのジスプロシウムを一切いっさい使用しようしない永久えいきゅう磁石じしゃくを採用さいようした全ぜん閉型永久えいきゅう磁石じしゃく同期どうき電動でんどう機き（全ぜん閉PMSM）と4in1VVVFインバータ装置そうちを組くみ合あわせたもの。

　JR九州きゅうしゅう筑肥線せんの姪浜めいのはま・唐津からつ間あいだと、唐津からつ線せんの唐津からつ・西唐津にしからつ間あいだを運行うんこうする新型しんがた通勤つうきん形がた電車でんしゃ305系けいに採用さいようされる。新型しんがた車両しゃりょうが運行うんこうするのは、西唐津にしからつから姪浜めいのはままでの44.8kmの区間くかんで、姪浜めいのはまから福岡ふくおか市し地下鉄ちかてつ空港くうこう線せんへ乗のり入いれている。

　全ぜん閉PMSMは定てい格かく効率こうりつ97％を実現じつげんする高こう効率こうりつな主しゅ電動でんどう機きで、一般いっぱん的てきに車両しゃりょうに用もちいられる開放かいほう型がた誘導ゆうどう電動でんどう機きの定てい格かく効率こうりつ90％と比較ひかくして、飛躍ひやく的てきに効率こうりつが向上こうじょうしている。また、全ぜん閉構造づくりにより内部ないぶ清掃せいそうが不要ふようのため、メンテナンス性せいも向上こうじょうしている。さらに、永久えいきゅう磁石じしゃくには、ネオジム磁石じしゃくと同等どうとうの性能せいのうを持もち、レアアースの中なかでも特とくに希少きしょうで、供給きょうきゅうリスク・価格かかく高騰こうとうリスクのあるジスプロシウムを一切いっさい使用しようしない新しん開発かいはつのサマリウム・コバルト磁石じしゃくを採用さいようしている。

　主しゅ電動でんどう機きを駆動くどうする4in1VVVFインバータ装置そうちは、1台だいの冷却れいきゃく器きに対たいして4つのインバータ回路かいろを配置はいちした4in1インバータユニットを2台だい搭載とうさいすることで、8台だいの全ぜん閉PMSMを1台だいのVVVFインバータ装置そうちで駆動くどうできるシステム。これにより、力行りっこう（電力でんりょくの供給きょうきゅうを受うけて車両しゃりょうが加速かそくする状態じょうたい）の消費しょうひ電力でんりょく量りょうを削減さくげんするとともに、同社どうしゃ独自どくじの制御せいぎょ方法ほうほうで電力でんりょく回生かいせいブレーキの負担ふたんを増ふやし、回生かいせい電力でんりょく量りょうを増加ぞうかさせることで車両しゃりょう全体ぜんたいの省しょうエネを実現じつげんしているという。