千早茜の新刊『西洋菓子店プティ・フール』の世界を人気パティシエールが再現(読者プレゼントつき)
『西洋菓子店プティ・フール』 (千早茜 著)
プロフィール
おーるよみもの/創刊以来、常にエンターテインメント小説の最前線を追いかけ続けてきた小説雑誌です。年に2度、全国の小説ファンが注目する直木賞も本誌で発表されます。戦前の「銭形平次」をはじめとして、池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」、今現在では平岩弓枝さんの「御宿かわせみ」を代表とする数多くの人気シリーズほか、大家も期待の若手作家も、時代小説も現代小説も推理小説も、今の小説界がここに盛り込まれている、と断言できます。また、旅行、食べ物、教養、人物評伝など「讀物」も満載、活字における娯楽の愉しみを今後も追求していきます。
下町の老舗洋菓子店を舞台にした小説を書いた千早茜さんが、独創的なケーキを作り続ける気鋭のパティシエール岩柳麻子さんと、スイーツ談義。小説と甘いもの――心身を豊かにする嗜好品を生み出す二人の職人はすっかり意気投合し、話題は仕事論へと――。
洋菓子のパティシエールを主人公にした連作短編集『西洋菓子店プティ・フール』を刊行した千早茜さん。
『オール讀物』4月号では、パティシエールと、小説の魅力と、物語に登場するスイーツやケーキ作りの舞台裏などを語り合ってもらった。
千早さんが訪れたのは、服飾の学校で染色デザインを学んだ後、フランスへ渡り、独学でケーキの勉強を積んだ岩柳麻子さんの新店。東京・世田谷に昨年12月にオープンした「パティスリィ アサコ イワヤナギ(PATISSERIE ASAKO IWAYANAGI)」だ。
対談当日の午後1時半――。
千早さんと女性カメラマン、フードライターの大滝美恵子さんと担当編集者(男性)の4人で店に到着。撮影場所などの打ち合わせもそこそこに千早さんと女性カメラマンは、この日、食べる分と持ち帰る分のケーキの取り置き注文を始めた。
「人気店のケーキは午後の早い時間には、売り切れてしまうんですよ」(千早さん)
大滝さんによると、午前中は、朝から仕込んでいるケーキが出揃っておらず、夕方には、人気のケーキはほとんどが売り切れてしまうらしい。夕方にケーキ店を訪れても、人気スイーツは買えないようだ。
実際、お客さんが続々と訪れ、ケーキを購入。ロールケーキとシュークリームなどが完売していく。
今回のテーマは、小説とスイーツという、人生の必需品ではないものを作るものとしての“覚悟”。
岩柳さんは、対談の冒頭から小説を絶賛。
「じいちゃんのもとで洋菓子作りを学び、フランスに留学してパティスリーの王道を学んだ亜樹ちゃん。製菓学校もない時代からたたきあげでやってきたじいちゃん。二人のキャラクターがよく表現されていて、感情移入できました。
『そうそう、わかるわかる』と、頷きっぱなしでしたし、毎日、ケーキを作っているのに、読んでいるとお腹がすいてきちゃって(笑)」
【次ページ】『西洋菓子店プティ・フール』をイメージした菓子
西洋菓子店プティ・フール
千早茜・著
定価:本体1,350円+税 発売日:2016年02月12日
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オール讀物 2016年4月号
定価:980円(税込) 発売日:2016年3月22日
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