「最近さいきんの若わかい者ものは」などという常套句じょうとうくを寄よせ付つけない。頼たのもしいぞ、高校生こうこうせい！　第だい3回かい高校生こうこうせい直木賞なおきしょうレポート

オール讀物よみもの　2016年ねん7月がつ号ごう

　高校生こうこうせい直木賞なおきしょうは過去かこ1年ねんの直木賞なおきしょう候補こうほ作さくの中なかから、高校生こうこうせいが自分じぶんたちにとっての1冊さつを決きめる試こころみで、一昨年いっさくねんから始はじまり、今年ことしで3回かい目めの開催かいさいです。

　北きたは北海道ほっかいどう、南みなみは九州きゅうしゅうから19校こうが参加さんか。参加さんか校こうを2班はんに分わけて、第だい153回かい、第だい154回かいの直木賞なおきしょう候補こうほ作さくそれぞれについて校内こうない予選よせんで議論ぎろんしてもらい、その結果けっかを受うけて下記かきの最終さいしゅう候補こうほ作さくに絞しぼられました。

　青山あおやま文平ぶんぺい『つまをめとらば』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう）

　門井かどい慶喜よしのぶ『東京帝大とうきょうていだい叡あきら古こ教授きょうじゅ』（小学館しょうがくかん）

　西川にしかわ美和みわ『永ながいい訳いわけ』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう）

　深緑しんりょく野分のわけ『戦場せんじょうのコックたち』（東京とうきょう創そう元もと社しゃ）

　宮下みやした奈都『羊ひつじと鋼はがねの森もり』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう）

　柚木ゆずき麻子あさこ『ナイルパーチの女子じょし会かい』（文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう）

各かくマスメディアも臨席りんせきし、選考せんこう会かいは緊張きんちょうと高揚こうよう感かんとがないまぜに

　この6作さくをさらに校内こうない予選よせんにかけたうえで、受賞じゅしょう作さくを決定けっていする全国ぜんこく大会たいかいに各校かくこうの代表だいひょう生徒せいとが臨のぞみました。

　参加さんか校こう数すうは過去かこ最多さいたで、昨年さくねんに比くらべて7校こう増ぞう。嬉うれしい悲鳴ひめいを上あげつつも、「19名めいでの議論ぎろんが成立せいりつさせられるのか？」と、実行じっこう委員いいん会かいの面々めんめんは頭あたまを悩なやませるばかり。

　本家ほんけ・直木賞なおきしょうの選考せんこう委員いいんは9名めいなので、高校生こうこうせい直木賞なおきしょう全国ぜんこく大会たいかいでは約やく2倍ばいの人数にんずうをさばくことになります。司会しかいを務つとめるのは本家ほんけ同様どうように「オール讀物よみもの」編集へんしゅう長ちょうですが、いつもとは違ちがった緊張きんちょう感かんを漂ただよわせていました。

　さらに、今回こんかいは新あらたな試こころみとして、オーディエンス席せきを設もうけ、新聞しんぶんなどマスメディアの取材しゅざいも入はいることに。「衆人しゅうじん環視かんしのもと高校生こうこうせいは緊張きんちょうせずに話はなせるか」「会場かいじょう全体ぜんたいに議論ぎろんの声こえが行いき届とどくだろうか」など、不安ふあんの種たねは尽つきません。会場かいじょう設営せつえいの段階だんかいから、机つくえや椅子いすの配置はいちを試行しこう錯誤さくごしたり、マイクを導入どうにゅうしたりとできる限かぎりの工夫くふうを凝こらしたものの、本番ほんばんで上手うまくいくかはわかりません。

　落おち着つかぬ気持きもちを抱かかえたまま、ゴールデンウィーク真まっ只中ただなかの5月がつ4日にち、全国ぜんこく大会たいかい当日とうじつを迎むかえました。

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