東北電力は7日、金山町に建設を計画している「東北電力奥会津水力館」について、4月に着工し、2020年5~6月ごろの完成を目指すと発表した。東北電初となる本格的な水力発電のPR施設で、水力発電の歴史的意義を発信するとともに、奥会津地域の観光振興にも貢献したい考え。
東北電は2010(平成22)年11月に「東北電力奥会津水力記念館」の建設構想を発表。しかし、11年3月の東日本大震災と同7月の新潟・福島豪雨で計画が中断していた。東北電力奥会津水力館に名称を変更し、構想発表から10年を経て水力館が完成することになった。東北電が草創期から大規模に電源開発を進め、戦後の復興を電力供給の面から支えるとともに現在も東北電の水力発電所の総出力の約3割を占める奥会津地域の歴史や魅力を紹介する。
道の駅「奥会津かねやま」に隣接し、只見川に面した場所に建設し、鉄筋コンクリート造り(一部木造)1階建てで、建築面積約1200平方メートル。外観は奥会津の山の連なりをイメージし、横約7メートルのステンドグラスも設ける。
館内には、映像で水力発電や奥会津の魅力を紹介するシアターホール、画面や展示装置に触れて水力発電を学ぶギャラリーを整備。東北電初代会長の白洲次郎と只見川の電源開発の歴史を紹介する歴史ルームも設け、白洲の人となりの紹介や愛用品の展示を行う。画家や書家としても有名な片岡鶴太郎さんの絵画やエッセーなどで奥会津の魅力を発信するギャラリーも設ける。雄大な只見川を楽しめるカフェ、地域の交流の場となる多目的スペースもある。オープン時期は未定となっている。