バイデン政権せいけん2021

　米べい民主党みんしゅとうのジョー・バイデン新しん大統領だいとうりょう（78）が2021年ねん1月がつ20日にち正午しょうご（日本にっぽん時間じかん21日にち午前ごぜん2時じ）前まえ、首都しゅとワシントンで開ひらかれた就任しゅうにん宣誓せんせい式しきで、職務しょくむの遂行すいこうと合衆国がっしゅうこく憲法けんぽうの堅持けんじを宣誓せんせいし、第だい46代だい大統領だいとうりょうに正式せいしきに就任しゅうにんした。副ふく大統領だいとうりょうには女性じょせいとして初はじめて黒人こくじんのカマラ・ハリス氏し（56）が就ついた。バイデン氏しの任期にんきは2025年ねんまで。

政権せいけんメンバー、多様たよう性せい象徴しょうちょう

　バイデン米まい政権せいけんは、25人にんの閣僚かくりょう級きゅうポスト候補こうほの半数はんすうを女性じょせい、非ひ白人はくじんが占しめ、政権せいけんが重視じゅうしする「多様たよう性せい」を象徴しょうちょうする顔かおぶれになった。女性じょせい初はつの副ふく大統領だいとうりょうとなったハリス氏し、黒人こくじん初はつの国防こくぼう長官ちょうかんに指名しめいされたロイド・オースティン氏し、運輸うんゆ長官ちょうかんに指名しめいされ、同性愛どうせいあい者しゃを公言こうげんした初はつの閣僚かくりょうとなる見通みとおしのピート・ブティジェッジ氏しらが話題わだいとなっている。

　実務じつむ面めんでは、バイデン氏しが副ふく大統領だいとうりょうを務つとめたオバマ政権せいけんの高官こうかんが多おおい。閣僚かくりょう級きゅう以外いがいにも、気候きこう変動へんどう問題もんだい担当たんとうの大統領だいとうりょう特使とくしを務つとめるジョン・ケリー元もと国務こくむ長官ちょうかんや国内こくない政策せいさく会議かいぎ委員いいん長ちょうのスーザン・ライス元もと国連こくれん大使たいしらオバマ政権せいけん時代じだいの高官こうかんが脇わきを固かためる。

困難こんなんな戦たたかいの入いり口くちに

　バイデン氏しが就任しゅうにん演説えんぜつの中なかで、米国べいこくが直面ちょくめんする課題かだいとして名指なざししたのは、「対たいテロ戦争せんそう」でも「大国たいこく間あいだ競争きょうそう」でもなく、米べい社会しゃかいにあふれる「偽にせ情報じょうほう」との戦たたかいだった。

　連邦れんぽう議会ぎかいへの乱入らんにゅう事件じけんでは、「不正ふせい選挙せんきょで選えらばれた大統領だいとうりょうは認みとめない」という主張しゅちょうが、「自分じぶんたちで民主みんしゅ主義しゅぎを守まもる」という理屈りくつを生うみ出だし、暴力ぼうりょくを正当せいとう化かした。

　今後こんご「さらなる暴力ぼうりょく事件じけんが起おきる」と予測よそくする専門せんもん家かは少すくなくない。

　バイデン氏しは「私わたしに同意どういできないなら、そのままでいい。それが民主みんしゅ主義しゅぎだ」と語かたった。しかし、それは、意見いけんの異ことなる双方そうほうが同おなじ事実じじつについて議論ぎろんしていることが前提ぜんていだ。片方かたがたが虚像きょぞうを信しんじ込こみ、事実じじつ関係かんけいがすれ違ちがっている場合ばあい、意見いけんを戦たたかわせることは困難こんなんだ。いまの米べい社会しゃかいの分断ぶんだんはそこまで深刻しんこく化かしている。

　バイデン氏しは困難こんなんな戦たたかいの入いり口くちに立たった。