解説かいせつ委員いいん室しつから

　中国ちゅうごく経済けいざいが「三重苦さんじゅうく」にさらされている。ちょっと大おおげさな表現ひょうげんかもしれないが、筆者ひっしゃが思おもいついたわけではなく、中国ちゅうごくの経済けいざい政策せいさくの方向ほうこうを決きめる最さい重要じゅうよう会議かいぎ後ごの発表はっぴょう文書ぶんしょで表明ひょうめいされた認識にんしきなのだ。原文げんぶんは「三重みえ圧力あつりょく」だが、まあ日本語にほんごなら「三重苦さんじゅうく」がぴったりだろう。２０２１年ねんの年央ねんおう以降いこうの共産党きょうさんとう・政府せいふの経済けいざい政策せいさくを見みると、景気けいきの現状げんじょう・先行さきゆきに…

　岸田きしだ文雄ふみお首相しゅしょうは就任しゅうにんから２カ月かげつを経へて、官邸かんていに隣接りんせつする公邸こうていに入居にゅうきょした。首相しゅしょうが住すむのは野田のだ佳彦よしひこ元もと首相しゅしょう以来いらい、約やく９年ねんぶりだ。戦前せんぜん、事件じけんの舞台ぶたいとなった首相しゅしょう公邸こうていには「幽霊ゆうれいが出でる」との根強ねづよいうわさがあり、不思議ふしぎな体験たいけんをした元もと首相しゅしょうもいる。単たんなるうわさか、それとも怖こわい思おもいをすることになるのか…。（時事通信じじつうしん解説かいせつ委員いいん長ちょう　高橋たかはし正ただし光こう）

　文芸春秋ぶんげいしゅんじゅう（１１月がつ号ごう）に掲載けいさいされた財務省ざいむしょうの矢野やの康治こうじ事務次官じむじかんの財政ざいせい危機ききを訴うったえる寄稿きこうは「矢野やの論文ろんぶん」と称しょうされ、世よの中なかに波紋はもんを広ひろげた。読者どくしゃの中なかには「日本にっぽんは破綻はたんするのか」と心配しんぱいした方ほうもおられるだろう。ただ、意外いがいに思おもうかもしれないが、金融きんゆう市場いちばで「矢野やの論文ろんぶん」は完全かんぜんに無視むしされた。国民こくみんの間あいだで広ひろがる財政ざいせい不安ふあんを横目よこめに「まったく材料ざいりょうにならなか…

　衆院しゅういん選せんに勝利しょうりした岸田きしだ文雄ふみお首相しゅしょうは、小しょう選挙せんきょ区くで落選らくせんし辞任じにんを申もうし出でた自民党じみんとうの甘利あまり明あきら前ぜん幹事かんじ長ちょうの後任こうにんに茂木もき敏さとし充たかし前外相ぜんがいしょう（６６）を起用きようした。永田町ながたちょうや霞かすみが関せきでの茂木もぎ評ひょうをまとめると、実務じつむ能力のうりょくや状況じょうきょう判断はんだん、先読さきよみに優すぐれた「切きれ者もの」の半面はんめん、周囲しゅういに厳きびしく怒いかりっぽい面めんもある。「ポスト岸田きしだ」を目指めざすには、中堅ちゅうけん、若手わかて議員ぎいんや官僚かんりょうとの距離きょりを縮ちぢめて「茂木もき…

　４年ねんぶりの衆院しゅういん選せんが１０月がつ３１日にち、投開票とうかいひょうされた。「党とうの顔かお」を岸田きしだ文雄ふみお首相しゅしょうに代かえた自民党じみんとう、選挙せんきょ区くで共産党きょうさんとうなどと候補者こうほしゃの一本いっぽん化かを進すすめた立憲りっけん民主党みんしゅとうのいずれにも風ふうが吹ふかず、野党やとう票ひょうの集約しゅうやく効果こうかで、自民党じみんとうの苦戦くせんも当初とうしょ伝つたえられた。しかし結果けっかは、自民党じみんとうが、安定あんていした国会こっかい運営うんえいが可能かのうな「絶対ぜったい安定あんてい多数たすう」の２６１議席ぎせきを得えて、立だて民みんは公示こうじ前まえから１４減げん…

　１４日にちの衆院しゅういん解散かいさんに伴ともない、多おおくの前ぜん議員ぎいんが出馬しゅつばせずに政界せいかいを引退いんたいした。「悪あく代官だいかん」「キング」…。その中なかには、強烈きょうれつなキャラクターや存在そんざい感かんの大おおきさから、ニックネームが定着ていちゃくした重鎮じゅうちんもいる。（時事通信じじつうしん解説かいせつ委員いいん長ちょう　高橋たかはし正ただし光こう）

　自民党じみんとうは１７日にち、菅かん義よし偉えら総裁そうさい（首相しゅしょう）の任期にんき満了まんりょうに伴ともなう総裁そうさい選せんを告示こくじし、河野こうの太郎たろう規制きせい改革かいかく担当たんとう相しょう（５８）、岸田きしだ文雄ふみお前ぜん政調せいちょう会長かいちょう（６４）、高市たかいち早苗さなえ前ぜん総務そうむ相しょう（６０）、野田のだ聖子せいこ幹事かんじ長ちょう代行だいこう（６１）の４氏しが立候補りっこうほを届とどけ出でた。長期ちょうき政権せいけんを誇ほこった安倍晋三あべしんぞう前ぜん首相しゅしょうと、安倍あべ政権せいけんで官房かんぼう長官ちょうかんを務つとめ安倍あべ氏しの支持しじも得えて就任しゅうにんした菅かん首相しゅしょうは、それぞれ別べつの候補こうほを支ささえ…

菅かん義よし偉えら首相しゅしょうが自民党じみんとう総裁そうさい選せんへの不ふ出馬しゅつばを表明ひょうめいした９月くがつ３日にち、小泉こいずみ進すすむ次郎じろう環境かんきょう相しょうは首相しゅしょうに「撤退てったい」を進言しんげんしていたことを明あかし、涙なみだを流ながした。政治せいじ家かとて人じんの子こ。感情かんじょうの発露はつろとして涙なみだする場面ばめんを時ときには目めにするが、権力けんりょくをめぐって「仁義じんぎなき戦たたかい」が繰くり広ひろげられているのが政界せいかい。状況じょうきょう、場面ばめんによっては、「弱よわい政治せいじ家か」の印象いんしょうを持もたれ、マイナスに作用さようすることも少すくなくない。（時事通信じじつうしん解説かいせつ委員いいん長ちょう　高橋たかはし正ただし光こう）

　東京とうきょう五輪ごりん閉幕へいまくを受うけた報道ほうどう各社かくしゃの世論せろん調査ちょうさが出でそろった。菅内すがうち閣かくの支持しじ率りつは、政権せいけん維持いじの危険きけんラインとされる３割わり前後ぜんこう。不ふ支持しじ率りつは５～６割わり程度ていどで、不ふ支持しじが支持しじを大おおきく上回うわまわっている点てんが共通きょうつうだ。菅かん政権せいけんはほぼ詰つんだのか？　時事通信じじつうしんの８月がつ調査ちょうさ結果けっか（６～９日にちに面接めんせつ方式ほうしきで実施じっし）から、政権せいけんの現状げんじょうと有権者ゆうけんしゃの意識いしきを読よみ解といてみた。（時事通信じじつうしん解説かいせつ委い…