2日から4日間に渡って開催されたエリザベス女王の即位70周年を祝う記念行事「プラチナジュビリー」に参加するため2020年の王室離脱後初めて一家揃って帰国したヘンリー王子とメーガン妃夫妻にとって、今回の帰国は熱烈な歓迎もなく、決して居心地の良いものではなかったようです。
初日に行われた祝賀パレード「トゥルーピング・ザ・カラー」では、女王とともに王室メンバーが集うバッキンガム宮殿のバルコニーに登場することが許されなかった夫妻ですが、翌日には公式参加を許された唯一の祝賀行事であるセントポール大聖堂での感謝礼拝に参列。しかし、沿道に集まった人々から歓声と共にブーイングを浴びせられたことが報じられました。
- 3日、エリザベス女王の在位70年を記念する感謝礼拝に出席したヘンリー王子と妻のメーガン妃(ロイター)
また、夫妻にとって祝賀イベントへの参加とともに重要なイベントとなるはずだった女王と長女リリベットちゃんの初対面も、写真撮影が禁じられたばかりか、わずか15分の儀礼的な面会に終わったことが英メディア伝えられています。
そんな夫妻は自分たちへの冷遇に腹を立て、最終日の式典を待たず早々に帰国の途についたと言われていますが、王室離脱からこの2年間の夫妻と王室を取り巻く出来事や関係を、2回に渡って振り返ってみたいと思います。第1回目は2020年の年明け早々の離脱発表から始まった激動の1年間を振り返ります。
■2020年1月に離脱を発表
王室の主要な公務から退くことを突如発表して、世界を驚かせました。王族の称号を使わず、経済的にも独立に向けて取り組むことが発表されたものの、女王や父チャールズ皇太子は事前に聞かされておらず寝耳に水だったと言われています。夫妻と王室の確執が浮き彫りとなり、メディアは英国の欧州連合(EU)離脱「ブレグジェット」をもじって「メグジェット」と大々的に報じるなど、報道も過熱。税金から支出された240万ポンドと言われるウィンザー城内にある住居フログモア・コテージの改修費の返済を求める声が上がるなど、国民の批判も浴びました。
■3月9日に最後の公務に出席
離脱を宣言した夫妻は、ウェストミンスター寺院で行われたコモンウェルズ・デー(英連邦記念日)の式典に出席し、これが最後の公務となりました。離脱宣言後に公の場で兄ウィリアム王子夫妻と初めて顔を合わせる場となったため、兄弟の動向に注目が集まりましたが、兄弟夫妻が直接会話を交わすことなく式典は終了。離脱を巡る兄弟の対立や確執がメディアで大々的に取り上げられます。
■3月31日に王室を正式離脱
王室を離脱した夫妻は、正式離脱前から長期滞在していたカナダのバンクーバー島で長男アーチー君と共に新生活をスタート。しかし、カナダの公安省は離脱に伴う一家の地位の変化を理由に、税金で賄っていた夫妻への警備費用の負担を終了すると発表。夫妻はその後、米ロサンゼルス(LA)に移住し、ハリウッド俳優タイラー・ペリーが所有するビバリーヒルズの豪邸での生活をスタートさせます。LA移住後は一家の暮らしぶりを撮影しようと自宅上空をドローンが飛び、警察が出動する騒動も起きています。
- ヘンリー王子とメーガン妃(2019年6月29日撮影)
■LA移住後メーガン妃はさっそく仕事復帰
女優業を引退していたメーガン妃は、ディズニーの動画配信サービス「Disney+」のドキュメンタリー映画「Elephant」のナレーションを担当して仕事復帰を果たし、ハリウッドにカムバック。また、4月6日には愛息アーチー君の名前を冠にした非営利団体「アーチウェルズ」を新たに立ち上げ、新型コロナウイルス感染症との戦いを支援するなど慈善活動もスタートさせました。
■4月19日に英タブロイド紙との絶交を宣言
「サン」「デイリーメール」「ミラー」「エクスプレス」のイギリス4大タブロイド紙の報道体制に同意できないとして、今後はコメントを求められても応じないことを宣言。広告収入のためにわいせつなゴシップ記事で自分たちの私生活をばらばらにされたと主張し、メディアとの対立が浮き彫りに。また、7月には無断でアーチー君の近影をドローンで上空から撮影したカメラマンも提訴しています。
■1歳になったアーチー君の動画を公開
5月6日にアメリカで1歳の誕生日を迎えたアーチー君を、メーガン妃が膝に抱き絵本を読み聞かせする、ヘンリー王子が自宅で撮影したという動画を公開。女王をはじめ、チャールズ皇太子や確執がうわさされるウィリアムズ王子夫妻は、公式SNSにおいのメッセージを投稿しました。女王がビデオ電話でアーチー君と交流していることなども報じられています。
■サンタバーバラ郊外にお引越し
一家はアメリカ移住後に暮らしていたLAの喧騒を離れ、8月には北部のリゾート地サンタバーバラに1460万ドルで豪邸を購入して引っ越したことが明らかに。海と山に囲まれた閑静な高級住宅地にある豪邸は、9つのベッドルームと16のバスルームを備え、広大な庭もあり、メーガン妃の母親も同居していると言われています。
■8月11日に暴露本を出版
夫妻の自伝「自由を求めて ハリーとメーガン 新しいロイヤルファミリーを作る(Finding Freedom: Harry and Meghan and the Making of a Modern Royal Family)」が出版されて話題に。王室ジャーナリストのオミッド・スコビー氏とキャロリン・ディラン氏による、2人の出会いから離脱までが描かれた著書では、王室との確執なども赤裸々に綴られており、衝撃を与えました。
■ネットフリックスと巨額の契約
9月に動画配信大手ネットフリックスと複数年契約し、ドキュメンタリーや長編映画、バラエティー番組、子ども向け番組の制作を手掛けることが発表されました。契約金は明らかにされていないものの、1億5000万ドルとも伝えられています。夫妻はこの契約金で、フロッグモア・コテージの改修費を全額返済したと言われています。
■第2子を流産していたことを告白
ニューヨーク・タイムズ紙に寄稿したエッセイの中で11月、メーガン妃は7月に第2子を流産していたことを告白。赤裸々な告白は、同じ苦しみを持つ女性を勇気づけたと言われる一方、私生活の切り売りだと批判も浴びました。メーガン妃はその翌年2月に第2子を妊娠したことを発表しています。
■ネットフリックスに続いてスポティファイとも大型契約
9月のネットフリックスに続いて、12月にはスポティファイと複数年契約して、ポッドキャストのコンテンツを制作することが発表されました。報道では、契約金は2500万ドルと伝えられています。
【千歳香奈子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「ハリウッド直送便」)