刀剣とうけん・日本にっぽん刀がたなの知識ちしきを学まなべる刀剣とうけんの専門せんもんサイトです。
刀剣とうけんの様子ようすを表あらわす表現ひょうげんには、専門せんもん的てきな用語ようごが使用しようされることがあります。一般いっぱん的てきにはあまりなじみのない「乱みだれ映うつり」、「葉は入はいる」といった刀剣とうけんならではの難解なんかいな表現ひょうげんを味あじわうのも、刀剣とうけんの楽たのしみ方かたのひとつ。独特どくとくの用語ようご・表現ひょうげんについて理解りかいすると、刃は文ぶんや地ち鉄てつなどに関かんする刀剣とうけんの注目ちゅうもくポイントも分わかるようになっていきます。ここでは五箇ごか伝つたえの有名ゆうめいな刀工とうこう「景けい光こう」、「長義ながよし」などによって制作せいさくされた美うつくしい刀剣とうけんを、難解なんかいな用語ようごを使用しようした長文ちょうぶんの意味いみと内容ないようをご紹介しょうかい。有名ゆうめいな刀剣とうけんの説明せつめい文ぶんを例文れいぶんにして解説かいせつします。
「太刀たち 銘めい 包つつみ永ひさし(金きむ象嵌ぞうがん)本多ほんだ平八郎へいはちろう忠ちゅう為ため所持しょじ之の」の身幅みはば(みはば)は尋常じんじょうで腰こし反そり(こしぞり)、鎬(しのぎ)が高たかく、鎬幅(しのぎはば)も広ひろいのは、大和やまと伝でんの特徴とくちょうです。地ち鉄てつ(じがね)は地ち沸にえ(じにえ)が強つよく、板目いため肌はだ(いためはだ)に柾目まさめ(まさめ)が流ながれ、沸にえ出来でき(にえでき)の直ちょく刃は(すぐは)に小しょう互の目め(こぐのめ)が混まじります。刃はぶちに二に重じゅう刃ば(にじゅうば)、掃掛かけ(はきかけ)、打だ徐じょけ(うちのけ)等とうの働はたらきが有あります。総そうじて地ち刃ばが冴さえています。帽子ぼうしの焼やきは掃掛かけ。
「短刀たんとう 無銘むめい 名物めいぶつ上部じょうぶ当麻とうま(當麻とうま)」の作風さくふうは平たいら造づくり(ひらづくり)、三みっつ棟とう(みつむね)となり、重かさねは厚あつく、地ち鉄てつ(じがね)は小しょう杢もく目め(こもくめ)詰つみ、大だい板目いため流ながれ肌はだが交まじっています。刃は文ぶん(はもん)は湾わんれ調しらべ(のたれちょう)の小しょう乱らん刃ば(こみだれば)、刃は縁えん(はぶち)ほつれ、幅広はばひろの足あし(あし)は入はいり地ち刃はに小しょう沸にえ(こにえ)厚あつく付つくなど見みどころのある名品めいひんです。
国吉くによしの作風さくふうは、一般いっぱん的てきに姿すがたは優やさしく、京きょう反そり(きょうぞり)となる太刀たち姿すがたで小しょう鋒ほこさき/小しょう切先きっさき(こきっさき)。地ち鉄てつ(じがね)は小しょう杢もく目め鍛きたえ(こもくめきたえ)が良よく詰つみ、焼入やきいれの際さいに発生はっせいする沸にえ(にえ)が地肌じはだ(じはだ)に密着みっちゃくし、たたきしめたような梨子なしご地肌じはだ(なしじはだ)とよばれる地ち鉄てつとなります。刃は文ぶん(はもん)は、小しょう沸にえ本位ほんいの焼やき幅はばの狭せまい直ちょく刃は(すぐは)に小しょう互の目め(こぐのめ)、小しょう乱みだれ(こみだれ)、小しょう丁子ちょうじ乱らん(こちょうじみだれ)の刃は文ぶんが交まじります。
「太刀たち 銘めい 来らい国光こっこう」の作風さくふうは、大だい部分ぶぶんの姿すがたが豪壮ごうそうな物もので、焼しょう刃は(やきば)の働はたらきも多おおくなっており、迫力はくりょくがあります。本ほん太刀たちは、同どう作さくのなかでは細身ほそみの姿すがたであり、おおよそ定てい寸すん(じょうすん)に磨みがけ上あげ(すりあげ)られています。しかし、地ち刃ば(じは)共ともに優すぐれ、なかでも小しょう乱みだれ(こみだれ)や小しょう丁子ちょうじ(こちょうじ)が交まじり、足あし(あし)・葉は(よう)がよく入はいる、抜群ばつぐんの刃はの働はたらきが示しめされているのです。
「刀かたな 無銘むめい 伝でん国こく俊しゅん」は、磨すり上あげられているために無銘むめいになっていますが、身幅みはば(みはば)は広ひろく、鋒ほこさき/切先きっさき(きっさき)は猪首いくび(いのくび)ごころで豪壮ごうそうな姿すがたになっています。また、鍛きたえは小しょう板目いため(こいため)がよく詰つみ、地ち沸にえ(じにえ)がこまかに付ついた地ち鉄てつ(じがね)には、映うつりが淡あわく立たっています。刃は文ぶん(はもん)は、焼しょう幅はばが広ひろく浅あさく湾わんれ(のたれ)て、丁子ちょうじ(ちょうじ)や小しょう乱らんが交まじり、小しょう足あし・葉はがしきりに入はいるだけでなく、小しょう沸にえも付ついています。
「短刀たんとう 銘めい 来らい国光こっこう(名物めいぶつ 塩河しゅうが来らい国光こっこう)」の作風さくふうは、地ち鉄てつ(じがね)は小しょう板目いため(こいため)良よく詰つみ、地ち沸にえ(じにえ)微塵みじんに厚あつく付つき、冴さえます。刃は文ぶん(はもん)はわずかに湾わんれ(のたれ)調ちょうに小しょう互の目め(こぐのめ)乱みだれ、小しょう沸にえよく付つき匂におい口こう(においぐち)明あかるく冴さえています。激はげしく乱みだれこむ帽子ぼうしが印象いんしょう的てきで、深ふかく返かえる様ようは左ひだり文字もじを思おもわせます。重かさねやや厚あつく、茎くき(なかご)は生なまぶの振袖ふりそで形がた。本ほん作さくは乱みだれ出来できの典型てんけい作さくのひとつで、茎くきが荒あれ気味ぎみではあるものの、出来できは抜群ばつぐんです。
「太刀たち 銘めい 信包のぶか」は、身幅みはば広ひろく、元もと先さきの幅はば差さはあまりなく、腰こし反そり高たかい堂々どうどうたる姿すがたです。その鍛きたえは板目いために杢もく目め交まじり、地ち沸にえ(じにえ)厚あつく付つき、乱みだれ映うつりが鮮あざやかに立たっています。刃は文ぶんは小しょう乱みだれを主調しゅちょうに小湾こわんれ(のたれ)・小しょう互の目め(ぐのめ)・小しょう丁子ちょうじ(ちょうじ)が交まじり、焼しょう頭あたまの上うえに飛ひ焼しょうが点てん続つづけし、これが二に重じゅう刃はとなり金筋きんすじが入はいるなど、古こ備前びぜん特有とくゆうの古雅こがな趣おもむき(おもむき)のある出来できです。
「刀かたな 無銘むめい 伝でん兼光かねみつ(金きむ象嵌ぞうがん)本多ほんだ平八郎へいはちろう忠ちゅう為ため所持しょじ之の」の作風さくふうは、大だい磨すり上じょう(おおすりあげ)ながらも身幅みはば(みはば)が広ひろく、大だい鋒ほこさき/大切たいせつ先さき(きっさき)の豪壮ごうそうな姿すがた。鍛きたえは小しょう板目いため(こいため)がよく詰つみ、地ち沸にえ(じにえ)が細こまかく付つき、乱みだれ映うつりも鮮あざやか。刃は文ぶん(はもん)は匂におい出来でき(においでき)で小しょう沸にえ(こにえ)が付つき、小しょう互の目め(こぐのめ)乱みだれに尖とがり刃は交まじり、逆ぎゃく足あし(さかあし)や小しょう足あし(こあし)が入はいるなど、見みどころが多おおく見事みごとです。
「刀かたな 無銘むめい 伝でん国こく宗むね(備前びぜん三郎さぶろう)」の特徴とくちょうは、身幅みはばが広ひろく、鋒ほこさき/切先きっさき(きっさき)がやや延のびた堂々どうどうとした姿すがた。地ち鉄てつは、板目いため肌はだに地ち景けいが入はいり地ち沸にえ(じにえ)や乱らん映うつりも立たち、刃は文ぶん(はもん)は重じゅう花はな丁子ちょうじ(じゅうかちょうじ)や蛙かえる子こ丁子ちょうじ(かわずこちょうじ)が交まじるなど華はなやか。特とくに刃は中ちゅうには国くに宗むねならではの「備前びぜん三郎さぶろうの白しろ染しみ」が見みて取とれる逸品いっぴんです。
「刀かたな 銘めい 備前びぜん国こく住じゅう長船おさふね十郎左衛門じゅうろうざえもん尉じょう春光しゅんこう」を作さく刀がたなした春光しゅんこうは、「末すえ備前びぜん」(すえびぜん)の刀工とうこうのひとり。「天文てんもん16年ねん」(1547年ねん)紀きのが銘めいじ(めい)に切きられている本ほん刀がたなは、反そりは浅あさく先さき反そりが付つく、室町むろまち時代じだい後期こうきの特色とくしょくをよく示しめした造みやつこ込こみであることが窺うかがえるのです。また、鍛きたえは板目いため肌はだ(いためはだ)がよく練ねれて詰つみ、地ち沸にえ(じにえ)が厚あつく付つき、広こう直ちょく刃は調ちょう(ひろすぐはちょう)に小しょう足あし(こあし)・葉は(よう)が入はいるなど、末すえ備前びぜん物ぶつの作風さくふうが顕著けんちょに示しめされており、十郎左衛門じゅうろうざえもん尉じょう春光しゅんこうの代表だいひょう作さくでもあります。
「忠光ただみつ」(ただみつ)は、「勝光かつみつ」(かつみつ)や「宗そう光ひかり」(むねみつ)と共ともに、室町むろまち時代じだい後期こうきの備前びぜん国こく(現在げんざいの岡山おかやま県けん南東なんとう部ぶ)で作さく刀がたなした「末すえ備前びぜん」(すえびぜん)を代表だいひょうする名工めいこう。忠光ただみつ系けいと言いえば、末すえ備前びぜんのなかでも直ちょく刃は(すぐは)の名手めいしゅとして名高なだかいですが、「刀かたな 銘めい 備前びぜん国こく住じゅう長船おさふね忠光ただみつ」は、匂におい口こう(においぐち)の冴さえる乱らん刃ば(みだれば)の出来映できばえとなっていることが特徴とくちょう。さらに表裏ひょうりには、見事みごとな刀身とうしん彫刻ちょうこく(とうしんちょうこく)が施ほどこされています。
「刀かたな 銘めい 備州長船おさふね住じゅう近景きんけい」の地ち鉄てつ(じがね)は、板目いため(いため)が詰つんで地ち沸にえ(じにえ)が細こまかく映うつり立たっているのが特徴とくちょう。刃は文ぶん(はもん)は、匂におい出来でき(においでき)で美うつくしく、中ちゅう直ちょく刃は(なかすぐは)に少すこし尖とがり、小しょう互の目め(こぐのめ)が交まじって小しょう足あし(こあし)がよく入はいっています。
「太刀たち 銘めい 基もと近きん造みやつこ」の作風さくふうは、鋒ほこさき/切先きっさき(きっさき)が猪首いくび風ふう(いくびふう)となり、身幅みはば(みはば)は広ひろめで踏ふん張ばり(ふんばり)のある上品じょうひんな太刀たち姿すがた、その刃は文ぶん(はもん)は、小しょう乱みだれ(こみだれ)に小しょう丁子ちょうじ(こちょうじ)が交まじり、刃は中ちゅうもよく働はたらき、見事みごとな丁子ちょうじ映うつりも見みられます。さらには、表裏ひょうりの乱みだれは喰くい違ちがったところがほとんどなく、同どう一いち歩調ほちょうを取とっています。本ほん太刀たちは、基もと近こんの技量ぎりょうの冴さえを示しめす丁子ちょうじ乱みだれの典型てんけい的てきな作品さくひんです。
「太刀たち 銘めい 国こく宗むね」の作風さくふうは鎌倉かまくら中期ちゅうきの太刀たち姿すがたですが、豪壮ごうそうさが見みられない代かわりに反そりの深ふかい品格ひんかくのある姿すがたです。常つねに備前びぜん伝でんを守まもり、丁子ちょうじ乱らん(ちょうじみだれ)を焼やき、丁子ちょうじ映うつり(ちょうじうつり)も現あらわれていますが、後世こうせいの相州あいしゅう伝でんの基本きほんとなる焼入やきいれ法ほうで、飛ひ焼しょう(とびやき)風ふうのところも現あらわれ、小しょう沸にえ(こにえ)も付つきます。
「太刀たち 銘めい 備州長船おさふね住じゅう成家なるいえ」は南北なんぼく朝あさ時代じだいの長船おさふね物ぶつのなかでは少すくない、逆ぎゃくがかった丁子ちょうじ乱みだれ(ちょうじみだれ)を焼やいています。小しょう板目いため肌はだが詰つみ、乱らん映うつりよく立たつ鍛きたえに、刃は文ぶんは丁子ちょうじに互の目め(ぐのめ)交まじり、足あし・葉は(よう)が頻しきり(しきり)に入はいり、総体そうたいに逆ぎゃくがかり匂におい口こう(においぐち)は締しまりごころ。中ちゅう反そり(なかぞり)で身幅みはばの広ひろい、堂々どうどうたる刀かたな姿すがたが目めを惹ひきます。
「短刀たんとう 銘めい 備州長船おさふね住じゅう長義ながよし 正平しょうへい十じゅう五ご年ねん五ご月がつ日び(名物めいぶつ 大坂おおさか長義ながよし)」の作風さくふうは、覇気はきに満みちた豪壮ごうそうな姿すがたに、相州あいしゅう備前びぜんの名なにふさわしい地ち刃ばの沸にえ(にえ)の強つよさが最大さいだいの特徴とくちょう。本ほん短刀たんとうにおいても、鍛きたえは板目いため肌はだ立だちごころに地ち沸にえ(じにえ)が付つき、刃は文ぶんも大だい乱みだれで足あし・葉はが入はいり、沸にえがよく付つき、砂すな流ながし・金筋きんすじがかかるなど、長義ながよしらしい華はなやかさが溢あふれる1振ふです。
「太刀たち 銘めい 備州長船おさふね住じゅう景けい光こう 正和しょうわ五ご年ねん十じゅう月がつ日び」の作風さくふうは、鎬造づくり(しのぎづくり)、庵あん棟とう(いおりむね)。腰こし反そり(こしぞり)の浅あさい姿すがたは、身幅みはば、長ながさ共ともに、景けい光こうらしい1振ふです。地ち鉄てつ(じがね)は、景けい光こうの特色とくしょくである小しょう板目いため肌はだ(こいためはだ)が細こまかに、沸にえ(にえ)、乱らん映うつり(みだれうつり)が見みられます。刃は文ぶんは、小しょう互の目め乱みだれ(こぐのめみだれ)で、足あし(あし)、葉は(よう)入はいる匂におい出来でき(においでき)の作風さくふうとなっています。
本ほん短刀たんとうは平たいら造づくり(ひらづくり)で三みっつ棟とう(みつむね)、内うち反そり(うちぞり)。茎くき(なかご)は生なまぶで振袖ふりそで風ふう(ふりそでふう)になっており、彫物ほりもの(ほりもの)は表ひょうに素す剣けん、裏うらに梵字ぼんじ(ぼんじ)があります。美うつくしく青あおく澄すんで潤うるおいのある地ち鉄てつ(じがね)も見みどころです。短刀たんとうの名手めいしゅと言いわれた新藤しんどう五ご国光こっこうの作風さくふうは沸にえ(にえ)本位ほんいの直ちょく刃は(すぐは)で、地ち沸にえ(じにえ)は厚あつく、地ち景けい(ちけい)が一いち面めんに現あらわれる鍛きたえとなっています。
現存げんそんする行光ゆきみつの刀かたなのうち太刀たちはすべて無銘むめい(むめい)で、在銘ざいめい作さくは短刀たんとうに限かぎられておりほとんどが内うち反そり風ふう(うちぞりふう)の姿すがたとなっているのは時代じだいの特色とくしょくです。平たいら造づくり(ひらづくり)で三みっつ棟とう(みつむね)、地ち沸にえ(じにえ)は厚あつく、地ち景けい(ちけい)が働はたらいており、帽子ぼうしは浅あさく流ながれて先さきが丸まるく返かえります。彫物ほりもの(ほりもの)は表ひょうに素す剣けん、裏うらは腰こし樋とい(こしび)と掻流し(かきながし)の添樋です。刃は文ぶん(はもん)は小湾こわんれ(このたれ)に互の目め(ぐのめ)交まじり。匂におい(におい)は深ふかく、沸にえ(にえ)がよく付つき、砂すな流ながし(すながし)や金筋きんすじ(きんすじ)がかかるのは行光ゆきみつの特徴とくちょうをよく表あらわしていると言いえるでしょう。
「刀かたな 銘めい 洛陽らくよう一いち条じょう堀ほり川住かわずみ藤原ふじわら国広くにひろ」の地ち鉄てつ(じがね)は、やや肌はだ立だちごころの堀川ほりかわ派は特有とくゆうの特徴とくちょうを備そなえ、潤うるおいに富とみ、板目いため肌はだ(いためはだ)に杢もく目め肌はだ(もくめはだ)を交まじえた鍛きたえ肌はだ(きたえはだ)に地ち沸にえ(じにえ)厚あつく付つき、地ち景けい(ちけい)も頻しきり(しきり)に入はいる変化へんかの妙みょうを見みせています。刃は文ぶん(はもん)は、浅あさい湾わんれ(のたれ)に小しょう互の目め(こぐのめ)を交まじえ、金筋きんすじ(きんすじ)・砂すな流ながし(すながし)がかかり、相州あいしゅう伝でんの沸にえ(にえ)の妙みょうを表現ひょうげん。明あかるく冴さえ渡わたった地ち鉄てつと刃は文ぶんは健全けんぜんで、慶長けいちょう打うち出色しゅっしょくの出来栄できばえであり、国広くにひろが作さく刀がたなしたなかでも稀まれに見みる傑作けっさくです。
「刀かたな 無銘むめい 貞宗さだむね」(かたな むめい さだむね)は南北なんぼく朝あさの典型てんけい的てきな体からだ配はい(たいはい)で、鍛きたえは小しょう板目いため(こいため)に地ち景けい(ちけい)入はいり、地ち沸にえ(じにえ)厚あつく、刃は文ぶん(はもん)は湾わんれ(のたれ)に足あし(あし)繁しげく入はいり、金筋きんすじ(きんすじ)・砂すな流ながし(すながし)しきりに入はいり、刃は中ちゅう明あかるく、匂におい(におい)深ふかく小しょう沸にえ(こにえ)が良よく付つきます。
「刀かたな 無銘むめい 伝でん志津しづ(黒田くろだ志津しづ)」は、身幅みはば(みはば)広ひろく、南北なんぼく朝あさ期きの特徴とくちょうである大だい鋒ほこさき/大切たいせつ先さき(おおきっさき)で、反そりやや深ふかく、覇気はきを感かんじさせる姿すがたです。地ち鉄てつ(じがね)は、板目いため肌はだ(いためはだ)に杢もく目め(もくめ)と流ながれ肌はだが交まじります。地ち沸にえ(じにえ)が厚あつく付ついて地ち景けい(ちけい)がよく入はいるのが特徴とくちょう。刃は文ぶん(はもん)は、小湾こわんれ(このたれ)に互の目め(ぐのめ)、丁子ちょうじ(ちょうじ)、尖とんが刃は(とがりば)が交まじります。打だ徐じょけ(うちのけ)・湯ゆ走はしり(ゆばしり)が頻しき(しき)りにかかり、物もの打だ辺あたりは焼しょう高たかめです。帽子ぼうし(ぼうし)は湾わんれこみ、先さきを掃はき掛かけて丸まるく返かえり、迫力はくりょくがあります。
「刀かたな 無銘むめい 伝でん安やす綱つな」は、大だい磨すり上じょう無銘むめい(おおすりあげむめい)でありますが、その鍛きたえは板目いため(いため)に大だい板目いためが交まじって肌はだ立たち、刃は文ぶん(はもん)は小しょう乱みだれ(こみだれ)に小しょう丁子ちょうじ(ちょうじ)が交まじり、刃は縁えん(はぶち)はほつれ、総体そうたいに沸にえ(にえ)は厚あつく付つき、砂すな流ながし(すながし)・金筋きんすじ(きんすじ)がかかり、湯ゆ走はしり(ゆばしり)が入はいるなど、古風こふうで優雅ゆうがさが感かんじられる地ち刃ばに、同工どうこうの特色とくしょくがよく現あらわれています。
「刀かたな 無銘むめい 伝でん江え」は、大だい磨すり上じょう無銘むめい(おおすりあげむめい)ですが、江こうと伝つたわる1振ふです。その鍛きたえは、小しょう板目いため肌はだ(こいためはだ)が詰つんで杢もく目め(もくめ)が交まじり、地ち沸にえ(じにえ)が細こまかに厚あつく付つき、地ち景けい(ちけい)もよく入はいっています。十分じゅうぶんに冴さえた地ち刃ばに、焼やき(やき)が深ふかく、乱みだれ込こんで沸にえ(にえ)崩くずれ、掃はきかけた帽子ぼうしなどの出来映できばえは、同工どうこうの極きめとなった作品さくひんのなかでも特とくに優品ゆうひんだと言いえる1振ふです。
「慶長けいちょう新刀しんとう型がた」と称しょうされる「刀かたな 銘めい 美濃みの守まもる藤原ふじわら政まさし常つね(花押かおう)」は、桃山ももやま文化ぶんかの気風きふうを感かんじさせる身幅みはば(みはば)の広ひろい姿すがたをしており、その刃は文ぶん(はもん)は、政せい常つねら「尾張おわり関せき」(おわりせき)の一派いっぱが得意とくいとする湾わんれ刃は(のたれば)であり、刃は中ちゅうに働はたらきが見みられる傑作けっさく。茎くき(なかご)に刻きざまれた花押かおう(かおう)も、政せい常つねにおいては珍めずらしい物ものです。
「刀かたな 銘めい 津田つだ越前えちぜん守まもる助広すけひろ 井上いのうえ真改しんかい」は、大坂おおさか新刀しんとうの双璧そうへきと称しょうされていた「津田つだ越前えちぜん守まもる助広すけひろ」(つだえちぜんのかみすけひろ)と、「井上いのうえ真改しんかい」(いのうえしんかい)による合作がっさく刀がたなです。本ほん刀がたなの作柄さくがらは、小しょう板目いため肌はだ(こいためはだ)がよく詰つんだ鍛きたえに、細こまかい地ち沸にえ(じにえ)が厚あつく付つき、刃は文ぶん(はもん)は、大だい互の目め(おおぐのめ)乱みだれに小湾こわんれ(のたれ)が交まじり、助広すけひろが創始そうしした濤瀾風ふう(とうらんふう)となっています。匂におい(におい)深ふかく、総そうじて砂すな流ながし(すながし)がかかり、鑢目(やすりめ)は大筋おおすじ違たがえ(おおすじかい)に化粧けしょうが付つくなど、助広すけひろの特色とくしょくがよく示しめされていることから、合作がっさくの際さいには助広すけひろが主導しゅどうであったことが窺うかがえるのです。
姿すがたは、時代じだいを反映はんえいした細身ほそみ、腰こし反そり(こしぞり)は高たかく先さき伏ふくしごころで小しょう鋒ほこさき/小しょう切先きっさき(こきっさき)。鍛きたえ(きたえ)は、板目いため(いため)に柾まさき(まさ)ごころの肌はだ交まじり、地ち沸にえ(じにえ)付ついてねっとりとした肌はだになり、刃は文ぶん(はもん)は直ちょく刃は(すぐは)に小しょう互の目め(こぐのめ)交まじり、匂におい口こう(においくち)うるみごころに小しょう沸にえ(こにえ)付つき、大おおきく焼やき落おとされた区く上じょうなどから、古ふるい九州きゅうしゅう物ぶつの特徴とくちょうがよく現あらわれています。
刀剣とうけん・日本にっぽん刀がたなの専門せんもんサイト「刀剣とうけんワールド」では、刀剣とうけんや甲冑かっちゅう、美術びじゅつ品ひんに関かんする記事きじの執筆しっぴつをお手伝てつだい頂いただける協力きょうりょくボランティアの方ほうを募集ぼしゅうします。
難解なんかいと思おもわれがちな刀剣とうけんや甲冑かっちゅう、美術びじゅつ品ひんの世界せかいを、分わかりやすく伝つたえていくために、皆様みなさまの知識ちしきや経験けいけんを活いかしてみませんか?
以下いかよりボランティアの応募おうぼや質問しつもんを承うけたまわっておりますので、お気軽きがるにお問合といあわせ下ください。
[問合といあわせをする]ボタンを押おすとご利用りようのメールソフトが表示ひょうじされます。メール本文ほんぶんの内容ないようをご確認かくにん・入力にゅうりょくの上うえ、送信そうしんをお願ねがい致いたします。
東建とうけんコーポレーション株式会社かぶしきがいしゃ 社長しゃちょう室しつ Webうぇぶ企画きかく課か
刀剣とうけんの専門せんもんサイト・バーチャル刀剣とうけん博物館はくぶつかん「刀剣とうけんワールド」のコンテンツ「刀剣とうけん難解なんかい辞典じてんⅡ(応用おうよう編へん)」のページです。 このページでは五箇ごか伝つたえの刀工とうこうによって作つくられた刀剣とうけんを、専門せんもん的てきな難解なんかい用語ようごを使用しようしながら解説かいせつしています。用語ようごの説明せつめいも見みられるので、知しらなかった刀剣とうけんの用語ようご・表現ひょうげんを学まなぶことも可能かのうです。刀剣とうけんの専門せんもんサイト・バーチャル刀剣とうけん博物館はくぶつかん「刀剣とうけんワールド」の掲載けいさい内容ないようは、刀剣とうけん・甲冑かっちゅうの基礎きそ知識ちしきをはじめ、日本にっぽん刀がたなの歴史れきしや雑学ざつがく、日本にっぽん刀がたなにまつわる歴史れきし人じんや合戦かっせん、名刀めいとうを生うみ出だした名工めいこう達たちの紹介しょうかいなど盛もりだくさん。日本にっぽん刀がたなに関かんするSNS、各種かくしゅアプリゲーム、刀剣とうけん・お城しろ川柳せんりゅう、四よん文字もじ熟語じゅくごといった楽たのしむコンテンツも充実じゅうじつ。刀剣とうけんや鎧兜よろいかぶとに関かんする様々さまざまな情報じょうほうを、あらゆる角度かくどからバーチャルの世界せかいでお楽たのしみ頂いただけます。