名刀の基礎知識をはじめ、戦国武将と日本刀の関係、日本刀づくりの概要、現代の刀匠紹介など、日本刀そのものの解説だけでなく、それの使い手・作り手にも焦点を当てており、全体的にバランスの取れた内容になっています。
また、全編オールカラーになっているため見やすく、各特集も興味深いものばかり。
例えば、本書の見どころは「天下五剣は、なぜ凄いのか」と言う特集。この中では「三日月宗近」(みかづきむねちか)・「童子切安綱」(どうじぎりやすつな)・「大典太光代」(おおてんたみつよ)・「鬼丸國綱」(おにまるくにつな)・「数珠丸」(じゅずまる)の5振が丁寧な解説とともに紹介。「どうしてこの5振が天下五剣なのか」、「各名刀達が歴史の中でどのように愛されてきたのか」がよく分かります。
さらに、所有者の流れも紹介されているため、来歴も一目で把握でき、刀の刃文(はもん)や茎(なかご)がどのような姿をしているのかも手に取るように分かることでしょう。