結局けっきょく量子りょうしコンピューターってなになの?

原子げんしよりもちいさな「粒子りゅうし世界せかい」の「不思議ふしぎなルール」(=量子力学りょうしりきがく)を活用かつようすることで、無数むすう可能かのうせい同時どうじかんがえ、“ただしいこたえ”をすばやく「かびがらせる」ことにけた計算けいさん──。ごくシンプルに量子りょうしコンピューターを表現ひょうげんするならば、おおよそこうなるだろうか。とはいえ「量子力学りょうしりきがくワカラナイ」「どんな原理げんりうごくのか想像そうぞうもつかない」というこえはまだまだこえてくる。なので、ほん記事きじではそのあたりはすっばし、それでも「量子りょうしコンピューターとはなになのか?」をつかんでもらうべく、解説かいせつこころみる!
結局、量子コンピューターって何なの?その仕組みをわかりやすく解説
PHOTOGRAPH: Timothée Lambrecq

量子りょうしもつれ──。たがいにからった2つの粒子りゅうしが、たとえ宇宙うちゅうてほどはなれていても、まるでテレパシーでつながっているかのように同時どうじ影響えいきょうおよぼし現象げんしょうのこと。

アインシュタインですら不気味ぶきみがるほどキテレツで、なんとなく直感ちょっかんにもはんするこの不思議ふしぎ現象げんしょうは、だからこそ、これまでさまざまなクリエイターたちの創造そうぞうりょくをおおいに刺激しげきしてきた。たとえば芸術げいじゅつ(ex.オラファー・エリアソンの「Quantum entangled ideas」)、映画えいが監督かんとく(ex.クリストファー・ノーランの『TENET テネット』)、SF作家さっか(ex.りゅう慈欣の『さんたい』)……。このリストに音楽家おんがくかくわえるならば、その筆頭ひっとうは、量子りょうしもつれをモチーフにした「Electricity」をした宇多田うただヒカルになるだろうか。

そんな「量子りょうしもつれ」にくわえ、かさわせ」や「量子りょうし干渉かんしょう」といった(これまた不可思議ふかしぎな)量子りょうし現象げんしょう活用かつようすることで、複雑ふくざつ迷路めいろのルートをいちぜんアタックするがごとく、多数たすう状態じょうたい可能かのうせい)を同時どうじ処理しょり──つまり古典こてんコンピューターでは到底とうてい不可能ふかのう規模きぼ並列へいれつ計算けいさん可能かのうにする計算けいさんマシン。それが、量子りょうしコンピューターだ。

PHOTOGRAPH: Timothée Lambrecq

その量子りょうしコンピューターのかくとなるのが、じつは「量子りょうしビット」といって……という具合ぐあいに、矢継やつばや専門せんもん用語ようご動作どうさ原理げんり解説かいせつはいっていくことがほん記事きじねらいではない。そのあたりはバサッと省略しょうりゃくし、「で、量子りょうしコンピューターっていったいなにができるわけ?」といった「カネのにおい」のするほうへとむことで、読者どくしゃ諸氏しょしけむいていきたい理解りかいふかめていきたいおもう。

さい有力ゆうりょくのアプリケーションは?

今回こんかい、カネのにおい、いわば「量子りょうしコンピューターのバリューチェーン」を解説かいせつしてくれるのは、量子りょうしコンピューター関連かんれんのスタートアップ・blueqatのCEO/CFOみなと雄一郎ゆういちろう。まずはみなとに、量子りょうしコンピューターに期待きたいされている「さい有力ゆうりょくのアプリケーション」をいた。

ILLUSTRATION: JOE OKADA

「よくある一般いっぱんてき解説かいせつでは、量子りょうしコンピューターの将来しょうらいてきなアプリケーションを4つに分類ぶんるいしていますが、ぼくは5つだとおもっています。まず、暗号あんごう独立どくりつした領域りょういきです。つぎ最適さいてき機械きかい学習がくしゅうは、『AI』というくくりで一緒いっしょにする場合ばあいもあります。

いちばん重要じゅうようなのは『シミュレーション』で、通常つうじょうはここをひとくくりにしているのですが、原子げんし分子ぶんし構造こうぞう計算けいさんし、おも化学かがくそうやく分野ぶんやでのイノベーションを目指めざす『量子りょうしシミュレーション』と、金融きんゆう流体りゅうたいといったもっとマクロなシミュレーションをになう『古典こてんシミュレーション』はけてとらえたほうがいいとぼくはおもっています。もちいるしきがまるでちがいますからね。

ちなみに、図版ずはんしるされているQPE やQAOAといったメモきは、それぞれの領域りょういき基盤きばんとなるアルゴリズムや手法しゅほうなので、になったら生成せいせいAI にでもいてみてください。

影響えいきょうおよぼしうるおも産業さんぎょう領域りょういきをまとめると──

暗号あんごう:サイバーセキュリティ、通信つうしん軍事ぐんじ技術ぎじゅつ
最適さいてき金融きんゆう物流ぶつりゅう、エネルギー、交通こうつう、サプライチェーン
機械きかい学習がくしゅう金融きんゆう取引とりひき医療いりょう診断しんだん製造せいぞうぎょう自動じどう
量子りょうしシミュレーションそうやく素材そざい開発かいはつ量子りょうし化学かがく、バッテリー、エネルギー
古典こてんシミュレーション生物せいぶつがく金融きんゆう流体りゅうたい気候きこうモデル、宇宙うちゅう

となるでしょうか」(みなと

量子りょうしコンピューターの“方式ほうしき”はおもに5つ

先程さきほど、「専門せんもん用語ようご動作どうさ原理げんり等々とうとう解説かいせつはいっていくことがほん記事きじねらいではない」としるしたばかりだけれど、やはり、量子りょうしコンピューターにおける「情報じょうほう基本きほん単位たんい」である「量子りょうしビット(qubit)」には、すこしだけれておきたいとおもう。

古典こてんコンピューター──パソコンやスマホといった日々ひびかせないガジェットから、てはハイパフォーマンスコンピューティング (HPC)にいたるまで──における情報じょうほう基本きほん単位たんいである「ビット」が、かならず「0」か「1」のどちらかであるのにたいし、量子りょうしビットは、「0」と「1」双方そうほう状態じょうたい──いわば「トスアップしたコインのように、0(オモテ)でもあり1(ウラ)でもある」状態じょうたい──をることができ、この状態じょうたいを「量子りょうしかさわせ」とぶ……ということはぜひさえておいてほしい。

ちなみに量子りょうしビットのことを「自然しぜんかいがこのなか記述きじゅつするさい使つかうことをめた“メモリー”」とった研究けんきゅうしゃもいたけれど、量子りょうし情報じょうほう記録きろく処理しょりするための最小さいしょう単位たんいである「量子りょうしビット」を構成こうせいする“物理ぶつりてき要素ようそ”は、電子でんしのスピン、イオンのエネルギー状態じょうたい光子こうしなど、量子りょうしコンピューターの方式ほうしきによってことなるとみなとはいう。

ILLUSTRATION: JOE OKADA

量子りょうしコンピューターの主要しゅよう方式ほうしきは、ちょう伝導でんどうイオントラップ中性ちゅうせい原子げんしシリコンスピン光量子こうりょうしの5つ。この5つは、おおきく『ひかりひかり以外いがい』に分類ぶんるい可能かのうです。ひかりは、なみ性質せいしつつよやすいので特殊とくしゅなんです。『ひかり以外いがい』をさらに分類ぶんるいすると、ともに電子でんし挙動きょどう活用かつようする『ちょう伝導でんどうとシリコン』ぐみと、原子げんしけいの『中性ちゅうせい原子げんしとイオントラップ』ぐみけられます。

ちなみに方式ほうしきによって、動作どうさ原理げんりはもちろん、マシンの構成こうせい要素ようそことなります。たとえば冷却れいきゃく制御せいぎょしの設計せっけいは、ちょう伝導でんどうとイオントラップとではまったく──それこそ水力すいりょく発電はつでん太陽光たいようこう発電はつでんくらい──ことなります。現在げんざいかく陣営じんえいきそっていますが、やがて淘汰とうたされ、いずれはいちきょう収斂しゅうれんされていくのではないかと個人こじんてきにはおもっています」(みなと

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製造せいぞう不可欠ふかけつ素材そざい技術ぎじゅつ

なるほど。量子りょうしコンピューターの「方式ほうしき」はおもに5つあり、方式ほうしきことなれば(量子りょうしビットを構成こうせいする“物理ぶつりてき要素ようそ”がことなれば)、水力すいりょく発電はつでん火力かりょく発電はつでんくらい動作どうさ原理げんりやマシンの構成こうせい要素ようそことなるのだと。では、それぞれの方式ほうしきにはどのようなサプライチェーンが構築こうちくされているのだろうか。ごくごくシンプルな見立みたてを、これまたみなともとめた。

ILLUSTRATION: JOE OKADA

ちょう伝導でんどうシリコンスピン場合ばあい使つか量子りょうしは『電子でんし』とまっているので、その周辺しゅうへん工学こうがくとく製造せいぞう冷却れいきゃく)が重要じゅうようになってきます。そのうち、ちょう伝導でんどう冷却れいきゃく使用しようするヘリウム3米国べいこくやカタール、半導体はんどうたい材料ざいりょうであるシリコン28はロシアといったかぎられた少数しょうすうくに依存いぞんしているので、地政学ちせいがくてきなリスクがつね存在そんざいします。

一方いっぽう中性ちゅうせい原子げんしイオントラップは、計算けいさん素子そしもちいる量子りょうし原子げんし』や『イオン』)の種類しゅるいまっていないので、その選択せんたくからスタートし、選択せんたくわせて周辺しゅうへん設備せつび(とりわけ重要じゅうようなのは真空しんくう技術ぎじゅつ)の最適さいてきはかっていきます。ちなみにイオントラップでは、これまでイッテルビウムが主流しゅりゅうとされてきましたが、最近さいきんはバリウムに注目ちゅうもくあつまっているようです。また中性ちゅうせい原子げんし場合ばあいは、現在げんざいルビジウムやセシウムなどが使つかわれているようです」(みなと

バリウム!? 人間にんげんドックも最近さいきんカメラが主流しゅりゅうになったので、もはや役割やくわり死語しご世界せかいへとたびだったのかとおもいきや、じつは、未来みらいしうる鉱物こうぶつのひとつにえらばれていたとは、なんだか感慨深かんがいぶかい。もうひとつ、おもわずうばわれたのが、ちょう伝導でんどう方式ほうしき(いまのところbetしているプレイヤーがもっとおお方式ほうしき)にはかせないというヘリウム3だ。ヘリウム3って、話題わだい機動きどう戦士せんしガンダム GQuuuuuuX』によってやくはん世紀せいきぶりに脚光きゃっこうびているジオンぐんのニュータイプ、シャリア・ブルが唯一ゆいいつ登場とうじょうする1979ねん放送ほうそうTVシリーズだい39はやくも言及げんきゅうされている、あのヘリウム3 のことですよね!?

ガンダムシリーズの正史せいし宇宙うちゅう世紀せいき(U.C.)」では、ヘリウム3の採掘さいくつといえば(シャリア・ブルも所属しょぞくした)木星もくせい船団せんだん仕事しごとだけれど、現実げんじつ世界せかいではいま、つきでの採掘さいくつ計画けいかくすすんでいる。なにも、量子りょうしコンピューターのためだけにヘリウム3の採掘さいくつ目指めざしているわけではないだろうが、「かぎられた少数しょうすうくに依存いぞんしているという地政学ちせいがくてきなリスク」の軽減けいげんにつながることは間違まちがいない。

量子りょうしコンピューター開発かいはつのバリューチェーンには、宇宙うちゅう開発かいはつふくまれている──。そんなビジョンのフレームを、もっていてもいいのかもしれない。

実験じっけん科学かがく計算けいさん科学かがくえる可能かのうせい

では実際じっさい量子りょうしコンピューター業界ぎょうかいにおいて2025ねんはどんな意味いみをもつとしになるのだろうか。楽天らくてんグループ常務じょうむ執行しっこう役員やくいんCDOをて、23ねん8がつより量子りょうしコンピューター開発かいはつ企業きぎょう「QuEra Computing(クエラ・コンピューティング)」のプレジデントをつとめる北川きたがわ拓也たくやはこう分析ぶんせきする。

「2025ねんは、量子りょうしコンピューターの技術ぎじゅつ革新かくしんがもういち段階だんかいすすとしになるとおもいます。AIでうと、24ねんにAlphaFold2がノーベル化学かがくしょう受賞じゅしょうしましたが、それに先駆さきがけ、17ねんTransformerモデルてきたときのようなタイミングに、いま量子りょうしコンピューターはあるとおもいます。25ねん今後こんご3〜5ねんけた重要じゅうようなステップのとしになるはずです」

北川きたがわによれば、量子りょうしコンピューターとは「化学かがく生物せいぶつがくといった『実験じっけん科学かがく(≒トライ&エラー)』を『計算けいさん科学かがく(≒シミュレーション)』にえうる技術ぎじゅつ」であり、それゆえ量子りょうしコンピューターは、つぎなる産業さんぎょう革命かくめい準備じゅんびするとされているという。

つまり、非常ひじょう優秀ゆうしゅう研究けんきゅうチームがなが時間じかん大量たいりょう予算よさんをかけて実験じっけんかえさないとブレイクスルーにはいたらない(どころか、そもそも「達成たっせいできるかどうかもわからない」)といった計算けいさん不可能ふかのうせいをはらむ実験じっけん科学かがくが、シミュレーションをかえぎょうなえる計算けいさん科学かがくへとシフトすることで、社会しゃかい実装じっそうまでのスピードなんひゃくまんばいはやくなるかもしれない……ということだ。前述ぜんじゅつの「さい有力ゆうりょくのアプリケーション」でいえば、量子りょうしシミュレーション」に該当がいとうする部分ぶぶんだ。

ではなぜ、量子りょうしコンピューターは実験じっけん科学かがく計算けいさん科学かがくえうるのかというと、それは、自然しぜん自体じたい根本こんぽんにおいて量子力学りょうしりきがくもとづいているからにほかならない。つまり、自然しぜんかい最小さいしょう単位たんいである原子げんし素粒子そりゅうしうごきは量子力学りょうしりきがくによって支配しはいされており、それが物質ぶっしつ性質せいしつ化学かがく反応はんのう生命せいめい現象げんしょうては宇宙うちゅう構造こうぞうにまで影響えいきょうおよぼしているのだから、その原理げんり使つかった計算けいさん量子りょうしコンピューターならば「なか」のデジタルツイン可能かのうなはずで、それをげられたなら、シミュレーション(≒計算けいさん)によって最適さいてきかいみちびすことが容易よういになりうる……というわけだ。

普段ふだんわれわれがらし、認識にんしきしているのはマクロな世界せかいなわけで、量子りょうしのふるまいなど認識にんしきするじゅつもないが、だからといって存在そんざいしていないわけではなく、じつ背後はいご重要じゅうよう役割やくわりたし、むしろ自然しぜんそのものをつかさどっているのが量子力学りょうしりきがくなのだとすれば、「量子りょうし世界せかい理解りかいし、その原理げんり使つかった計算けいさんマシン」を使つかうことと「自然しぜんふか理解りかいすること」が同義どうぎになるのは、われてみれば至極しごくとうまえのことといえる。

ちなみに、原子げんし素粒子そりゅうしのような極小きょくしょう世界せかい量子力学りょうしりきがく記述きじゅつされ、日常にちじょうてきなサイズの現象げんしょう古典こてん(ニュートン)力学りきがくでだいたい説明せつめいがつき、さらに宇宙うちゅうスケールになると、今度こんど相対性理論そうたいせいりろん必要ひつようになってくる(そして現代げんだい物理ぶつりがくは、ミクロな量子りょうし世界せかいとマクロな重力じゅうりょく世界せかい統一とういつする量子りょうし重力じゅうりょく理論りろん模索もさくつづけている)とおおまかに整理せいりできるので、おぼえておくといいかもしれない。

もうひとつ、あっというガラケーがスマホにわっていったように、量子りょうしコンピューターが従来じゅうらい古典こてんコンピューターにわっていく……ということはおそらくない。量子りょうしコンピューターは古典こてんコンピューターのえではなく、補完ほかんてき活用かつようされるはずだからだ。つまり、高度こうど難解なんかい問題もんだい高速こうそくくために活用かつようされるのが量子りょうしコンピューターで、日常にちじょうてきなタスク処理しょりは、今後こんご古典こてんコンピューターがになっていくことになるだろう。

じぶんごとのススメ

さて、グーグルが2024ねん12月に発表はっぴょうした新型しんがたプロセッサー「Willow」は、現時点げんじてんにおける最速さいそくスーパーコンピューターでもやく10秭(じょ)ねん(秭はちょうきょう、垓のつぎ単位たんいで、1のあとにゼロが25なら)かかる問題もんだい──量子りょうしコンピューターの性能せいのう評価ひょうかもちいられる「ランダム回路かいろサンプリング(RCS)」というベンチマーク問題もんだい──を5ふんいてみせたという。プロセッサーは105量子りょうしビットで、量子りょうしあやま訂正ていせい駆使くししたこの結果けっかは、量子りょうし超越ちょうえつせい示唆しさする画期的かっきてき成果せいかともわれている──といった「それっぽい」情報じょうほう一応いちおうしるしておく。

これからすうねんは、こうした「企業きぎょうめい有名ゆうめい無名むめいわず)」や「(想像そうぞういつかない)数字すうじ」をともなった量子りょうしコンピューター関連かんれんのニュースが頻繁ひんぱんうはずだが、あなたが開発かいはつ関連かんれん企業きぎょうのステークホルダーでもないかぎり、めるべきは「どの方式ほうしきちょう伝導でんどう・イオントラップ・中性ちゅうせい原子げんし・シリコンスピン・ひかり、もしくは「マヨラナ 1」など“それ以外いがい”)か」くらいなもので、それよりも、確実かくじつおとずれる量子りょうし時代じだい(クオンタム・エイジ)にけて、そのコンピューティングパワーを使つかって自分じぶんはどんなアイデアを実現じつげんしたいのかについて、ひたすらかんがつづけておくことを推奨すいしょうしたい。キラーアプリケーションも大事だいじだけれど、より重要じゅうようなのはキラーライフスタイルで、その想像そうぞうりょくからみちびされる未来みらい可能かのうせいは、おおいにしたことはないからだ。

たして、これからの社会しゃかいに、文化ぶんかに、産業さんぎょうに、量子りょうしコンピューターはいかなる変革へんかくをもたらすのか。ほん記事きじ、そして雑誌ざっし『WIRED』日本にっぽんばんVOL.56「Quantumpedia」特集とくしゅうが、確実かくじつこりうるおおきな変革へんかくを「じぶんごと」としてとらえ、「どうやってビッグウェーブをりこなしてやろうか」と想像そうぞうりょくはたらかせるきっかけになれば、なによりだ。


雑誌ざっし『WIRED』日本にっぽんばん VOL.56
「Quantumpedia」

従来じゅうらい古典こてんコンピューターが、「人間にんげん設計せっけいした論理ろんり回路かいろ」によって【計算けいさん定義ていぎする】ものだとすれば、量子りょうしコンピューターは、「自然しぜんそのものがもつ情報処理じょうほうしょりのリズム」──複数ふくすう可能かのうせいがゆらぐように共存きょうぞんし、それらが干渉かんしょうし、もつれいながら、最適さいてきかいへと収束しゅうそくしていくながれ──にることで、【計算けいさんす】アプローチととらえることができる。いいかえるなら、自然しぜん深層しんそうきざまれた無数むすう可能かのうわざと、われら人類じんるいとの“むす”になりうる存在そんざい。それが、量子りょうしコンピューターだ。そんな量子りょうしコンピューターは、これからの社会しゃかいに、文化ぶんかに、産業さんぎょうに、いかなる変革へんかくをもたらすのだろうか? たるべき「2030年代ねんだい(クオンタム・エイジ)」にけた必読ひつどくの「量子りょうし技術ぎじゅつ百科ひゃっか(クオンタムペディア)」!詳細しょうさいはこちら