【セックス編へん】アラサー女子じょしのリアルな悩なやみを産婦人科さんふじんか医いに相談そうだんしてみた

彼かれのことは大好だいすきだけど、セックスに満足まんぞくできない……そんな悩なやみを抱かかえた人ひともいるのではないでしょうか？　性交せいこう痛つうや感染かんせん症しょうなどお互たがいの体からだに関かんする不安ふあんや、「ちゃんと彼かれは気持きもちいいのかな？」という精神せいしん的てきな不安ふあんなど、二人ふたりの関係かんけいを良好りょうこうに保たもつための悩なやみは尽つきません。

そんな「セックス」についてのモヤモヤを抱かかえるアラサー女子じょしのリアルな悩なやみを、産婦人科さんふじんか医いの坂本さかもと愛子あいこ先生せんせいにぶつけてみました。

＜悩なやめるメンタル編へん＞彼かれとのセックスを楽たのしむためには？

――相手あいてが気持きもちいいのか気きになって行為こういに集中しゅうちゅうできません。うまくリラックスするにはどうしたら良よいですか？

お互たがいが本音ほんねを話はなし合あえる対等たいとうな関係かんけいになっていますか？　相手あいてがどう思おもっているのか、自分じぶんもどう思おもっているのか、話はなし合あえると良よいですね。

挿入そうにゅう行為こういだけがセックスではありません。オルガニズムに達たっするのは、二人ふたり同時どうじでなくても、相手あいてとの交互こうごでも構かまわないのではないでしょうか。本音ほんねを言いえる関係かんけいになって、お互たがいがストレスを感かんじずにMake Loveを楽たのしんでほしいと思おもいます。

――まったく性欲せいよくが湧わかずに、彼かれを困こまらせてしまうことが多々たたあります。性欲せいよくを掻かき立たてる方法ほうほうがあれば教おしえてほしいです。       

性欲せいよくが湧わかないという状況じょうきょうを彼かれに相談そうだんしてどうしたらいいかの代替だいたい案あんを二人ふたりで考かんがえられたら理想りそう的てきですね。

今いまは、女性じょせい向むけのセルフプレジャー用品ようひんなども売うっています。二人ふたりの満足まんぞくは二人ふたりでしか答こたえは出だせないもの。うまくフェムテック用品ようひんなどを利用りようしてみるのはどうでしょうか。

――彼氏かれしが早漏そうろうです。それは仕方しかたないのですが、私わたしが不完全ふかんぜん燃焼ねんしょうな部分ぶぶんがあり、心しんの置おきどころを見出みだせず困こまっています。相手あいてのことは好すきなので関係かんけいを終おわらせる気きはないのですが、どのように気持きもちを切きり替かえたら良よいでしょうか？

彼氏かれしが早漏そうろう、とのことですが、医学いがく的てきには、挿入そうにゅうから1分ふん以内いないに射精しゃせいする場合ばあいを『早漏そうろう』と定義ていぎしています。自分じぶんたちで改善かいぜんをはかれるメンズトレーニングカップというのがTENGAヘルスケアから発売はつばいされていますので、彼かれのトレーニングに一緒いっしょにつき合あってあげるのはどうでしょうか。

そして、あなた自身じしんが不完全ふかんぜん燃焼ねんしょうしていることを彼かれに伝つたえて、乗のり越こえる方法ほうほうを二人ふたりで見出みいだしてほしいと願ねがいます。

＜つらい痛いたみ編へん＞性交せいこう痛つうはどう対処たいしょする？

――何なん年ねんも性交せいこう痛つうに悩なやまされています。以前いぜん、ウォシュレットを使つかっている人ひとは濡ぬれにくいという意見いけんを聞きいたことがあるのですが、本当ほんとうなのでしょうか？

性交せいこう痛つうは、腟ちつ入口いりくち部ぶの痛いたみなのか、濡ぬれ不足ふそくなのか、腹腔ふくこうへの刺激しげき痛つうなのか、などによって対策たいさくが変かわります。

腟ちつ入口いりくち部ぶの痛いたみは挿入そうにゅう行為こうい自体じたいの不安ふあん感かんが主おもとなっていることが多おおく、濡ぬれ不足ふそくは閉経へいけい後ごや興奮こうふん不足ふそくなどで起おこりやすいです。腟ちつの奥おくやお腹なかの方ほうに響ひびく痛いたみは、子宮しきゅう内ない膜まく症しょうなどの病気びょうきが危惧きぐされます。いずれにしろ、程度ていどがひどければ受診じゅしんをおすすめします。

ウォシュレットは外そと陰部いんぶを洗浄せんじょうするものですので、濡ぬれやすさと関連かんれんしてるとは考かんがえにくいです。ビデのような腟ちつ内ないを洗浄せんじょうするものは、やりすぎると常つね在ざい菌きんのバランスを崩くずしますので乾燥かんそう感かんにつながると思おもいます。

――セックスの時とき、膣ちつの入いり口くち付近ふきんは濡ぬれているのですが、挿入そうにゅうをすると中なかがあまり濡ぬれておらず痛いたみを感かんじることがあります。なぜそのようなことが起おこるのでしょうか？

腟ちつ入口いりくち部ぶと腟ちつ内ないの湿潤しつじゅんが違ちがうというのは聞きいたことがありませんが、性交せいこう痛つうがあるためにそのように感かんじるのではないかと予想よそうされます。

診療しんりょうでは、乾燥かんそう感かんによる性交せいこう痛つうにはゼリーを紹介しょうかいすることが多おおいです。最近さいきんは、ゼリーたっぷりのコンドームも販売はんばいされています。そのようなグッズを使つかってみるのはどうでしょうか？　痛いたいのを我慢がまんしていると二に人にんとも満足まんぞくできないので、二人ふたりで色々いろいろと楽たのしんで試ためしてみると良よいかと思おもいます。

――セックス直後ちょくごや翌日よくじつに、子宮しきゅうのあたりが痛いたくなることがあります。時間じかんが経たてば治なおるのですが、病気びょうきの心配しんぱいなどはあるのでしょうか？

セックスをきっかけに起おこる腹痛はらいたはあり得えます。代表だいひょう的てきなものは卵巣らんそう出血しゅっけつといって、排卵はいらん後ごのタイミングで卵巣らんそうからの出血しゅっけつが多おおくなり、腹腔ふくこう内ない出血しゅっけつを起おこすものです。

他ほかにも、子宮しきゅう内ない膜まく症しょうやクラミジア感染かんせんなども下腹かふく痛つうの原因げんいんになり得えます。痛いたみがひどかったり、頻しき回かいだったりするのであれば、一度いちど受診じゅしんすることをおすすめします。

＜こわい感染かんせん症しょう編へん＞セックスには病気びょうきのリスクがあるの？

――セックスをするのは好すきなのですが、感染かんせん症しょうなどの病気びょうきがこわいです。感染かんせん対策たいさくのために気きをつけることや、考かんがえられる感染かんせん源げん・病気びょうきのリスクなど教おしえてください。

セックスに対たいするリスクは、妊娠にんしんと性せい感染かんせん症しょうです。

医学いがく的てきな妊娠にんしん・出産しゅっさん適齢てきれい期きは22～26歳としです。しかし、女性じょせいの初婚しょこん年齢ねんれいが平均へいきん30歳としを超こえている現代げんだいでは、結婚けっこんした時点じてんでそれを超こえています。37歳としを過すぎると不妊ふにん治療ちりょうをしても妊娠にんしん率りつは低下ていかし、流産りゅうざん率りつが上あがります。妊娠にんしんしやすい年齢ねんれいは意識いしきしておいてほしいです。

また、感染かんせん症しょうに関かんしては、定期ていき的てきにお互たがいに検査けんさをするのも一ひとつの方法ほうほうです。最近さいきんは、コロナ感染かんせんの自己じこ検査けんさの様ように、性せい感染かんせん症しょうも自分じぶんで検体けんたいを採取さいしゅして郵送ゆうそうして検査けんさができるキットも売うっています。保健所ほけんじょで無料むりょうかつ匿名とくめいで受うける方法ほうほうや、人間にんげんドックとして感染かんせん症しょうチェックを受うけるコースを準備じゅんびしている医療いりょう機関きかんもあります。もちろん疑うたがう症状しょうじょうがあっての受診じゅしんでは、保険ほけん診療しんりょうとしてどこの産婦人科さんふじんかでも検査けんさ・治療ちりょうができます。

感染かんせんを防ふせぐには、挿入そうにゅうの最初さいしょからコンドームを使つかうこと。女性じょせいは性器せいきよりも咽頭いんとうに感染かんせんしている可能かのう性せいが高たかい、という文献ぶんけんもあるため、口腔こうくう性交せいこうでも使つかいやすい味あじつきコンドームも使つかうのも検討けんとうしてみてください。そして、感染かんせんの機会きかいを減へらすために、パートナーを特定とくていすることも大切たいせつです。

性せい感染かんせん症しょうは数多かずおおくありますが、男性だんせいに多おおいのは「クラミジア」と「淋菌りんきん」、女性じょせいに多おおいのは「クラミジア」です。クラミジアは女性じょせいの腹痛はらいたや不ふ妊にんの原因げんいんになります。クラミジアも淋菌りんきんも、治療ちりょうが簡便かんべん化かされており、１回かい飲のむだけ、または１回かい点滴てんてきするだけ、です。

HPVという子宮しきゅう頸がんに関係かんけいする感染かんせん症しょうにも注意ちゅういが必要ひつようです。2025年としまでの3年間ねんかんは、打うちそびれた年代ねんだい（高校こうこう2年とし生せい～25歳としまで）の人ひとなら、無料むりょうでキャッチアップ接種せっしゅが受うけられます。3回かいで5万まん円えんのワクチンが無料むりょうで受うけられるので、該当がいとうする人ひとは各かく自治体じちたいに問とい合あわせてみてください。

そして、20歳とし以上いじょうなら子宮しきゅう頸がん検診けんしんのお知しらせが各かく自治体じちたいから来くると思おもいますが、検診けんしんも婦人ふじん科かを受診じゅしんする良よい機会きかいです。ぜひ、機会きかいがあるごとに婦人ふじん科かを受診じゅしんをして、女性じょせい器きのメンテナンスと基礎きそ知識ちしきを得えてほしいと思おもいます。早はやいうちから、生理せいり調節ちょうせつや避妊ひにん、妊にん活かつ準備じゅんびなど、将来しょうらいに備そなえたケアをしておくことをおすすめします。

（監修かんしゅう：坂本さかもと愛子あいこ、イラスト：爽あゆみ）

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※この記事きじは2022年ねん11月08日にちに公開こうかいされたものです