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Access Accepted第764回:発売時の低評価を覆すゲームが増えてきた気がする件
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印刷2023/07/24 08:00

業界ぎょうかい動向どうこう

Access Acceptedだい764かい発売はつばいてい評価ひょうかくつがえすゲームがえてきたがするけん

画像集 No.005のサムネイル画像 / Access Accepted第764回:発売時の低評価を覆すゲームが増えてきた気がする件



 てい評価ひょうかつづ状況じょうきょうから,頻繁ひんぱんなアップデートをおこないコミュニティをサポートしたことでこう評価ひょうか作品さくひんといえば,「No Man’s Sky」がげられる。また,「サイバーパンク 2077」はリリースから2ねん8かげつた2023ねん7がつになって,PCばんのSteamでの評価ひょうかが「非常ひじょう好評こうひょう」になった。ながあそべるゲームが飽和ほうわ状態じょうたいにある昨今さっこんだが,発売はつばい当初とうしょ評価ひょうか逆転ぎゃくてんするパターンが,徐々じょじょえてきているようだ。



いまだにアップデートがつづけられている「No Man’s Sky」の成功せいこうのレシピ


 最近さいきん発売はつばいされるゲームは,シングルプレイ専用せんようでも頻繁ひんぱんなアップデートによって徐々じょじょにゲームプレイやゲーム体験たいけん向上こうじょうしていくことがえてきた。リリース直後ちょくごはバグがおおい“なみ”なゲームであっても,コミュニティにささえられるかたちでゲームがおおきく改善かいぜんするというケースもめずらしくない。また,「アーリーアクセス」という未完成みかんせいなゲームに先行せんこう投資とうしすることを躊躇ちゅうちょするゲーマーもってきているようにかんじる。

 もっとも,発売はつばいまえ期待きたいたかかったり,有名ゆうめいなメーカーであったりするほど,その期待きたいこたえられなかった場合ばあい反動はんどうおおきい。その不満ふまんひくいレビュー評価ひょうかやSNSでの辛辣しんらつなコメントというかたち表面ひょうめんするケースをなんてきた。

 そうなると,上層じょうそう投資とうしのプレッシャーによってつぎ作品さくひん続編ぞくへん開発かいはつへと社内しゃないリソースをえたり,「Lord of the Rings: Gollum」のように,チームごと解散かいさんしたりするようなこともある。

Hello Gamesのショーン・マレー
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 そんな苦境くきょうったことで記憶きおくされるゲームといえば,イギリスのHello Gamesによる「No Man’s Sky」がげられるだろう。個々ここのプレイヤーがあたらしいエリアに到達とうたつするたびに,様々さまざまなパターンを大気たいき地形ちけい,そこに生息せいそくしている動植物どうしょくぶつまでもが自動じどう生成せいせいされることにより,1844きょう6744ちょう737おく955まん1616にもおよ天体てんたいつくすというゲームシステムに注目ちゅうもくあつまっていたゲームだ。
 たった4にんでスタートしたプロジェクトだが,開発かいはつ終了しゅうりょう時点じてんでも16にんほどのメンバーしかいなかったHello Gamesは,2016ねんもっと注目ちゅうもくされるスタジオになった。

 しかし,発売はつばいまえ宣伝せんでん利用りようされていたような巨大きょだいなサンドワームやりゅうあしるいふう生物せいぶつなどが生成せいせいされることはほとんどなく,どの天体てんたいっても殺伐さつばつとした風景ふうけいひろがり,たようなクリーチャーしかいなかったのだ。明確めいかく目的もくてき提示ていじもなく,オープンぎるゲームデザインが間延まのびしたゲームプレイとなってしまったことや,インディゲームとしてはいまでもめずらしいフルプライス(59.99ドル)という価格かかく影響えいきょうして,おおきな批判ひはんけた。

 その顛末てんまつは,Hello Gamesのフロントマンとしてさらされつづけたショーン・マレー(Sean Murray)による講演こうえん[GDC 2019]「No Man’s Sky」をしたHello Gamesのショーン・マレーかす,だい炎上えんじょうったプログラマーらしい思考しこうほう」にくわしくかたられているとおりだ。

 「毒気どくけのあるゲーマーたちのうち80〜90%はゲームを購入こうにゅうしてさえいなかった」というデータてき事実じじつはともかく,「なぜ自分じぶんはゲームをつくるのか」という自問じもんたいして,「自分じぶんのゲームをたのしんでいるひとることがきだから」という信念しんねんによって,その地道じみち改良かいりょうやアップデートをつづけている。

ローンチ当初とうしょおおきく批判ひはんされた「No Man’s Sky」は,これまでにタイトルきの大型おおがたアップデートだけでも37ほん公開こうかいされており,すべて無料むりょうだ。その努力どりょく作品さくひんあいには脱帽だつぼうするが,そろそろ新作しんさくかってもいとおもうゲーマーもすくなくないはず
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「Destiny 2」は2度目どめ起死回生きしかいせいこせるか?


 そうしたHello Gamesの活動かつどうについては,とう連載れんさいだい684かいそこからがってきたゲーム。開発かいはつしゃあいとファンの期待きたい」でもれているが,「No Man’ Sky」のすごいところは,ローンチから7ねん名前なまえけられているものだけで37さくにもなるDLCがリリースされているが,すべて無料むりょうなうえにゲームないでのアイテム課金かきんおこなわれていないことだ。

 Nintendo SwitchばんやMacばんをリリースすることで販路はんろひろげることはあれど,定期ていきてきなコンテンツアップデートを真摯しんしつづけることで,自分じぶんたちの創作そうさくぶつを“きたゲーム”としてあつかっている。こいうった職人しょくにん気質きしつ開発かいはつしゃたち応援おうえんしているファンもすくなくないだろう。

 おなじような起死回生きしかいせいは,Bungieの「Destiny 2」でもあった。「[GDC 2022]「Destiny 2」が不振ふしんからカムバックできた背景はいけいには,ゲーム開発かいはつかんする根本こんぽんてき意識いしき改革かいかくがあった」で,Bungieのゼネラルマネージャーであるジャスティン・トゥルーマン(Justin Truman)によって解説かいせつされているように,「Destiny 2」は2018ねん2がつにローンチしてから15週間しゅうかんほど経過けいかした時期じきさかいに,WAU(週間しゅうかんアクティブユーザーすう)がはじめたという。

 評価ひょうかは”悪評あくひょう“とばれるようなものではなかったが,「あと5週間しゅうかんもこの状態じょうたいつづけば,サービスを終了しゅうりょうする決断けつだんをしなければならない」というほどだったそうだ。

 Bungieは,Hello Gamesの10ばいにもなる1550にんという規模きぼ組織そしきであり,経営けいえいたいする決断けつだん迅速じんそくでなければならなかったはずだ。結果けっかとして,“ライブゲームの運営うんえい”という意識いしき改革かいかく社内しゃないおこなうことでり,Sony Interactive Entertainmentに買収ばいしゅうされるほど,その経営けいえい方針ほうしん注目ちゅうもくされることになった。

 「Destiny 2」については後日ごじつたんがあり,2023ねん3がつひかり終焉しゅうえん」(Lightfall)のリリース以降いこう,アクティブプレイヤーすう急激きゅうげき下降かこうせんをたどり毎月まいつき10%以上いじょう減少げんしょうつづけている。サーバーの不安定ふあんていせいというテクニカルな問題もんだいがその背景はいけいにあるようだが,6がつまつ公開こうかいされた公式こうしきブログエントリーで,近日きんじつちゅう修正しゅうせいおこなうとともに,今後こんごのロードマップを公開こうかいする予定よてい発表はっぴょうされた。その手腕しゅわんふたたためされることになりそうだ。

みな評価ひょうか反転はんてんさせてコアなゲーマーの定着ていちゃくりつたかい「Destiny 2」だったが,「ひかり終焉しゅうえん」のリリースではじまったテクニカルな問題もんだいをどのようにっていくのかにも注目ちゅうもくあつまる
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大型おおがた作品さくひんから個人こじんプロジェクトまで,あきらめない開発かいはつしゃ態度たいど


 また,2020ねん12月にリリースされたCD PROJEKT REDの「サイバーパンク 2077」も,テクニカルな問題もんだいでローンチ当初とうしょかられた作品さくひんだ。「ウィッチャー」シリーズの開発かいはつチームの新作しんさくというだけあって,E3やgamescomなどのイベントを中心ちゅうしんにした2ねん以上いじょうにわたるプロモーションでコミュニティはがったが,PlayStation 4やXbox Oneのきゅう世代せだいばん不具合ふぐあいあふれたままリリースされ,平均へいきん以下いか評価ひょうかた。さらに,リリースまえから社内しゃない雇用こよう問題もんだいどう時期じき発覚はっかくし,株価かぶかおおきくとすことになる。

 CD PROJEKTの設立せつりつしゃはローンチからの数日すうじつあいだで10おくドルもの資産しさんうしなうことがBloombergなどでほうじられるなど,ゲーム業界ぎょうかい内外ないがいでの評判ひょうばん低下ていかさせた。

ローンチ直後ちょくごのCD PROJEKT REDの幹部かんぶによる謝罪しゃざいメッセージは翻訳ほんやくもされて公開こうかいされたが,それも日本にっぽん市場いちば無視むししない真摯しんし態度たいどといえるだろう
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 「サイバーパンク 2077」のローンチにから問題もんだいは,「ウィッチャー 3: ワイルドハント」よりも2ばい開発かいはつチームになるという急激きゅうげき組織そしき拡大かくだい対応たいおうれておらず,おおきく改良かいりょうされたゲームエンジンへの順応じゅんのうにも時間じかんがかかってしまい,バグ修正しゅうせいわらせることなく見切みき発進はっしんしたことが,そのおおきな要因よういんだったようだ。これについて,CD PROJEKT REDは幹部かんぶ連名れんめい謝罪しゃざいぶん公開こうかいするとともに(関連かんれん記事きじ),理由りゆう不問ふもん返金へんきんにもおうじるなど,真摯しんし姿勢しせい対応たいおうつづけた。

 そんな「サイバーパンク 2077」は,発売はつばいから2ねん8かげつ経過けいかした今月こんげつ(2023ねん7がつ),Steamでのレビュー評価ひょうか非常ひじょう好評こうひょう」に到達とうたつした。もちろん,ふたたがるかもしれないが,90%以上いじょうがポジティブな評価ひょうかをつけた「圧倒的あっとうてき好評こうひょう」まで進化しんかする可能かのうせい十分じゅうぶんにあるだろう。筆者ひっしゃ先日せんじつ久々ひさびさにアクセスしてみたが,現時点げんじてんにおいてもげん世代せだい最高峰さいこうほう作品さくひんの1つであるのは間違まちがいない。

 「No Man’s Sky」「Destiny 2」,そして「サイバーパンク 2077」ほど有名ゆうめいなゲームではないが,2020ねん11月にリリースされた,イギリスのSteel Arts SoftwareによるアクションADV「Grey Skies: A War of the Worlds Story」は,H.G.ウェルズのSF小説しょうせつ宇宙うちゅう戦争せんそう」をテーマにしながらも発売はつばい当初とうしょのセールスが低迷ていめい。リリースなんかホットフィックスがリリースされるも最後さいごのアップデートは2021ねん1がつと,ほぼ“わすれられた作品さくひん”となっていた。その評価ひょうかは,111にんから「やや不評ふひょう」という程度ていどだ。

 それが7がつ16にちになって突然とつぜん,ソロデベロッパであるネイサン・スティードハウス(Nathan Steedhouse)によるメッセージがSteamニュースに公開こうかいされた。スティードハウスは,これまで「ゲーム開発かいはつつづけられない個人こじんてき理由りゆう」によってアップデートもできない状態じょうたいであったことを謝罪しゃざいし,あらたなゲームエンジンでのリマスターばん開発かいはつ宣言せんげん現行げんこうばん購入こうにゅうみのひと無料むりょうでアップグレードされると発表はっぴょうした。

 ローンチ当初とうしょ不評ふひょう理由りゆう様々さまざまだが,ゲーマーの期待きたい裏切うらぎるような内容ないよう完成かんせいいちじるしくひくいことがおおきな要因よういんになる傾向けいこうがある。そこからどのように自分じぶん作品さくひんい,ライブサービスとして向上こうじょうさせていくのか,どんな修正しゅうせいくわえて顧客こきゃく納得なっとくさせるかというという開発かいはつしゃ姿勢しせいによって,そのゲームがおおくのひとしんきざまれるものになるのかどうかがわってくる。

 大量たいりょうのゲームが市場いちば投下とうかされるだけでなく,ながあそべるゲームが飽和ほうわ状態じょうたいにある昨今さっこんだが,こうした開発かいはつしゃあいによって評価ひょうか好転こうてんしていくパターンも,徐々じょじょえてきている。最初さいしょから好評こうひょうるにしたことはないが,一度いちど失敗しっぱいしても,そこからがってくる開発かいはつしゃたちには,すなおにエールをおくりたい。


ネイサン・スティードハウスが,2ねんはん放置ほうちされていた「Grey Skies: A War of the Worlds Story」について突然とつぜん謝罪しゃざいぶん公開こうかい。リマスターばんがゲーマーコミュニティにどうめられるのかに注目ちゅうもくしたい
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著者ちょしゃ紹介しょうかい奥谷おくたに海人かいじん
 4Gamer海外かいがい特派とくはいん。サンフランシスコ在住ざいじゅうのゲームジャーナリストで,ほん連載れんさい奥谷おくたに海人かいじんのAccess Accepted」は,2004ねん開始かいし以来いらい,4Gamerでもっとながつづ連載れんさい記事きじ欧米おうべいゲーム業界ぎょうかいいもおおく,またゲームイベントの取材しゅざいなどをつうじて,欧米おうべいゲーム業界ぎょうかいの“いま”をウォッチしつづけている。
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    Destiny 2

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