［プレイレポ］「メタファー：リファンタジオ」には，アトラスのRPGの“これまでのいろいろ”が詰つまっていた！　世界せかい最速さいそく試ためし遊ゆう版ばんを先行せんこう体験たいけん

　アトラスが2024年ねん10月がつ11日にちに発売はつばいを予定よていしている「メタファー：リファンタジオ」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4）は，2016年ねんにアトラスが設立せつりつしたスタジオ・ゼロの完全かんぜん新作しんさくRPGだ。

　同どうスタジオのディレクター＆クリエイティブプロデューサーである橋野はしの 桂かつら氏しに，アトラス アートワークチームのデザイナー副島そえじま成しげる記き氏し，サウンドコンポーザーの目黒めぐろ将司まさし氏しといった「ペルソナ」シリーズの開発かいはつ陣じんが集結しゅうけつ。「PROJECT Re FANTASY」というプロジェクト名めいでの発表はっぴょう（関連かんれん記事きじ）から7年ねん以上いじょうが過すぎたいま，待まちに待まったリリース日びを迎むかえようとしている。


　そんな注目ちゅうもくの新作しんさくRPGを試こころみ遊ゆうする機会きかいを得えたので，さっそくレポートしたい。今回こんかい体験たいけんしたのはXbox Series X|S版ばんで，ベルサール秋葉原あきはばらで本日ほんじつ（2024年ねん6月がつ8日にち）と6月がつ9日にちの2日にちにわたって開催かいさいされる「アトラスフェス」の“世界せかい最速さいそく試ためし遊ゆう版ばん”と同おなじ内容ないようだ。

「メタファー：リファンタジオ」公式こうしきサイト

まずは「メタファー：リファンタジオ」の世界せかいを知しるためシナリオモードを体験たいけん

　試ためし遊ゆう版ばんは，物語ものがたり冒頭ぼうとうのシナリオ，ダンジョンの探索たんさく，ボスとの戦闘せんとうをそれぞれ体験たいけんできる3つのモードに分わかれていた。アトラスフェスではこのどれか1つを最大さいだい15分ふんプレイできる。

こちらが試ためし遊ゆう時じのモード選択せんたく場面ばめん。各かくモードはすべて製品せいひん版ばんのひとくだりをそのまま切きり出だしたのではなく，この試ためし遊ゆう版ばんのためにさまざまな要素ようそを持もってきて再さい構成こうせいしたものとのこと。もちろんモード選択せんたく画面がめんもこのためのもので，参加さんか者しゃに少すこしでもゲームの特徴とくちょうを知しってもらおうという初はつ試ためし遊ゆうに向むけた意気込いきごみを強つよく感かんじる

　今回こんかいの試ためし遊ゆうではまず，「基本きほん的てきな操作そうさを覚おぼえるならこれを！」と勧すすめられた，シナリオモード「アーキタイプの覚醒かくせい」に挑戦ちょうせん。どうやら貴族きぞくの青年せいねんであるストロールとともに，北部ほくぶ国境こっきょうの砦とりでという名なのダンジョンを探索たんさくするということらしい。
　とくに細こまかい説明せつめいはないが，しかし何なにかが起おきている……と感かんじさせてくれる，想像そうぞうの余地よちのあるシナリオ冒頭ぼうとうが進すすむ。


　といわけでさっそく砦とりでへと足あしを運はこぶと……。

……おっ

……おおおっ！

　いきなりのアニメーションによるムービー！　すでに公式こうしきサイトやムービーなどを見みている人ひとは，ゲームのキャラクターモデルのスムーズな動うごきをチェック済ずみだと思おもうが，当然とうぜんながらにアニメーションもめちゃめちゃ動うごく。
　ムービーが終おわると，あたり一いち面めんは血ちの海うみに。どうやら砦とりでは，“ニンゲン”と呼よばれる異形いぎょうの者ものたちによって壊滅かいめつ状態じょうたいに陥おちいってしまったようだ。主人公しゅじんこうたちは生いき残のこりを探さがすために，ニンゲンが跋扈ばっこする砦とりでの中なかを探索たんさくすることになる。

画面がめん内ないには乱みだれ飛とぶ血潮ちしお。弾ひけ飛とぶ命いのち。いきなりの衝撃しょうげき的てきな展開てんかいに，冒頭ぼうとうからガッと心臓しんぞうを掴つかまれたような思おもいだ

　敵てきがいるということは，もちろん戦闘せんとうもある。そりゃ当あたり前まえなのだが，本ほん作さくの戦闘せんとうは，さまざまな要素ようそや仕組しくみとそれらの組くみ合あわせが，当あたり前まえなことを当あたり前まえにしない，プレイヤーを飽あきさせないものとなっているのだ。
　それはバトルが始はじまる前まえから始はじまっている。本ほん作さくはシンボルエンカウントのコマンドバトル方式ほうしきで，ダンジョンのあちこちで敵てきがウロウロしている。これを叩たたくことでバトルを有利ゆうりに進すすめられる。
　このあたりは近年きんねんのアトラスのRPGでは定番ていばんではあるが，ただ“叩たたいて先制せんせい”というわけではない。

ニンゲンと呼よばれる異形いぎょうたち。一見いっけんただの（？）怪物かいぶつだが，よく見みるとその一部いちぶに人体じんたいのような部分ぶぶんがあるし，名前なまえはホモ・○○となっているし，我々われわれニンゲンとの関連かんれん性せいも気きになる

　さらに詳くわしく説明せつめいすると，攻撃こうげきを与あたえることで敵てきのブレイクゲージを削けずれる。ゲージをすべて削けずると敵てきは気絶きぜつ状態じょうたいとなり，コマンドバトルに移行いこうしたとき“先制せんせい攻撃こうげき＆敵てきが気絶きぜつ状態じょうたいで行動こうどう不能ふのうになる”という大おおきなアドバンテージを獲得かくとくできるのだ。
　もちろん敵てきもただ殴なぐられているだけではなく，こちらに襲おそい掛かかってくる。攻撃こうげきを食くらうと敵てきに有利ゆうりな条件じょうけんで戦闘せんとうが始はじまるため，場合ばあいによっては危機きき的てきな状況じょうきょうに陥おちいることもあるので注意ちゅういが必要ひつようだ。

少すこし小ちいさくて見みえにくいかもしれないが，攻撃こうげきがヒットしているあたりに表示ひょうじされているのがブレイクゲージ。背後はいごから不意ふいを突つくと多おおく削けずれるといったように，攻撃こうげきする状況じょうきょうや位置いち取とりによって“削けずりやすさ”が変かわる

　相手あいての動うごきを読よみ，攻撃こうげきをかわしつつ一いち撃げきを加くわえていく。うまくゲージを削けずりきって気絶きぜつ状態じょうたいにできると，「ピキィーン！」と気持きもちいい効果こうか音おんが鳴なってコマンドバトルへと移行いこうする。
　これがアクションの操作そうさ感かんはもちろん演出えんしゅつも相あいまって非常ひじょうに爽快そうかい。やみつきになりそうだ。

戦闘せんとうに入はいる前まえに攻撃こうげきを与あたえて有利ゆうりな状況じょうきょうを作つくる。真しん・女神めがみ転生てんせいやペルソナなどアトラスのRPGではおなじみのものだが，それらをさらに“アクション感かん”をアップさせたような感かんじ

　これをいかにうまく決きめるかでバトルの展開てんかいがかなり変かわるが，なにがなんでもこれを決きめなければならないわけではない。アクション操作そうさがあまり得意とくいではないという人ひとは，不利ふりな状況じょうきょうでバトルが始はじまらないようにだけ気きを付つけてコマンドバトルに挑いどめばいい。


　なお，筆者ひっしゃの気絶きぜつ状態じょうたいにまで持もち込こめた成功せいこう率りつは6割わりぐらいだった。ただこれは単純たんじゅんに筆者ひっしゃの腕うでの問題もんだいで，システム的てきに難むずかしいということはない。ゲームを進すすめると想像そうぞうできないトリッキーな動うごきをする敵てきなんかも出でてきそうだが，コツコツとダンジョンに潜もぐっているうちに仕組しくみは掴つかめるはず。

先制せんせい攻撃こうげきを決きめて敵てきをぶっ飛とばす。この一連いちれんの流ながれがとてもかっこいい

って言いいながらあまりうまく決きめられない筆者ひっしゃ。同行どうこうした担当たんとう編集へんしゅう（コアなアトラスRPGプレイヤー）の冷ひややかな視線しせんを感かんじながらも，しかし挑戦ちょうせんしたくなる。だってそれは……

気絶きぜつから戦闘せんとうに持もち込こんだときの爽快そうかい感かんを味あじわいたいから！　かっこいい「ピキィーン！」の演出えんしゅつを見みたいから！

　そうこうするうちに，砦とりでの最さい上部じょうぶへとたどり着ついた。どうやらここに，砦とりでへと進攻しんこうしてきたニンゲンの親玉おやだまがいるらしい。ということで，ムービーから強敵きょうてき相手あいてのコマンドバトルに。この辺あたりの演出えんしゅつも実じつにドラマチックで，なんかヤバいのきた……という緊張きんちょう感かんの高たかまりがすごかった。

演出えんしゅつはビジュアルエフェクトはもちろん文字もじの使つかい方かたもオシャレ。ペルソナがベースにあることは感かんじられるけど，それとはまったく違ちがう雰囲気ふんいき。それにしてもまがまがしい姿すがただ

　コマンドバトルについてはこのあとの2つのモードで紹介しょうかいするとして，シナリオモードでは，ボスを倒たおしたのちに主人公しゅじんこうのアーキタイプが目覚めざめるムービーが流ながれた。このムービーがこれまたかっこいい。

ペルソナへの目覚めざめな感かんじもあるけど，それとはまた違ちがう主人公しゅじんこうの覚醒かくせいシーン

　……って，アーキタイプってなに？　なんか人間にんげんとは異ことなる姿すがたに変身へんしんしちゃったけど！　イベントの会話かいわによると，主人公しゅじんこうが内うちに秘ひめている英雄えいゆう像ぞうへと変身へんしんしたものだそうだけど。ううむ，謎なぞだ。

　そうこう言いっているうち，1つめのモードの試ためし遊ゆうが終了しゅうりょう。おぞましくもかっこいい世界せかい観かん，美麗びれいなムービー，アクションとコマンドバトルが融和ゆうわした戦闘せんとうなどを体験たいけんできた。いやしかし，本ほん作さくの世界せかいと物語ものがたりにくぎ付づけとなる，あっという間あいだの15分ふんだった……。

なんとなく雰囲気ふんいきはつかめたけど，それ以上いじょうに謎なぞが深ふかまって本ほん作さくへのさらなる興味きょうみがわいてくる。そんな絶妙ぜつみょうな塩梅あんばいの試ためし遊ゆうモードだった

メタファーのさらなる深淵しんえんへ。占拠せんきょされた大だい聖堂せいどうでダンジョン探索たんさく

　次つぎはダンジョン探索たんさくをメインとしたモード「占拠せんきょされた大だい聖堂せいどう」。死人しにん使づかいといういかにも怪あやしい者ものの企たくらみを阻止そしするべく，敵てきが大勢おおぜいはびこる大だい聖堂せいどうの地下ちかへとやってきた主人公しゅじんこうたちは，そこでパリパス族ぞくの女性じょせいと出会であう。


　どうやらここで友ともだちとはぐれたようで，探さがしに行いきたいものの，傷きずを負おってしまったため先さきに進すすめないようだ。「ここは任まかせなさい」と，彼女かのじょの友ともだちを探さがし出だすという新あらたな目標もくひょうができた。

ウサ耳みみのピンク髪かみに泣なきぼくろ……ううむ，好すきな要素ようそしかない

　ダンジョンのなかはとても広ひろく，そして高低こうてい差さもあってなかなか探索たんさくしがいがある。ちょっと見みえにくいところに道みちがあったり部屋へやの入口いりくちが隠かくれてたりもするので，マップは常つねに表示ひょうじできるがけっこう迷まようこともありそうだ。大勢おおぜいいる敵てきをかわしながらじっくり探索たんさくを進すすめよう。


　また，いろいろなところにちょっとした会話かいわやイベントが発生はっせいするポイントが隠かくされていて，こういった小しょうネタ的てきなのを追おいかけると，さらなるやりがいを感かんじられそうだ。

わざわざ調しらべないと発生はっせいしないような細こまかいイベントも盛もりだくさん。もちろん絶対ぜったいやらなければならないわけではなさそうなので，「○○しても，○○しなくてもいい」な精神せいしんで楽たのしめそう

　本ほん作さくのバトルは，アトラスのRPGでおなじみ，いわゆるプレスターンバトルをベースとしたシステムだ。各かくターンに行動こうどう回数かいすうを表あらわすアイコンが表示ひょうじされ，それを消費しょうひすることで攻撃こうげきやスキル，アイテムの使用しようといった行動こうどうをとる。

本ほんモードでは主人公しゅじんこうとストロールにヒュルケンベルグが加くわわった3人にんパーティに。赤あか髪かみの凛りんとした女おんな騎士きし……好すきな要素ようそしかない。あれ？　なんかさっきもそんなことを言いった気きがする

　敵てき味方みかたともに攻撃こうげきの属性ぞくせいと耐たい性せいがあり，クリティカルや弱点じゃくてんを突ついた攻撃こうげきをするとアイコンの消費しょうひが抑おさえられ，攻撃こうげきをミスする/防ふせがれると通常つうじょうより多おおく消費しょうひするといったように，プレイヤーのちょっとした選択せんたくでバトルの展開てんかいが大おおきく変かわる。

左上ひだりうえの星ほしが行動こうどう回数かいすうを表あらわすアイコン。こちらが有利ゆうりな選択せんたくをすると行動こうどう回数かいすうの消費しょうひが1から0.5に押おさえられ，そのぶん行動こうどう回数かいすうが増ふえる

　と，このあたりはアトラスのRPGをプレイしたことがある人ひとなら，ゲームによって仕組しくみは少すこしずつ違ちがえど何なにかしらの形かたちで体験たいけんしたことがあるはず。本ほん作さくにはさらに，パーティの隊列たいれつの概念がいねんがあり，前列ぜんれつと後列こうれつのどちらにどのメンバーを配置はいちするかで戦たたかい方かたが変かわる。

　前列ぜんれつは近接きんせつ攻撃こうげきが強つよくなるが被ひダメージが大おおきくなり，後列こうれつは被ひダメージは減へるが近接きんせつ攻撃こうげきが弱よわくなるというように，基本きほんのルールはダンジョンRPGではおなじみのもの。それ自体じたいはシンプルでも，これとプレスターンや弱点じゃくてんを突つき合あうというバトルの要素ようそがからむことで，これまでのアトラスのRPGとはまた違ちがった戦術せんじゅつ性せいを与あたえてくれそうだ。

バトルの仕組しくみや視覚しかく的てきな演出えんしゅつの確認かくにんで忙いそがしく，また取材しゅざい陣じんでワイワイやっていたためしっかり聴きけなかったが，もちろん音楽おんがくも注目ちゅうもくポイントのひとつ。バトルはオペラ調ちょうで，俺おれの叙事詩じょじし感かんがすごく高たかまる

　そんな風ふうに敵てきを倒たおしながらダンジョンの奧おくへと進すすむ。すると，行いき先さきにかなりの数かずの敵てきがいることに気きがつく。バトルは楽たのしいとはいえ，何なん度ども戦たたかうのはしんどいなあ……と思おもっていると，アトラスのスタッフから「格下かくしたの敵てきなので，ファストで突破とっぱできますよ」というアドバイスが。
　どうやらフィールド上じょうでは，叩たたいて気絶きぜつさせるというだけではなく，格下かくしたの敵てきをバッサバッサと蹴け散ちらせるファストという仕組しくみもあるのだとか。
　……どういうこと？　ホントにそんな，バッサバッサといくの？

バッサバッサ……

　ホントだった。
　ファストとは，レベルが大おおきく離はなれた格下かくしたの敵てきであれば，フィールド上じょうで武器ぶきを振ふるだけで，コマンドバトルへ移行いこうすることなく倒たおせるというもの。どれだけ大勢おおぜいに囲かこまれても一騎当千いっきとうせんの無双むそう状態じょうたいといった感かんじで一掃いっそうできる。これがめちゃくちゃ爽快そうかいなだけではなく，経験けいけん値ちも入手にゅうしゅできるところもいい。

ファストで倒たおせる敵てきから攻撃こうげきを受うけてもコマンドバトルには移行いこうしない。つまりストレスフリーでザコ敵てきを一掃いっそうできるわけで，これがなかなか爽快そうかい。「ヒャッハー！　ぶっ飛とばしてやるからもっと出でてこいやオラァ！」……失礼しつれいしました。取とり乱みだしました

　コマンドバトルのRPGで気きになるところが，ダンジョンを探索たんさく中ちゅうに，いまさら戦たたかう必要ひつようもない低ひくいレベルの敵てきとエンカウントしてしまうこと。これまでのゲームでも，レベルが低ひくい敵てきが寄よりつかなくなったり，バトルを早はや回まわしで終おわらせられたりすることはあったが，それを“蹴け散ちらす”にしたのは，自分じぶん自身じしんが強つよくなったことをより実感じっかんできてとてもいい。

もちろん格かく上じょうには通用つうようしない。これは凶きょう獣じゅうグプタロスにヒャッハー！　なんて調子ちょうしに乗のって突つっ込こんだところ。どうやら本ほん試ためし遊ゆう用ように呼よばれた，“開発かいはつ側がわからの挑戦ちょうせん状じょう”的てきな存在そんざいらしい。明あきらかに序盤じょばんのダンジョンにいるツラ構がまえではない

ぶった切ぎってやるぜー！　と近ちかづいたものの，逆ぎゃくに脳天のうてんを叩はたき割わられた筆者ひっしゃ。ここで気きづいたのが，リトライを選択せんたくすると最初さいしょのターンからやり直なおせること。一手いってしくじった！　というときに嬉うれしい仕様しようだ。と言いっても筆者ひっしゃは，リトライしてもまた脳天のうてんを叩はたき割わられたのだけど

　そして本ほんモードで体験たいけんできたのがアーキタイプ。そう，1つめのモードでチラ見みせがあったアレだ。
　システム的てきに言いうならばジョブのようなもので，戦士せんしや魔法使まほうつかい，僧侶そうりょ，いわゆるタンク役やくなどさまざまな種類しゅるいが登場とうじょうする。主人公しゅじんこうだけではなくパーティメンバーもそれぞれアーキタイプに目覚めざめ，そして変更へんこうが可能かのうになる。
　

　アーキタイプを変かえると，バトルはもちろんフィールドでのアクションも変かわる。たとえば大だい剣けんを持もった戦士せんしなら，一撃いちげきがでかいが，振ふりかぶる動作どうさが遅おそくて小回こまわりが利きかないというように一長一短いっちょういったんがある。
　試ためし遊ゆうの終盤しゅうばん，パリパス族ぞくの女性じょせいの友人ゆうじん探さがしの依頼いらいを達成たっせいすると，彼女かのじょとの信頼しんらい関係かんけいが生うまれて新あらたなアーキタイプを入手にゅうしゅできた。このように主人公しゅじんこうたちは，自分じぶん自身じしんのうちなるものを形かたちにするだけではなく，出会であった人ひとたちと信頼しんらい関係かんけいを築きずくことでもアーキタイプを手てに入いれられるようだ。

ピンク髪かみのウサ耳みみさん，キャゼリナってお名前なまえだったのね。依頼いらいを達成たっせいしてお近ちかづきになれた。ちなみにこの依頼いらいがどのような物語ものがたりだったかは……これも実じつにファンタジーな展開てんかいなので，実際じっさいにプレイしてたしかめてほしい

アーキタイプはゲームを進すすめると種類しゅるいが増ふえていく。またフィールド上じょうであれば自由じゆうに変かえられるようだ

実際じっさい，難なん度どはどれくらい？　おぞましい姿すがたの敵てきを相手あいてにボスチャレンジ！

　最後さいごに挑いどんだのはボスチャレンジ「大海たいかい獣じゅう・強襲きょうしゅう」。今回こんかいの試ためし遊ゆうで最高さいこう難なん度どのモードだ。
　移動いどう式しきの拠点きょてんである鎧よろい戦車せんしゃで海上かいじょうを進すすんでいると，突如とつじょとして巨大きょだいな怪物かいぶつ・大だい海獣かいじゅうホモ・サバラに襲おそわれ，これを退治たいじするためパーティとともに戦たたかいに挑いどむことに。

こちらは登場とうじょう時じのムービーの一いち場面ばめん。大だい海獣かいじゅうホモ・サバラはイカのような足あしを持もつ不気味ぶきみな怪物かいぶつで，ヌルッとした感かんじが実じつに伝つたわるテカりの表現ひょうげんが最高さいこうだ

　この大海たいかい獣じゅうホモ・サバラ，半端はんぱじゃなく強つよい。そんなホモ・サバラを倒たおすには，ジンテーゼをうまく活用かつようする必要ひつようがある。
　ジンテーゼは，通常つうじょうの行動こうどうよりより多おおくの行動こうどうアイコンを消費しょうひする代かわりに，非常ひじょうに強力きょうりょくな攻撃こうげきをくり出だすことができるという必殺ひっさつ技わざ的てきなコマンドだ。それだけに，威力いりょくはもちろんそれらしい演出えんしゅつも入はいり，強敵きょうてきとの戦たたかいではさらなる高揚こうよう感かんを与あたえてくれる。


　弱点じゃくてんを探さぐり，見みつけた弱点じゃくてんを突つきつつジンテーゼを交まじえて攻撃こうげき。怪あやしい動うごきがあったら次つぎターンでは全員ぜんいん防御ぼうぎょ……という駆かけ引ひきが重要じゅうようとなるボス戦せんは，15分ぶんの試ためし遊ゆうで勝かてるかはなかなか厳きびしいのでは？　というくらいシビアだ。
　やっかいなのが状態じょうたい異常いじょう攻撃こうげきで，病魔びょうま状態じょうたいにされるとHP回復かいふくすら受うけ付つけてくれなくなるというヤバさである。

序盤じょばんは「あれ？　わりとルーティンな戦たたかい方かたでいけそうじゃん」と思おもったが，バトルが進すすむと状態じょうたい異常いじょう攻撃こうげきを仕掛しかけてくるようになる。そうなると状態じょうたい異常いじょうの対処たいしょに追おわれ，攻撃こうげきどころじゃあなくなる

　筆者ひっしゃは13分ふんほどでどうにか勝利しょうりを手てにしたのだが，これは先さきに2つのモードをプレイしてある程度ていど操作そうさに慣なれていたからであり，さらにアトラスのスタッフにチラっと戦たたかい方かたのヒントをもらったからである。操作そうさ方法ほうほうを覚おぼえながらのバトルとなるとかなりキツそう。
　ただそれほどに手強てごわいだけに，倒たおせたときに得えられる達成たっせい感かんやドーパミンのドバドバ出でてくる感かんは相当そうとうのものだ。

たくさんあった足あしを切きり落おとし，戦たたかいやすくなったと思おもったら……ほうらやっぱり。また生はえてきた。強力きょうりょくな状態じょうたい異常いじょう攻撃こうげきに加くわえて重おもい全体ぜんたい攻撃こうげきが……うーん，無理むりっ

と，何なん度ど諦あきらめただろうか。しかしギリギリ持もちこたえあと一いち撃げき！　みたいな瞬間しゅんかんはたまらなかった

　なおこのモードでは，ボスチャレンジ以外いがいに拠点きょてんの鎧よろい戦車せんしゃでできる仲間なかまとの交流こうりゅうの要素ようそも体験たいけんできる。
　なかには円卓えんたくの置おかれた作戦さくせん室しつに，本棚ほんだなやボードゲームが置おかれた娯楽ごらく室しつ，身体しんたいを休やすめる寝台しんだいなどがあり，そこで主人公しゅじんこうと仲間なかまたちがどのように暮くらしているかが感かんじられる。
　「自分じぶんは主人公しゅじんこうとして，ここでどんな旅路たびじを過すごすのだろう……」という想像そうぞうが膨ふくらむばかりだ。

ボスチャレンジで時間じかんいっぱいになったのであまり触ふれられなかったが，ダンジョン探索たんさくやバトルのときとは違ちがった，各々おのおのの時間じかんを過すごす仲間なかまたちとの交流こうりゅうもいい感かんじ

絵画かいがのような背景はいけいも美うつくしいUI。芸術げいじゅつ的てきだけど分わかりやすさも考かんがえられた，これまたこだわりぬかれた作つくりだ

まだ確認かくにんできていないことはたくさんある。カレンダーによるゲーム進行しんこうも，ペルソナシリーズとはどう違ちがうのかが気きになるところ

　今回こんかいは主おもに探索たんさくとバトルを中心ちゅうしんに体験たいけんできたが，とくに強敵きょうてきやボスへのチャレンジで体験たいけんできたバトルは， とても“RPG脳のう”を刺激しげきされるものとして印象いんしょう的てきだった。
　「そろそろあの攻撃こうげきをしてくるとなると，仲間なかまの体力たいりょくを気きにしておかなければ」と強力きょうりょくな攻撃こうげきをどうしのぐかを考かんがえつつ，「この属性ぞくせいが効きくかな？」「ここであの一手いってを……」と試行錯誤しこうさくごを繰くり返かえしながら一撃いちげき，また一いち撃げきとダメージを与あたえていく。アクションの要素ようそが加くわわっても，コマンドバトルの芯しんとなる部分ぶぶんは変かわらない。


　なお，今回こんかいの試ためし遊ゆうに立たち会あった担当たんとう編集へんしゅう（長年ながねんアトラスのRPGをプレイしてきた人ひと）は，「最初さいしょの印象いんしょうは3以降いこうの『ペルソナ』だったけど，一いち手てしくじったら自分じぶんがやられる様ようをただ見みせられるような『真しん・女神めがみ転生てんせい』（とくに真まIII）のシビアさも感かんじるし，クラシックなダンジョンRPGな感かんじやバトルの隊列たいれつの要素ようそは『世界せかい樹じゅの迷宮めいきゅう』的てきだなと思おもった」とのこと。つまり，これまでのアトラスのRPGのさまざまな要素ようそが詰つめ込こまれたゲームという印象いんしょうだったそうだ。

　筆者ひっしゃはそこまでアトラスのRPGをやり込こんだという人間にんげんではないが，そんな筆者ひっしゃのようにRPGで新あらたな体験たいけんがしたいというゲーマーも，担当たんとう編集へんしゅうのようなコアなアトラスのRPGファンも，その両方りょうほうにとって要よう注目ちゅうもくなゲームだと推おせることは間違まちがいのない作品さくひんだ。

「メタファー：リファンタジオ」公式こうしきサイト