Microsoftは,
実質的なE3の
同社ブースとなっているMicrosoft Theaterで,Minecraftの
世界観の
新作アクションアドベンチャー
「Minecraft: Dungeons」(
PC /
PS4 /
Xbox One /
Nintendo Switch)の
概要説明会を
開催した。
E3会期中はXboxカラーの緑で覆われていたMicrosoft Theater
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本作は,その
名前どおり
世界的に
流行しているサンドボックス
型ゲームの
「Minecraft」のブランドを
掲げた
作品だ。ただ,「あのMinecraftがアクションアドベンチャーになったって,どういうこと?」といった
感じで,プレイ
感がイメージしづらい
作品でもあるので,
基本事項から
解説していこう。
プレゼンテーションを担当したExecutive ProducerのDavid Nisshagen氏(左)と,デモプレイを担当したGame DirectorのMans Olson氏
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Mojang開発の血統書付きMinecraftゲーム,それが「Minecraft: Dungeons」である
まず
結論から
言ってしまうと,「Minecraft: Dungeons」は,オリジナルの「Minecraft」の
拡張パックなどではなく,
独立したゲームだ。
開発はEpic GamesのUnreal Engine 4で
進められており,LWJGL(Lightweight Java Game Library)ベースの
独自開発エンジンで
作られてきたオリジナルのMinecraftとは
出自も
異なっている。
なので,「Minecraft: Dungeons」は,オリジナルのMinecraftの
根幹ゲームメカニクスであるはずの「ものづくり」,すなわちサンドボックス
的なゲーム
性は
実装されておらず,
純粋に遊びきり(スタンドアロン)のゲーム作品ということになる。
ただし,
開発はオリジナルのMinecraftの
開発元であるスウェーデンのMojangスタジオが
担当しており,「
血統書付きのMinecraftゲームである」という
点が
強調されていた。
ゲーム
自体はクラシカルなダンジョン
探索型のゲームメカニクスを
採用しており,プレイヤーは
冒険を
求めて
危険に
満ちた
地下迷宮(ダンジョン)へと
足を
踏み
入れていくことになる。Nisshagen
氏によれば「
本作は
物語(ナラティブ)よりも
体験や
爽快感,
達成感に
重きを
置いたゲームメカニクスとなっている」とのことで,
今回のデモンストレーションプレイで
選択されたダンジョンは「ネクロマンサーの
墓を
暴け」というゲーム
目的が
掲げられ,プレイヤーはこの
目的を
達成するために
迷宮の
奥の
奥を
目指すことになる。
本作はマルチプレイに
対応しており,
同時にプレイできる
人数は
最大4
人まで。ゲームへの
途中参加/
途中離脱も
容認されており,オンライン/オフラインのいずれにおいてもマルチプレイが
可能だ。
※初出時,オフラインマルチプレイの表記に誤りがあったため,内容を修正しました。
マルチプレイはクロスプラットフォームプレイに
対応している。といっても
現状はPC
版とXbox One
版の
組み
合わせのみが
確約されており,
本作提供先として
挙げられているPS4やSwitchなどを
絡めたマルチプレイに
関しては
「否定も肯定もしない」という
返答で
含みが
持たされていた。なんらかのサプライズがあることを
期待したい。
ダンジョンは無限に遊べるプロシージャル生成を採用。物語はないがゴールはある
「Minecraft: Dungeons」では,
現在のところ9
個のダンジョンの
実装が
決定しているが,ゲームを
実行するたびにダンジョンがプロシージャル
生成(アルゴリズム
自動生成)される
仕組みを
採用しており,「
無限に
遊べる」(Nisshagen
氏)という。
ダンジョンのスタート
地点とゴール
地点が
決まっているだけで,ダンジョンのレイアウト……すなわち
迷宮としての
分岐やトラップ
構造などはプロシージャル
生成されるというのだから
面白い。
プレイヤーキャラクターは
自在にデザインでき,
武装の
切換で
見た
目もカスタマイズできるが,
本作ではRPGなどで
定番のクラスというものはない。どんなプレイヤーキャラクターを
作っても
剣やハンマーなどの
近接攻撃,
弓矢などの
飛び
道具攻撃の
能力を
持ち,
稲光や
炎などの
魔法属性的な
攻撃を
武装に
合成することができる。
なお,
迷宮道中のパズルを
解くことで
手に
入るアイテムで,
武装のパワーアップは
可能だが,
自分で
素材アイテムを
使って
武装アイテムを
作ったりすることはできない。
見た
目はブロッキーな「Minecraft: Dungeons」ではあるが,
戦闘シーンでの
敵とのぶつかり
合い
時の
派手なエフェクトは,
大作アクションゲームにも
負けていない。
実際に
筆者もプレイしてみたが,
攻撃が
決まったときの
爽快感や,トラップにハマってダメージを
喰らったときの
痛さが,ゲームパッドを
通じて
伝わってくる
感じがして,
予想外に
没入感があった。
登場するモンスターは,ゾンビ,スライム,ゴーレムなどのMinecraftでお
馴染みのものに
加え,
今作のオリジナルモンスターも
登場する。
中ボスなどはかなり
強力で,
歯ごたえのある
戦闘が
楽しめるだろうとのこと。
今回のデモプレイでもネクロマンサーという
中ボスモンスターがプレイヤーを
苦しめていた。また,プレイヤーキャラクターがオオカミのようなお
助け
動物系モンスターを
召喚して
冒険していたので,そうした
同伴キャラを
従えて
冒険できる
要素も
実装されているようだ。
なお,
冒頭で
本作に
物語性はない,と
述べているが,ゲームの
究極のゴールとしては,
本作で
新登場する
Arch-Illagerというモンスターが大ボスになるそうである。
発売は2020年春。価格は20ドルを予定
プレイ
視点は
斜め
見降ろし
型のクォータービューに
固定化されていて,オリジナルのMinecraftのような
一人称視点でのプレイには
非対応だ。
操作方法としては,ゲームパッドだけでなくマウス&キーボードでのプレイにも
対応する。
グラフィックスはUnreal Engine 4を
採用しているだけあって
妙にリアルだ。とくにポストエフェクトや
派手に
散乱する
閃光系エフェクトがリッチである。
ビジュアルの
印象としてはXbox OneとWindows PC
向けにリリースされたグラフィックス
表現アップグレードDLCの
「Super Duper Graphics Pack」(
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迫る
表現力と
言っていい。グラフィックスの
構成要素の1つ1つはMinecraftらしいブロッキー
表現のままだが,この「リアルと
非リアル」
表現のコントラスト
感こそが
本作ならではの
魅力なのだ。
発売は2020
年春。
価格は20ドル
前後を
予定している。
繰り
返しになるがスタンドアロンのゲームなので,プレイにあたって,Minecraft
本編は
不要だ。