(Translated by https://www.hiragana.jp/)
[プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性
パッケージ
Pacific Drive公式サイトへ
  • Kepler Interactive
  • Ironwood Studios
  • 発売はつばい:2024/02/22
  • 価格かかく通常つうじょうばん:3400えん税込ぜいこみ
    Deluxe Edition:4000えん税込ぜいこみ
レビューを書く
準備中
りタイトル/ワード

タイトル/ワードめい記事きじすう

最近さいきん記事きじんだタイトル/ワード

タイトル/ワードめい記事きじすう

週刊しゅうかん連載れんさい
LINEで4Gamerアカウントを登録とうろく
[プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性
特集とくしゅう記事きじ一覧いちらん
注目ちゅうもくのレビュー
注目ちゅうもくのムービー

メディアパートナー

印刷2024/02/27 08:00

プレイレポート

[プレイレポ]ちょうつね現象げんしょうこるなぞ半島はんとうを,修理しゅうりしたくるまはしけろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自どくじせい

 2023ねん各所かくしょたりどし」「豊作ほうさくなどとひょうされるぐらいに,非常ひじょうおおくの傑作けっさく話題わだいさく発売はつばいされた1ねんだった。とくあきから年末ねんまつごろにかけての発売はつばいラッシュはすさまじく,いまでもまだそのころに発売はつばいされた作品さくひんをプレイちゅう,というひともいるのではなかろうか。だが今年ことしも2かげつ経過けいかし,すでにすうおおくのビデオゲームが発売はつばいされている。大作たいさくゲームや名作めいさく続編ぞくへんなどに区切くぎりをつけ,ここらでなにか“一風いっぷうわった”ゲームをあそんでみたいとかんじてきたのなら,「Pacific Drive」PC/PlayStation 5)はうってつけの作品さくひんとなるだろう。

画像集 No.004のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性

 Pacific DriveはIronwood Studios開発かいはつし,2がつ22にち発売はつばいされたゲームだ。ストアページの説明せつめいぶんによれば,ゲームのジャンルは「ドライビング・サバイバル・アドベンチャー」とのこと。おそらくおおくのプレイヤーにとってみみ馴染なじみのないジャンルであろうし,実際じっさいにかなりわった内容ないようとなっている。

画像集 No.013のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性



 ゲームの舞台ぶたいとなるのは「オリンピック半島はんとう」。政府せいふによってなんらかの実験じっけんじょうとされた場所ばしょで,いまでは侵入しんにゅう経路けいろ封鎖ふうさされている。明確めいかく言及げんきゅうされるわけではないが,おそらく配達はいたつドライバーであったらしい主人公しゅじんこうは,なぜかそんなオリンピック半島はんとうまよみ,ちょうつね現象げんしょうによって「隔離かくりゾーン」(作中さくちゅうではたんに「ゾーン」とばれることがおおい)の内部ないぶとらわれてしまうこととなる。ということで,「ゾーンからの脱出だっしゅつ目指めざす」のがほんさくおおきな目的もくてきだ。

 物語ものがたりのジャンルは「ちょうつね現象げんしょうSF」で,不気味ぶきみかつややレトロな質感しつかんはドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス」や,その原点げんてんとなっている古典こてんてきなアメリカ映画えいがなどを彷彿ほうふつとさせる。また、隔離かくり地域ちいき「ゾーン」ちょうつね現象げんしょう「アノマリー」呼称こしょうするところなどはストルガツキー兄弟きょうだい小説しょうせつ「ストーカー」もとネタとしたビデオゲーム「S.T.A.L.K.E.R」シリーズが想起そうきされるなど、随所ずいしょにさまざまな作品さくひん影響えいきょうられる。純粋じゅんすいなホラーゲームというわけではないが,全体ぜんたいてきおもくら雰囲気ふんいきであり,突然とつぜんびっくりするようなこともこるので,心臓しんぞうよわひとおおきいおと苦手にがてひとは,プレイするさいにやや注意ちゅうい必要ひつようであろう。

画像集 No.003のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性

 前述ぜんじゅつしたように,ほんさくわった内容ないよう作品さくひんだ。ゲームプレイとしては,自動車じどうしゃでエリアのなか探索たんさくし,もの収集しゅうしゅうして拠点きょてんかえり,拠点きょてん自動車じどうしゃをアップグレードしてあたらしい場所ばしょかうというサイクルのかえしがおもとなっている。失敗しっぱいしてしまうと(初期しょき設定せっていであれば)所持しょじしていたアイテムの一部いちぶ紛失ふんしつしてやりなおしになるというわけだ。

 「失敗しっぱい」といっても,人間にんげん怪物かいぶついかけまわされてころされたりするわけではなく,あくまでアノマリーによる事故じこや,ダメージをけるゾーンにオーバーステイしてしまったための死亡しぼうであってFPSてきな「戦闘せんとう」があるわけではない。こういう(FPS視点してんの,純粋じゅんすいなストーリーゲームではなく,かえしが主体しゅたいとなっている)作品さくひん戦闘せんとう」がない,というのはかなりめずらしいことであろう。
 
 ほんさくのSteamレビューなどをると「ローグライク/ローグライト」という言葉ことば散見さんけんされるし,筆者ひっしゃかんがえでは(前述ぜんじゅつの「S.T.A.L.K.E.R」シリーズに影響えいきょうけた)「Escape From Tarkov」代表だいひょうされる脱出だっしゅつ(Extraction)シューター」との類似るいじせいがあるようにおもう。とはいえどちらも類似るいじしているというだけで,そのものではないようにもかんじられる。ほんさく既存きそんのジャンルでそのまま説明せつめいすることがむずかしい作品さくひんになっている。

画像集 No.009のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性
画像集 No.002のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性

 ここからはPacific Driveのおおまかなながれを紹介しょうかいしていこう。まず,拠点きょてんさきめる。ストーリークエストがある場合ばあいは,その目的もくてき表示ひょうじされるのでそこを目指めざすのがよいだろう。もちろん,クエストを無視むししてほかの場所ばしょくこともできる。マップは完全かんぜんなオープンワールドではなく,エリアごとにけられているが,かくエリアはかなりひろい。

 目的もくてきめたらくるま運転うんてん開始かいしだ。ドアをけ,り,ドアをめ,キーをまわし,ギアをドライブにいれるというのをすべて操作そうさしなければならないため,最初さいしょはかなり面倒めんどうかんじられるだろう。というか,ほんさく意図いとてき面倒めんどうくさくつくられており,プレイヤーがモタモタしやすくなっている。戦闘せんとう存在そんざいしないので,「モタモタしているうちにぬのか,なんとか打開だかいするのか」というハラハラかんすための装置そうちになっているのだ。目的もくてき目指めざすために必須ひっすである「マップ」もいちいちくびみぎけて確認かくにんしなければならない。もちろん,そのあいだちょうつね現象げんしょうきるし,あめ坂道さかみちだったら勝手かってすべっていってしまったりもする。

画像集 No.012のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性
画像集 No.008のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性

 目的もくてき目指めざしがてら,わすれてはいけないのが探索たんさく収集しゅうしゅうだ。ゲーム開始かいし時点じてんでは非常ひじょう物資ぶっしとぼしいため,素材そざいをこまめに,手当てあてたり次第しだいあつめるのが重要じゅうようとなってくる。みち放棄ほうきされた廃車はいしゃからガソリンをったり,パネルを解体かいたいして金属きんぞくにしたり……ともかくなにか建造けんぞうぶつ発見はっけんしたらいちいちしゃ停車ていしゃし,ってみるのがよい。くるまはちゃんとたいらなところに駐車ちゅうしゃしておかないと,どこかにってしまったりするので要注意ようちゅういだが。

 金属きんぞく解体かいたいするための「スクラッパー」,ドアのかぎ破壊はかいするための「バール」などの装備そうびにも耐久たいきゅうりょく設定せっていされており,こわれたら素材そざいからクラフトする必要ひつようがある。つまり,素材そざいりないと素材そざい収集しゅうしゅうよう装備そうびつくれないというようなジリ貧じりひん状況じょうきょうになりるのだ。こういう理由りゆうもあって,目的もくてきだけを目指めざさずにじっくり探索たんさくするというのが非常ひじょう重要じゅうようなゲームプレイになっている。とはいえ,あまり滞在たいざいしすぎると「不安定ふあんてい前線ぜんせん」というダメージをけるゾーンがせまってきてしまうので,どこかで見切みきりをつけなければならないタイミングもあるのだが。この「探索たんさく収集しゅうしゅう」,そして「見極みきわめ」はほんさくのキモというか,一番いちばんたのしいところだ。コツコツぶつあつめるのがきな収集しゅうしゅうきのプレイヤーにはたまらない要素ようそだろうし,生還せいかんできたときの達成たっせいかんはかなりのものがある。

画像集 No.015のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性

 素材そざい無限むげん収集しゅうしゅうできるわけではなく,インベントリを管理かんりするというような要素ようそもある。バックパックにはいらないぶんは,いちいちしゃのトランクにかえってきをつくってから再度さいどひろいにかねばならない。

画像集 No.007のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性
画像集 No.014のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性

 素材そざい充分じゅうぶん収集しゅうしゅうし,そろそろかえるかとなったらマップじょうにあるアンカーを目指めざし,そこにあるエネルギーをくるまたくわえる必要ひつようがある。そのエネルギーによってゲートウェイけ,ゲートウェイを通過つうかできれば拠点きょてんであるオートショップにかえれる。SFてき説明せつめいはややむずかしいが,ゲームてき要素ようそだけをえば「なん箇所かしょめぐって,最後さいごにゴールにたどりかなければならない」ということだ。ゲートウェイがひらくとあらしこり,非常ひじょう危険きけんたかいため,かなりあせって目指めざしたほうがよい。

画像集 No.006のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性
画像集 No.001のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性
 
 ゲートを通過つうかできれば無事ぶじ拠点きょてん帰還きかん。そのは,くるま修理しゅうり必要ひつようなアイテムをつくるなど、つぎのドライブにけた準備じゅんびすすめる時間じかんだ。あつめてきた素材そざいくるま修理しゅうりにももちいることになる。くるまはタイヤひとひとつ,パネルいちまいいちまいにすべて耐久たいきゅうりょく設定せっていされており,こちらもかなり面倒めんどうくさい要素ようそだ。場合ばあいによってはアノマリーがひしめく危険きけん道中どうちゅうでも緊急きんきゅうてき修理しゅうりしなければならないタイミングがやってくるかもしれない。このあたりは宇宙船うちゅうせんがボロボロこわれる宇宙うちゅう探索たんさくゲームである「Outer Wilds」すこ連想れんそうさせる。
 
 拠点きょてんいて修理しゅうりをする場合ばあいは,ちょっとしたリラックス効果こうかかんじられる。「House Flipper」「PowerWash Simulator」などの作業さぎょうシミュレータけいゲームとちか感覚かんかくなのだ。ひとつのゲームを説明せつめいするときに「Escape From Tarkov」と「House Flipper」が同時どうじてくるなんてことはあまりこらないので,これはほんさくわったゲームであることの証左しょうさかもしれない。

 素材そざいくるま修理しゅうり道具どうぐ制作せいさくのほか拠点きょてん自体じたい強化きょうかにももちいることになる。拠点きょてん強化きょうかすることによって拠点きょてんおこなえることがえ,ゲームの進行しんこう有利ゆうりになる。

画像集 No.005のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性
画像集 No.010のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性

 拠点きょてんではくるまにステッカーをったり,装飾そうしょくすることも可能かのうだ。ひろった装飾そうしょくようアイテムを車内しゃない配置はいちすることもできるので,くるま愛着あいちゃくきやすくなっている。ちなみに,ゲームない説明せつめいによれば主人公しゅじんこうっているくるまは「レムナント」であり,人間にんげんをどんどん執着しゅうちゃくさせ,最後さいごぬし行方ゆくえ不明ふめいとなる危険きけん物体ぶったい一種いっしゅとのこと。執着しゅうちゃくしすぎない程度ていど装飾そうしょくするのがよいだろうか。

画像集 No.011のサムネイル画像 / [プレイレポ]超常現象の起こる謎の半島を,修理した車で走り抜けろ。ホラーテイストからリラクゼーションまでカバーする「Pacific Drive」の独自性

 ここまでんで,ほんさくを「むずかしそうだ」とかんじたひと安心あんしんしてほしい。ほんさくには非常ひじょう充実じゅうじつしたゲームプレイオプションがあり,なんをプレイヤーこのみにえられる。たとえばドライブ失敗しっぱいにアイテムをとさないようにしたり,車両しゃりょうがダメージをけないようにしたり,なんだったらプレイヤーの死亡しぼう自体じたいをオフにしたりもできる。また,緊張きんちょうかんのためかやや画面がめんづらい場面ばめんおおほんさくであるが,そのあたりはアクセシビリティオプション調整ちょうせい可能かのうだ。

 筆者ひっしゃもまだ序盤じょばんあそんだだけだが,ほんさくのことを非常ひじょうった。ゲームプレイが面白おもしろいのはもちろんのこと,グラフィックスの格好かっこうさや,カーラジオからながれる楽曲がっきょく素晴すばらしさなど,細部さいぶまでいたとてもよく出来でき作品さくひんだとかんじる。っている作品さくひん要素ようそ数多かずおおくあるが,総合そうごうするとなんともていない,オリジナリティにあふれたあたらしいゲーム体験たいけんとなっていた。「Pacific Drive」,非常ひじょうにおすすめなので,ぜひともあそんでほしい。

「Pacific Drive」公式こうしきサイト

  • 関連かんれんタイトル:

    Pacific Drive

  • 関連かんれんタイトル:

    Pacific Drive

  • この記事きじのURL:
4Gamer.net最新さいしん情報じょうほう
プラットフォームべつ新着しんちゃく記事きじ
総合そうごう新着しんちゃく記事きじ
企画きかく記事きじ
スペシャルコンテンツ
注目ちゅうもく記事きじランキング
集計しゅうけい:08がつ01にち〜08がつ02にち