［TGS2023］真剣しんけん過すぎない，カジュアルな乱闘らんとうが特徴とくちょうの「修羅場しゅらば ‐ASURAJANG‐」は，既存きそんバトロワタイトルに疲つかれた人ひとに効きく!?【PR】

　韓国かんこくのD-ZARDが，開発かいはつ中ちゅうの新作しんさくタイトル「修羅場しゅらば ‐ASURAJANG‐」（PC / PS5 / Xbox Series X|S。以下いか，修羅場しゅらば）を東京とうきょうゲームショウ2023に出展しゅってんしている。


　本ほん作さくは，33人にんのプレイヤーたちがそれぞれのキャラクターを操作そうさして戦たたかいを繰くり広ひろげ，最後さいごの1人ひとりになることを目指めざすオンラインアクションゲーム。それだけ聞きけば「バトロワ」だが，既存きそんのバトロワタイトルにはない独自どくじ要素ようそがいくつも取とり入いれられており，日本にっぽんのアニメを意識いしきしているというトゥーンレンダリングのグラフィックスも見みどころとなっている。

　ブースに出展しゅってんされているのは，キャラクターのアクションを確認かくにんできるトレーニングモードのプレイアブルデモなのだが，本編ほんぺんについてもいろいろと聞きいてきたので，レポートしよう。


　画面がめんを見みてすぐに分わかる本ほん作さくの特徴とくちょうは，一人称いちにんしょう視点してんや後方こうほう視点してんではなく，クォータービューを採用さいようしていること。広範囲こうはんいの状況じょうきょうを把握はあくできるため，敵てきを発見はっけんしやすく，「死角しかくから襲おそわれて，よく分わからないまま倒たおされてしまう」といったことは起おきにくい。それは当然とうぜんながら相手あいて側がわも同おなじなので，正面しょうめん切きっての戦たたかいがメインとなる。


　その戦たたかいをさらに激はげしくさせるのが，マップの構成こうせいだ。舞台ぶたいとなるのは空中くうちゅうに浮うかぶ島しまのような場所ばしょで，時間じかん経過けいかとともにどんどん崩くずれ落おちていくという。一般いっぱん的てきなバトロワタイトルだと，セーフゾーンの外そとにいるキャラクターは「一定いっていのダメージを受うけ続つづける」のがお約束やくそくだが，本ほん作さくでは即そくアウトというわけだ。

　従したがって，キャラクターが自然しぜんと鉢合はちあわせしやすくなるし，セーフゾーンの端はしで始はじまった戦闘せんとうでは，相手あいてを下したへ突つき落おとす戦術せんじゅつも有効ゆうこうになる。実際じっさい，デモで触さわったキャラクターには，いずれも相手あいてを吹ふき飛とばす攻撃こうげきが用意よういされていた。

　足下あしもとが崩くずれそうになり，慌あわててセーフゾーンに逃にげたら敵てきと鉢合はちあわせして，戦たたかっているうちに新あらたな敵てきがやってきて，さらにその場所ばしょも崩くずれそうに……といったように，乱闘らんとうに次つぐ乱闘らんとうが展開てんかいされそう。前述ぜんじゅつしたように，下したへ落おとされたらアウトなので，戦たたかいは最後さいごまで気きが抜ぬけないだろう。
　参加さんかプレイヤーが33人にんと少すくなめなのもあって，それなりに生いき残のこっても1ゲーム10〜15分ふんほどを想定そうていしているそうだが，その間あいだ，タイトル名めい通どおりの修羅場しゅらばが続つづくことになるかもしれない。


　本ほん作さくは基本きほんプレイ無料むりょう（アイテム課金かきん）でのリリースが予定よていされており，PC / PS5 / Xbox Series X|S間あいだでのクロスプレイも実装じっそうされる見込みこみ。11月末まつにCBTの実施じっしが予定よていされている。手軽てがるに熱あつくなれるゲームを探さがしている人ひとには要よう注目ちゅうもくのタイトルとなりそうだ。

　TGS会場かいじょうのD-ZARDブースでは，同社どうしゃCEOのKim Dong Hyun氏しに話はなしをうかがうことができたので，以下いかでその模様もようをお伝つたえする。

Kim Dong Hyun氏し

4Gamer：
　お忙いそがしい中ちゅう，お時間じかんをいただいてありがとうございます。TGSに出展しゅってんされて，会場かいじょうの雰囲気ふんいきはいかがでしょうか。

Kim Dong Hyun氏し（以下いか，Kim氏し）：
　まだほかのブースを見みて回まわることはできていないのですが，今回こんかいの出展しゅってんは去年きょねんから準備じゅんびしていましたので，こうして開催かいさいを迎むかえられて，この時点じてんで達成たっせい感かんがあります。

4Gamer：
　日本にっぽんのプレイヤーにはどのような印象いんしょうを持もたれていますか。

Kim氏し：
　これは韓国かんこくにおけるステレオタイプな印象いんしょうになるのかもしれませんが，日本にっぽんの方ほうはすごくマナーがよくて，他人たにんに迷惑めいわくをかけないことを重視じゅうししている印象いんしょうがあります。例たとえばチャットで話はなしかけることも躊躇ちゅうちょしてしまうとか，チーム戦せんで負まけると「自分じぶんの責任せきにん」と思おもってしまうとか。
　ですが，バトロワでは，負まけてもほかの人ひとへの迷惑めいわくにならないからか，のびのびプレイできているのではと感かんじます。

4Gamer：
　それは当あたっているかもしれません（笑）。D-ZARDは，KimさんがNCSOFT時代じだいの同僚どうりょうと2021年ねんに設立せつりつした新あたらしい会社かいしゃとのことですが，差さし支つかえなければ，KimさんがNCSOFT時代じだいに関かかわっていたタイトルを教おしえてください。

Kim氏し：
　「Lineage Eternal」と「リネージュ2M」の2つに関かかわっていました。在職ざいしょく期間きかんとしては10年ねん以上いじょうになるのですが，MMORPGの性質せいしつ上じょう，1つのプロジェクトの期間きかんが長ながくなるので，いくつものタイトルを経験けいけんすることはできませんでしたね。

4Gamer：
　MMORPGを手てがけてきたKimさんが，ご自身じしんの会社かいしゃでまずアクションゲームの「修羅場しゅらば」を開発かいはつしているのは少々しょうしょう意外いがいですが，本ほん作さくの企画きかくはどのようにして立たち上あがったのでしょうか。

Kim氏し：
　昔むかしからアクションゲームが好すきだったので，「自分じぶんで作つくりたい！」という願望がんぼうはあったんです。ただ，ゲーム業界ぎょうかいには「アクションゲームではお金かねを稼かせげない」という風潮ふうちょうが長ながくありましたので，時期じきを待まつ必要ひつようがありました。理由りゆうにはいろいろあると思おもいますが，アクションゲームの場合ばあい，ビジネスモデルは「Pay to Win」になってしまいがちで，それに対たいしてプレイヤーが拒否きょひ感かんを覚おぼえるのも一因いちいんだったと思おもっています。

4Gamer：
　それが変かわってきたということですね。

Kim氏し：
　はい。ゲーム業界ぎょうかい全体ぜんたいが課金かきんモデルの構築こうちくについて成熟せいじゅくしてきましたし，ゲーマーたちも火力かりょくや効率こうりつといった勝負しょうぶ以外いがいの要素ようそ，例たとえばキャラクターのカスタマイズへお金かねを使つかうことを惜おしまないようになっています。「PUBG: BATTLEGROUNDS」や「リーグ・オブ・レジェンド」など，既存きそんのバトロワやPvPゲームでも，その傾向けいこうは見みられます。
　なので，今いまの市場いちばならば，自分じぶんたちの基本きほんプレイ無料むりょうアクションゲームを試ためせると判断はんだんして，一番いちばん大衆たいしゅう的てきなアクションジャンルである大だい規模きぼ乱闘らんとうを企画きかくした結果けっか，現在げんざいの「修羅場しゅらば」になりました。


4Gamer：
　トゥーンレンダリングのグラフィックスは日本にっぽんのアニメを意識いしきされているとのことですが，Kimさんから見みて，日本にっぽんアニメの特徴とくちょう的てきなところは何なにだと思おもいますか。

Kim氏し：
　日本にっぽんのアニメは世界せかいの最先端さいせんたんを行おこなっているので，一言ひとことで説明せつめいするのは難むずかしいですね。ハリウッド映画えいがの特徴とくちょうを一言ひとことで表あらわせないのと同おなじようなものだと思おもいます。
　とても高たかい水準すいじゅんの市場いちばがあり，多おおくの優すぐれた人材じんざいがひしめいていて，あらゆるものが創造そうぞうされる媒体ばいたいの1つだと思おもっています。

4Gamer：
　それでは，Kimさんが好すきな日本にっぽんのアニメを教おしえてください。

Kim氏し：
　「エヴァンゲリオン」はもちろん好すきなアニメのひとつで，「鬼おに滅めつの刃は」もとても楽たのしませてもらいました。最近さいきんでは「【推おしの子こ】」が印象深いんしょうぶかかったですね。面白おもしろい作品さくひんがたくさんあるのですが，忙いそがしさで時間じかんの余裕よゆうがなくてメジャーな作品さくひんを中心ちゅうしんに楽たのしんでいます。

4Gamer：
　「修羅場しゅらば」の舞台ぶたいとなる場所ばしょからは東洋とうよう伝統でんとうの雰囲気ふんいきが感かんじられるのですが，キャラクターのファッションは，一部いちぶ東洋とうようの要素ようそもありつつ，基本きほん的てきにはカジュアルやポップ，現代げんだい的てきといった印象いんしょうがあります。この設定せっていの狙ねらいは何なにでしょうか

Kim氏し：
　多おおくのゲームがファンタジーか現代げんだいベースで，キャラクターも定型ていけい化かされている印象いんしょうがあるので，自分じぶんでは新あたらしいものを作つくりたいと思おもっていました。
　東洋とうよう的てきなものをベースにしつつ，今いまの時代じだいの人々ひとびとのファッショントレンドを加くわえてみたらどうなるだろうか？　という考かんがえでアプローチしています。
　狙ねらいは，スクリーンショットを見みてもらうだけで「このゲームはほかと違ちがう！」と，固有こゆうの魅力みりょくを認識にんしきしてもらうことです。
　もちろん，これは多おおくの開発かいはつ会社かいしゃが目指めざしているところですし，特とくに日本にっぽんの会社かいしゃはこういったアプローチをしていますが，韓国かんこくではあまりない試こころみなので，難むずかしい部分ぶぶんもありました。


4Gamer：
　キャラクタープロフィールには十二支じゅうにしの記述きじゅつがあって，デザインにもそれが生いかされているようですが，十二支じゅうにしは世界せかい設定せっていにどう関係かんけいしているのでしょうか。

Kim氏し：
　基本きほん的てきに「修羅場しゅらば」の世界せかいは仏教ぶっきょうの六道ろくどうに基もとづいた宇宙うちゅう観かんを持もっていて，「十二支じゅうにし神しん」という概念がいねんも仏教ぶっきょうの十じゅう二に夜叉やしゃ大将たいしょうをモチーフにしています。
　東洋とうようのさまざまな色彩しきさいをひとつに偏かたよることなく溶とかしたら，仏教ぶっきょうに基もとづいた十二支じゅうにし神しんに行いき着つきついて，「修羅場しゅらば」というゲームにぴったりの要素ようそでした。

バジュ（左ひだり）は犬いぬ，パイラ（右みぎ）は龍りゅうといったように，各かくキャラクターには十二支じゅうにし神しんのうち1つが設定せっていされている

4Gamer：
　魅力みりょく的てきなキャラが多おおいので，ロビーだけでなく，プレイ中ちゅうももっと近ちかいところから見みたいと思おもってしまうのですが，クォータービューを採用さいようした理由りゆうは何なにでしょうか。

Kim氏し：
　「プレイしやすいアクションゲーム」を第だい一いちに考かんがえたからです。道みちに迷まようことのないゲームにしたかったので，クォータービューにしました。
　ただ，キャラクターを念入ねんいりに作つくり込こんでいくうちに，我々われわれとしても小ちいさく映うつるのはもったいないと感かんじ始はじめて，ロビーを作つくるにあたってはキャラクターがよく見みえる空間くうかんを意識いしきして進すすめました。

4Gamer：
　「33人にん中ちゅう最後さいごの1人ひとりを目指めざす」「活動かつどうエリアの縮小しゅくしょうが物理ぶつり的てきに行おこなわれる」という仕様しようもあって，1ゲームあたりの時間じかんは短みじかめですね。

Kim氏し：
　最近さいきんの流行りゅうこうに合あわせてスピーディーな展開てんかいにしている面めんもありますが，ゲームとして目指めざしているのは，最後さいごの数すう人にんまで残のこって勝かてなかったときにも，リトライが負担ふたんにならない時間じかんです。
　言葉ことばを変かえると，ゲームの終了しゅうりょう後ごにちょっと物足ものたりなさを感かんじて，もう1ゲームプレイしたくなってもらうぐらいにしたいと思おもいました。

4Gamer：
　地形ちけいやオブジェクトに変身へんしんしたり，隠かくれたりできるのも印象いんしょう的てきでした。

Kim氏し：
　毎まいゲームで新あたらしい体験たいけんをしてもらうことを狙ねらった，ランダム性せいを強調きょうちょうした要素ようそのひとつです。
　自分じぶんから敵てきを探さがして突つっ込こんでいくようなアグレッシブなプレイヤーでも，変身へんしんや身みを隠かくすことができるアイテムを手てに入いれたら，「ちょっと使つかってみようかな？」と思おもってくれるはずです。そういったように選択肢せんたくしを多おおく用意よういして，プレイヤーが最初さいしょに思おもい描えがいていたのとは違ちがう展開てんかいを経験けいけんしてもらいたいと思おもっています。

4Gamer：
　実際じっさいにプレイしたり，お話はなしを聞きいたりしていると，バトロワ的てきな要素ようそはありつつも，既存きそんのバトロワタイトルとは違ちがった方向ほうこう性せいを感かんじますが，本ほん作さく独自どくじの魅力みりょくと考かんがえていらっしゃるのは，どこになるでしょうか。

Kim氏し：
　今いまある多おおくのバトロワゲームは，真剣しんけん過すぎると思おもうんです。ハードコアな要素ようそが強調きょうちょうされていて，プレイ後ごに疲つかれ切きってしまった経験けいけんがある人ひともいると思おもいます。
　そこで我々われわれは，気軽きがるに楽たのしめる乱闘らんとうアクションとバトロワを適切てきせつにミックスした，ライトなゲーム性せいを追求ついきゅうしています。
　数すう十じゅう人にんが1か所しょに集あつまって展開てんかいされる乱闘らんとうアクションを楽たのしみにしていただきたいです。そもそもバトロワのルールは，そういった乱闘らんとうのほうが向むいているのではないかとも思おもっています。

4Gamer：
　気軽きがるに楽たのしめるというのは，実際じっさいにプレイしても感かんじました。では，日本にっぽんのプレイヤーに向むけてのメッセージをお願ねがいします。

Kim氏し：
　日本にっぽんは，PvPジャンルがあまり好このまれないとされる一方いっぽうで，バトロワは人気にんきという，独特どくとくな市場いちばだと感かんじていますが，日本にっぽんアニメ風ふうのグラフィックスを持もったバトロワゲームとして，日本にっぽんでも積極せっきょく的てきにアピールしたいと思おもっています。
　実みを言いうと，本ほん作さくのグラフィックスは，韓国かんこくだと「人ひとによって好すき嫌きらいがあるかも」という感かんじなのですが，敢あえて日本にっぽん向むけにしたという経緯けいいがあります。なので，ぜひご覧らんいただきたいですね。応援おうえんのほど，よろしくお願ねがいします。期待きたいしてください！