「プロ野球やきゅうカードゲーム ドリームオーダー」メディア体験たいけん会かいレポート。投手とうしゅと打者だしゃの対決たいけつにフォーカスした読よみ合あいと，TCGらしい戦略せんりゃく性せいを楽たのしめる

　ブシロードは，プロ野球やきゅうを題材だいざいにしたトレーディングカードゲーム「プロ野球やきゅうカードゲーム ドリームオーダー」（以下いか，ドリームオーダー）を2024年ねん4月がつ20日はつかに発売はつばいする。それに先駆さきがけてブシロード本社ほんしゃにて，メディア向むけ体験たいけん会かいが開催かいさいされた。本稿ほんこうでは，プロ野球やきゅうのルールをシェイプし，TCGらしさも盛もり込こんだ本ほん作さくのプレイフィールをお伝つたえしていこう。

ブースターパックに収録しゅうろくされる，球団きゅうだんマスコットのカードも展示てんじされていた

球団きゅうだんマスコットのカードは「タイムカード」と呼よばれ，選手せんしゅを交代こうたいする際さいに用もちいる。プロモーションで配布はいふされたタイムカードはキラキラと輝かがやく加工かこうが施ほどこされている。こちらは読売よみうりジャイアンツの「ジャビット」と北海道ほっかいどう日本にっぽんハムファイターズの「フレップ・ザ・フォックス」

会場かいじょうでは「プレイボール！」の掛かけ声ごえとともに試ためし遊ゆうがスタート。和気わきあいあいとした雰囲気ふんいきでドリームオーダーを楽たのしんだ

投手とうしゅと打者だしゃの対決たいけつにフォーカスした読よみ合あいを楽たのしめる

　メディア体験たいけん会かいの冒頭ぼうとうでは，ブシロードの代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょうである木谷きたに高明こうめい氏しが登壇とうだん。「現在げんざいのカードゲームはアニメやゲーム，オリジナルのものが主流しゅりゅう。スポーツがテーマになった本格ほんかく的てきカードゲームは日本にっぽんに存在そんざいしない。プロ野球やきゅうは日本にっぽんで最大さいだいのイベントでありIP。ドリームオーダーは野球やきゅうの面白おもしろさや選手せんしゅのカッコ良よさを表現ひょうげんできており，必かならず成功せいこうさせる」と意気込いきごみを語かたった。

ブシロードの代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょうである木谷きたに高明こうめい氏し

　ドリームオーダーは，2人ふたりのプレイヤーが自分じぶんで構築こうちくしたチームのデッキを使つかい，攻撃こうげきと守備しゅびを交代こうたいしつつ3イニングを戦たたかう。3イニング目めが終おわった時点じてんで，点数てんすうの多おおい方ほうが勝かちだ。詳くわしいルールについては公式こうしきサイトのプレイガイドを参考さんこうにしてほしい。

「プロ野球やきゅうカードゲーム ドリームオーダー」プレイガイド

　本ほん作さくのルールは，投手とうしゅと打者だしゃの駆かけ引ひきにフォーカスしたものになっており，実際じっさいの野球やきゅうをかなりシンプルにまとめている印象いんしょうだ。

お互たがいのプレイマットを合あわせて球場きゅうじょうが形作かたちづくられる。上下じょうげの端はしに並ならんでいるのがスターティングメンバー。現在げんざいは手前てまえ側がわが攻撃こうげきのイニングで，1・2塁るいに出塁しゅつるいしている

　選手せんしゅカードには打力だりょくを示しめす「アタックポイント」と，投球とうきゅう力りょく / 守備しゅび力りょくを表あらわす「ディフェンスポイント」が存在そんざいする。打者だしゃのアタックポイントの合計ごうけいが投手とうしゅのディフェンスポイントの合計ごうけいを上回うわまわれば，バットがボールに当あたったことになり，その後ごにサイコロを振ふって打球だきゅうがどうなったかの判定はんていを行おこなう。逆ぎゃくに，投手とうしゅのディフェンスポイント合計ごうけいが高たかければ，打者だしゃは打うち取とられてアウトとなる。


　ここに駆かけ引ひきをもたらすのが，強振きょうしんorミートという2つの選択肢せんたくしと選手せんしゅに力ちからを貸かすサポートの概念がいねんだ。

　お互たがいのプレイヤーは，打者だしゃと投手とうしゅの勝負しょうぶの際さいに手札しゅさつの中なかから選手せんしゅのカードをサポートとして出だし，アタックポイントやディフェンスポイントを足たすことができる。ディフェンスポイントは投手とうしゅ＋サポートの合計ごうけい，アタックポイントは打者だしゃ＋サポートの合計ごうけいとなる。選手せんしゅにも個性こせいがあり，強振きょうしんのサポートが得意とくいな者もの，ミートの守まもりが得意とくいな者ものなどさまざまだ。サポートカードは，勝負しょうぶの際さいにサポートゾーンに少すくなくとも1枚まい（最大さいだい2枚まい）裏うら向むきで出だしておく。

　打者だしゃはサポートカードを伏ふせる際さいに強振きょうしんとミート，どちらかの打だ法ほうを決きめておく必要ひつようがある（サポートのカードには「強振きょうしんを狙ねらった際さいのアタックポイント」か「ミートを選えらんだ際さいのアタックポイント」が書かかれており，自分じぶんが選えらんだ打だ法ほうのアタックポイントのみを足たすことができる）。

　そして投手とうしゅは，サポートのカードに書かかれた「強振きょうしんを守まもるディフェンスポイント」「ミートを守まもるディフェンスポイント」を見みて，打者だしゃ打だ法ほうのディフェンスポイントを足たす。
　逆ぎゃくに言いえば，打者だしゃが選えらんだ打だ法ほうのディフェンスポイントしか足たせない。いくら強振きょうしんのディフェンスポイントが高たかいカードを張はり込こんだとしても，打者だしゃがミートを狙ねらっていたら何なんの効果こうかもないわけだ。

　「アイツ，強振きょうしんとミートのどっちを狙ねらってるかな？」と相手あいての動向どうこうを探さぐりつつ，サポートというリソースを注つぎ込こむ。読よみが当あたることもあれば，外はずれることもあるというスリルが楽たのしい。

打席だせきに立たつのは2番ばんの牧まき選手せんしゅ（右みぎ）で，「アタックポイント（AP）」は牧まき選手せんしゅカードの左ひだりに書かかれた「6」。サポートは村上むらかみ選手せんしゅ（左ひだり）。今回こんかいは「強振きょうしん」を選えらんだので，村上むらかみ選手せんしゅカードの右みぎに書かかれた「強振きょうしん AP2」を足たせる。総そうAPはメイン牧まき選手せんしゅの6＋サポート村上むらかみ選手せんしゅの2＝8。なお，カード左上ひだりうえの数字すうじや●印しるしはティーチングのためにスリーブ側がわに貼はられたシールで，実際じっさいのカードには存在そんざいしない

打撃だげきの結果けっかはサイコロで判定はんていする

　相手あいての動向どうこうを探さぐるのはそれだけでも面白おもしろいが，手札しゅさつという有限ゆうげんのリソース管理かんりやデッキ構成こうせいといった要素ようそがさらに深ふかみを加くわえる。サポートに出だせるのは手札しゅさつにあるカードだけ。手札しゅさつは1打席だせきにつき1枚まい補充ほじゅうされるが，サポートは1打席だせきに2枚まいまで出だせるため，常つねに手札しゅさつは不足ふそく気味ぎみだ。

　3アウトを取とると攻守こうしゅが交代こうたいするが，交代こうたいしたからといって手札しゅさつが増ふえるわけでもない。攻撃こうげきのために手札しゅさつをガンガン使つかってしまうと，続つづく守備しゅびで手札しゅさつが足たりずにバカスカ打うたれてしまう。2アウトで出でてくる4番ばんバッターが明あきらかに強振きょうしんを狙ねらっているのに，手札しゅさつにはミートをサポートするカードしかない，なんてことも起おこる。どうしても点てんがほしい。なんとしても守まもり抜ぬきたい。でも，ここで手札しゅさつを張はり込こんでいいものか……と葛藤かっとうがつきまとうのだ。

　守備しゅび側がわであれば，投手とうしゅを交代こうたいさせるか，得点とくてんを取とられれば手札しゅさつがある程度ていど補充ほじゅうされるが，投手とうしゅの数かずには限かぎりがある。貴重きちょうな投手とうしゅをやりくりしなければならないわけで，この辺あたりはリアルのプロ野球やきゅうっぽい。

手札しゅさつは有限ゆうげんのリソース。よく考かんがえて使つかおう

サポートは2枚まいまで出だせるが，あまり贅沢ぜいたくに使つかうと守備しゅびイニングで足たりなくなる

　もちろん，デッキ構築こうちくも重要じゅうようだ。打者だしゃや投手とうしゅと同おなじ選手せんしゅのカードをサポートに出だせれば「覚醒かくせい」が発動はつどうし，強力きょうりょくな効果こうかを得えられる。また，カードの中なかには強力きょうりょくな守備しゅびや攻撃こうげきができる「戦術せんじゅつカード」というものも存在そんざいし，逆転ぎゃくてんの一手いってを繰くり出だせる。この辺あたりはTCGっぽい派手はでさがある。とはいえ，デッキの枚数まいすうは30枚まいと決きめられているし，選手せんしゅたちの「コスト」も規定きてい値ち以下いかにしなければならない。

投手とうしゅは小島こじま選手せんしゅ（右みぎ），サポートも小島こじま選手せんしゅ（左ひだり）。小島こじま選手せんしゅの「ディフェンスポイント（DP）」は「6」。投手とうしゅとサポートに同おなじカードを出だした場合ばあいは「覚醒かくせい」が発動はつどう。サポートの小島こじま選手せんしゅが持もつDP6をそのままメインの小島こじま選手せんしゅに加算かさんできる。さらに小島こじま選手せんしゅは覚醒かくせい効果こうか「DP＋1」を持もつので，総そうDPは6＋6＋1＝13。村上むらかみ選手せんしゅのAPは8なので，小島こじま選手せんしゅが村上むらかみ選手せんしゅを抑おさえたことになる

　高こうコストの名めい選手せんしゅや強力きょうりょくな戦術せんじゅつカードを入いれれば，ほかの部分ぶぶんが圧迫あっぱくされることになる。打撃だげきを重視じゅうしするか，投手とうしゅ力りょくを重視じゅうしするか，はたまた覚醒かくせいか，戦術せんじゅつカードか。デッキ作づくりの腕前うでまえも問とわれることになりそうだ。

戦術せんじゅつカード「勝負しょうぶ師し」は，相手あいての覚醒かくせいを阻止そしする。もちろん，相手あいてが覚醒かくせいを狙ねらいそうなところに出ださなければ，単たんなる無駄遣むだづかいだ

　本ほん作さくを手てがけたTCGユニットTCG開発かいはつ2部ぶ 部長ぶちょうの和泉いずみ勇一ゆういち氏しによると，本ほん作さくの企画きかくは2023年ねん3月がつに行おこなわれた「ワールド・ベースボール・クラシック」を見みて感動かんどうしたブシロードの社員しゃいんたちが集あつまってスタートしたのだという。現代げんだいに受うけ入いれられる，プロ野球やきゅうを題材だいざいにしたTCGとして研究けんきゅうを進すすめていき，プレイとコレクションの両方りょうほうのニーズを満みたせるような作つくりを目指めざして開発かいはつが行おこなわれた。

TCGユニットTCG開発かいはつ2部ぶ 部長ぶちょうの和泉いずみ勇一ゆういち氏し

　和泉いずみ氏しによると，プロ野球やきゅうをカード化かする際さいには，選手せんしゅたちの良よいところを中心ちゅうしんに能力のうりょくを設定せっていしており，どんな選手せんしゅでもスタメンに入いれられるような強つよさにしているという。また，「昨年度さくねんどAクラスだったチームが常つねにBクラスのチームに圧倒的あっとうてきに有利ゆうり」といったような状態じょうたいを作つくらないなど，好すきなチームでフラットにプレイできる状態じょうたいを提供ていきょうしているそうだ。

　実際じっさいにプレイした印象いんしょうとしては，誰だれもが知しるプロ野球やきゅうがテーマになっているだけあり，ルールや駆かけ引ひきも分わかりやすく，普段ふだんTCGに馴染なじみがない人ひとも入門にゅうもんしやすいタイトルのように感かんじた。それでいて覚醒かくせいや戦術せんじゅつカード，選手せんしゅの特とく力りょくといったTCGらしい駆かけ引ひきもあり，TCGファンも楽たのしめそうだ。

　ドリームオーダーは2024年ねん4月がつ20日はつかから，全国ぜんこくのカードゲーム取扱とりあつかい店てんやローソンではブースターパックが販売はんばいされる。また，この日ひの明治めいじ神宮球場じんぐうきゅうじょうの東京とうきょうヤクルトスワローズ×横浜よこはまDeNAベイスターズ戦せんでPRカードがプレゼントされるのを皮切かわきりに，すでに12の冠かんむり協賛きょうさん試合しあいが予定よていされている。そして，東京とうきょう・秋葉原あきはばらのBUSHIROAD BASEにはポップアップストアがオープンする予定よていだ。プロ野球やきゅう好すきとTCG好すきなら，本ほん作さくをプレイしてみるのもいいだろう。

「プロ野球やきゅうカードゲーム ドリームオーダー」公式こうしきサイト