【2がつ26にち AFP】火星かせい観測かんそくされた地震じしん活動かつどうのデータにかんする研究けんきゅう結果けっかが24にち発表はっぴょうされた。研究けんきゅうでは、火星かせいなく震動しんどうしている「きている」天体てんたいで、地球ちきゅうつきどうレベルの地震じしん活動かつどうしめされていることがあきらかになった。

 太陽系たいようけい地球ちきゅうとなり位置いちする火星かせい着陸ちゃくりくしたべい航空こうくう宇宙うちゅうきょくNASA)の無人むじん探査たんさ「インサイト(InSight)」による火星かせい表面ひょうめんでの15かげつあいだ観測かんそくでは、「ふるえmarsquakes)」とばれる火星かせい地震じしん活動かつどうすうひゃくかい測定そくていされている。

 このなかには、地球ちきゅう構造こうぞうプレートの運動うんどうによってこされる震動しんどうおな周波数しゅうはすうのパターンのものもすうかいふくまれていた。

 えい科学かがく「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」に掲載けいさいされた論文ろんぶん共同きょうどう執筆しっぴつしゃで、べいメリーランド大学だいがくUniversity of Maryland)のニコラス・シュメル(Nicholas Schmerrじょきょう地質ちしつがく)は「地球ちきゅう以外いがい惑星わくせい直接的ちょくせつてき地球ちきゅう物理ぶつりがくてき測定そくてい実施じっし重点じゅうてんいた探査たんさミッションは今回こんかいはつであり、火星かせい内部ないぶ構造こうぞうとその作用さようかんするしん理解りかいはじめてもたらした」とべた。

 またべつ研究けんきゅうチームは、インサイト着陸ちゃくりく測定そくていした震動しんどうのうちのすくなくとも20かいはマグニチュード(M)3~4の地震じしん相当そうとうする規模きぼだったことをあきらかにしている。

 6かげつはんかけて4おく8000まんキロの宇宙うちゅう空間くうかん航行こうこうしたのち、2018ねん11月に火星かせいのエリシウム(Elysium平原へいげん着陸ちゃくりくしたインサイトは、史上しじょうはじめて火星かせい地表ちひょうめん地震じしんけい設置せっちした。火星かせいには地震じしん活動かつどう存在そんざいすると長年ながねんかんがえられてきたが、インサイトによって実際じっさいつよ震動しんどう時折ときおり発生はっせいしている証拠しょうこがもたらされ、仮説かせつとの整合せいごうせいしめされるにいたった。

 インサイトによる探査たんさ総勢そうぜい500にん国際こくさい研究けんきゅうチームの一人ひとりで、ふつパリ地球ちきゅう物理ぶつりがく研究所けんきゅうじょIPGP)の研究けんきゅうしゃのフィリップ・ロニョーネ(Philippe Lognonneによると、225日間にちかん測定そくてい検出けんしゅつされた震動しんどうすくなくとも170かいのぼり、火星かせい地震じしん活動かつどう現在げんざいまでつづいていることを、今回こんかい研究けんきゅう結果けっかしめしているという。またインサイトではこれまでに、すくなくとも460けん事象じしょう検出けんしゅつしていることをあきらかにした。

 フランス国立こくりつ宇宙うちゅう研究けんきゅうセンター(CNES)でインサイトのモニタリングシステムのプロジェクト責任せきにんしゃつとめるシャルル・ヤナ(Charles Yanaは、地震じしん活動かつどう頻度ひんどは「きわめて予想よそうがいで、これほどたかいことはモデルでは予測よそくされていなかった」とはなしている。(c)AFP