「社会しゃかい課題かだいの解決かいけつを通とおした経済けいざい成長せいちょう」をどう実現じつげんするか

日本にっぽん経済けいざいは、8月がつに入はいり日経にっけい平均へいきん株価かぶかが市場いちば空前くうぜんの乱らん高下こうげをみせるなど、短期たんき的てきには予断よだんを許ゆるさない状況じょうきょうです。一方いっぽう長期ちょうき的てきにみると、日本にっぽん経済けいざいは今いままさにデフレから脱却だっきゃくし、持続じぞく的てきな成長せいちょう型がた経済けいざいへの転換てんかんを図はかっていく正念場しょうねんばにあるといえます。その実現じつげんの肝きもは、気候きこう変動へんどうや格差かくさの拡大かくだいなど社会しゃかい課題かだいの解決かいけつを通とおした経済けいざい成長せいちょうです。持続じぞく的てきな成長せいちょうと中長期ちゅうちょうきの企業きぎょう価値かち向上こうじょうを目指めざすサステナ経営けいえいの実践じっせんが重要じゅうようです。（オルタナ編集へんしゅう委員いいん/サステナビリティ経営けいえい研究けんきゅう家か＝遠藤えんどう 直見ぬくみ）

■ROEやPBR、米国べいこくや欧州おうしゅう企業きぎょうに見劣みおとり

日本にっぽん企業きぎょうの持続じぞく的てきな成長せいちょうと中長期ちゅうちょうきの企業きぎょう価値かち向上こうじょうに向むけて、過去かこ10年間ねんかんにわたり政府せいふは様々さまざまな施策しさくを打うってきました。伊藤いとうレポート、価値かち協きょう創そうガイダンス、コーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードなどの制せい改訂かいていです。

日本にっぽん企業きぎょうに対たいし、資本しほん収益しゅうえき性せいの向上こうじょう、無形むけい資産しさんの活用かつよう、取締役とりしまりやく会かいの改革かいかく、投資とうし家かとの建設けんせつ的てきな対話たいわなどの重要じゅうよう性せいを訴うったえます。加くわえて、サステナビリティやESGを経営けいえいの中核ちゅうかくに組くみ込こむことの重要じゅうよう性せいについても訴求そきゅうしています。

これらの取組とりくみにより経営けいえい変革へんかくが進展しんてんし、企業きぎょう価値かちが向上こうじょうした企業きぎょうも存在そんざいします。しかし日本にっぽん企業きぎょう全体ぜんたいでは、依然いぜんとしてROE（自己じこ資本しほん利益りえき率りつ）、PER（株価かぶか収益しゅうえき率りつ）、PBR（株価かぶか純資産じゅんしさん倍率ばいりつ）などのパフォーマンス指標しひょうにおいて、米国べいこくや欧州おうしゅう企業きぎょうと比較ひかくして差さがあるのが実情じつじょうです。

この10年間ねんかん、一部いちぶの企業きぎょうを除のぞき、多おおくの日本にっぽん企業きぎょうにおいて、資本しほん収益しゅうえき性せいや成長せいちょう性せいなどの課題かだいが解消かいしょうされず、企業きぎょう価値かち向上こうじょうに結むすびつかなかったのはなぜでしょうか。

この要因よういんを分析ぶんせきし、今後こんごの対応たいおうの方向ほうこう性せいを検討けんとうすることを目的もくてきとして、 経けい産さん省しょうは「持続じぞく的てきな企業きぎょう価値かち向上こうじょうに関かんする懇談こんだん会かい」（座長ざちょう：伊藤いとう邦雄くにお・一橋大学ひとつばしだいがくCFO教育きょういく研究けんきゅうセンター長ちょう）を設置せっちし、議論ぎろんを重かさねてきました。6月26日にち、これまでの4回かいの議論ぎろんの結果けっかを「座長ざちょうとしての中なか間あいだ報告ほうこく」として公表こうひょうしました。

■企業きぎょう価値かちに結むすびつかない「5つの課題かだい」
■企業きぎょうと投資とうし家か、「企業きぎょう価値かち」の認識にんしきにズレ
■低ていROE企業きぎょうは事業じぎょうポートフォリオの最適さいてき化かを
■経営けいえい戦略せんりゃくには社会しゃかいの持続じぞく可能かのう性せいを踏ふまえよ
■「ステークホルダー価値かち」の解像度かいぞうどを上あげよ

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