気候変動によって、北米や欧州で発生する山火事は年々、その規模を拡大しつつある。米カリフォルニアでは、石油会社がカーボン・オフセットとして購入した森林区画(森林クレジット)が焼失した。米NPOは、カーボン・オフセットは気候変動リスクに対して脆弱だと指摘する。(オルタナ副編集長・北村佳代子)
カーボン・オフセットは、経済活動において発生する温室効果ガス(GHG)対策の一つ。企業等が最大限の削減努力をしたうえで、それでも排出せざるを得ない場合に、残りの排出分を相殺(オフセット)する仕組みだ。
そのための手段の一つであるカーボン・クレジットは、自社のサプライチェーンとは別の場所で吸収・削減したGHGを、クレジット(証書)として売買する仕組みだ。森林の適切な管理を行うことで期待されるCO2吸収量もクレジットとして取引されている。
■シェブロンやシェルの森林クレジットも焼失
■「カーボン・オフセットは気候変動リスクに脆弱」とNPO