EU-ETS(EU-Emissions Trading System:欧州連合域内排出量取引制度)は、欧州連合で行われているキャップ・アンド・トレード型の排出量取引制度。決められた排出枠(キャップ)を超える温室効果ガスを出した企業は、上限に達していない企業から排出枠を購入(トレード)する。
京都議定書の発行を受け2005年始まり、試験段階の第1フェーズ(2005〜07年)、目標値を導入した第2フェーズ(2008〜12年)、排出枠を無償から有償(オークション)とした第3フェーズ(2013〜20年)と、段階を経て運用が続けられてきた。
第4フェーズ(2021〜30年)では、EU理事会が21年12月に表明した「2030年の温室効果ガス排出量を55%削減(1990年比)」を目指す。
EUに加盟する27ヵ国の発電、鉄鋼、セメント、石油精製、航空部門などが制度の対象となっており、EU域内の排出量の約40%をカバー。2030年の削減目標達成に向けて、23年からは海運部門も対象となる。