トマト200個こ？江戸えどっ子こ植木うえき屋やさんに導みちびかれ　小説しょうせつ家か・中島なかじま京子きょうこさん

　庭にわにトマトが育そだっている。

　このエッセイをみなさんが読よまれるころには、たくさんの青あおい実みがついているのではないかと期待きたいしているのだけれども、さて、どうなることやら。なぜトマトを育そだて始はじめたかというと。

　ある日ひ、家いえに帰かえってくると、我わが家やの写真しゃしんを撮とっている二人ふたりの人物じんぶつに出でくわした。「スワ、不審ふしん者しゃ！」と警戒けいかいして、できる限かぎりイカツい表情ひょうじょうを作つくって「ナンデスカ」と問とい詰つめたところ、それは自治体じちたいの耐震たいしん改修かいしゅう担当たんとうの方々かたがただった。通学つうがく路ろに面めんしたうちのブロック塀へいが古ふるくて危険きけんだと、市民しみんから通報つうほうがあったのだという。

　家いえのリフォームをしたばかりで、お金かねもないし。とは思おもったが、うちの前まえを元気げんきに通学つうがく・通園つうえんする小学生しょうがくせいや幼稚園ようちえん児じに、地震じしんで倒壊とうかいしたブロック塀へいが襲おそい掛かかることを考かんがえると、改修かいしゅうせざるを得えまいとも思おもう。助成じょせい金きんも、少すこし出でるという。それで思おもい切きってブロック塀へいを撤去てっきょし、外そと構を新あたらしくしたのが去年きょねんの暮くれだった。

　壁かべだけなんとかすればいいのか…