教室きょうしつ支ささえる外国がいこくルーツの先輩せんぱいたち　「自分じぶんと同おなじ思おもいしてほしくない」

　昨年さくねん末まつ、いくのパーク（大阪おおさか市し生野いくの区く）でパーティーがあった。

　参加さんかしたのはアジア、南米なんべい、アフリカにルーツをもつ約やく30人にんの若者わかもの。IKUNO・多た文化ぶんかふらっとが昨年さくねん、外国がいこくルーツの若者わかものを対象たいしょうに、小中学生しょうちゅうがくせいの支援しえん者しゃを育そだてる講座こうざを始はじめ、その参加さんか者しゃが企画きかくした。

　司会しかいはライアン（20）が務つとめた。

　自己じこ紹介しょうかいゲームやクイズで盛もり上あげた後のちは、お菓子かしとジュースで歓談かんだん。参加さんか者しゃ一いち人にんひとりに声こえをかけ、連絡れんらく先さきを交換こうかんしていた。

　「海外かいがいルーツどうしがつながれる場所ばしょって、本当ほんとうに限かぎられてるんで」と言いう。

教室きょうしつは「自分じぶんにとっても居場所いばしょ」

　大阪おおさか生うまれで、スリランカとフィリピンにルーツをもつ。

　昨年さくねん春はる、ふらっとの教室きょうしつで講師こうしを始はじめた背景はいけいには「自分じぶんにもこんな場所ばしょがあればよかったな」との思おもいがある。小学生しょうがくせいの頃ころから、日本語にほんごが不得手ふえてな親おやの代かわりに学校がっこうや役所やくしょの手続てつづきを担にない、しんどさを抱かかえてきた。

　教室きょうしつで見みせる顔かおは多彩たさいだ。ネパール出身しゅっしんの受験生じゅけんせいに英語えいごで入試にゅうし対策たいさくを教おしえ、冗談じょうだんを交まじえて笑わらわせる。中学生ちゅうがくせいをカードゲームに誘さそって盛もり上あげる。小学生しょうがくせいとはサッカー。2月がつ末まつ、第だい1志望しぼうの高校こうこうに不ふ合格ごうかくだった子こが教室きょうしつに来きた夜よるは、そっと肩かたをたたき、「次つぎはいける」と励はげましていた。

　ライアンは今春こんしゅん、大学生だいがくせいになった。入学にゅうがく当初とうしょは大学だいがく側がわから留学生りゅうがくせいのような扱あつかいを受うけ、「どこがダイバーシティーや」と憤いきどおっていた。国会こっかい審議しんぎ中ちゅうの、永住えいじゅう許可きょか取とり消けしのハードルを下さげる入管にゅうかん難民なんみん法ほう改正かいせい案あんには、永住えいじゅう者しゃとして不安ふあんを口くちにする。

　生いきづらさを感かんじる社会しゃかいで、教室きょうしつは「自分じぶんにとっての居場所いばしょでもある」と言いう。

　「ここでは自分じぶんも受うけ入いれられる。子こどもの言葉ことばや笑顔えがおがエネルギーになります」

不ふ就学しゅうがくの後輩こうはいに母語ぼごで助言じょげん

　5月16日にち、多た文化ぶんかふらっとの教室きょうしつに新人しんじん講師こうしがやってきた。大学だいがく1年ねんのポウデェル・アスミット（18）。

　教室きょうしつの卒業生そつぎょうせいで講師こうしになったのはアスミットが1人ひとり目めで、その初日しょにちだった。

　小学しょうがく5年ねんのとき、料理人りょうりにんの父親ちちおや…