立憲が提出の内閣不信任案、自公の反対で否決 維新など野党が賛成
大久保貴裕
立憲民主党が提出した岸田文雄内閣への不信任決議案は20日の衆院本会議で、自民、公明両党などの反対多数で否決された。一方、日本維新の会、共産党、国民民主党などの野党が賛成した。首相は23日までの会期を延長しない方針。今国会は事実上、21日に閉会する。
立憲の泉健太代表は趣旨弁明で、首相の政権運営について、「考え方や方針が見えず、決断もないために何かにつけ後手後手。出てきた中身はどれも空疎だった」と指摘。その典型として、自民派閥の裏金事件への対応を挙げた。
泉氏は、事件の発覚から半年以上が経過しているにもかかわらず、実態解明や裏金作りに関与した自民議員の説明は不十分だと批判した。19日に成立した自民提出の改正政治資金規正法について、泉氏は「抜本的な政治改革に踏み込めない。検討項目ばかりのやったふりでしかなく、岸田内閣では正しい処方箋(せん)を示すことができない」と断じ、首相に退陣を求めた。
立憲が不信任案を提出したのは、全野党が賛成した昨年12月の臨時国会以来。
維新と共同会派を組む教育無償化を実現する会の斎藤アレックス氏は、賛成討論で「岸田内閣と自民の最大の問題は公党間の約束さえ、歯牙(しが)にもかけないうそつきだということだ。うそつきに政権を担う資格はない」と述べた。維新は改正規正法の衆院採決では賛成したが、首相との党首会談で合意した調査研究広報滞在費(旧文通費)の使途公開などをめぐり、自民が今国会での対応を見送ったことを受けて参院で反対に転じ、政権との対決姿勢を強めていた。
首相は不信任案の否決後、首相官邸で記者団の取材に応じ、「引き続き政治改革をはじめ、先送りできない課題に対し、全力で取り組んでいきたい」と述べた。(大久保貴裕)
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