兵庫県の斎藤元彦知事らを内部告発した元西播磨県民局長の男性が7日に死亡したことで、県庁内に動揺が広がっている。斎藤知事を支えてきた県議や県幹部らからも、一連の経過について知事の初動対応の問題点を指摘する声が強まり、「道義的責任」を問う声も出ている。
9日、斎藤知事の公務の予定は取り消され、「庁内打ち合わせ」のみとなった。県秘書課は、元県民局長が亡くなったことを受けて「総合的に判断した」と説明した。
元県民局長は、告発内容の真偽をただすために県議会に設けられた調査特別委員会(百条委員会)での証言を控えていた。死亡が明らかになった8日以降、百条委の設置に賛成した中堅県議のもとには、県職員から「徹底的に調査してほしい」といった声が相次いで届いているという。
この県議は「一連の問題の発端は知事にある。追及の手を緩めてはいけない」と言う。
県職員労働組合は10日に、知事の辞職を求める申し入れをする。
斎藤知事は告発についての調査結果が出る前に、内容を否定した。知事を支援してきた自民県議の一人は9日、「初動が痛かった。歴史に残るくらい。認めるところは認め、謝りながら前に進むべきだった」と指摘。また「どうして元県民局長が亡くなったのか検証する必要がある。(今後の百条委は)調査対象になる職員の心理的負担の軽減策を講じてからやるべきだ」と話した。
斎藤知事を支えてきた県幹部の一人は、元県民局長が死亡したことで「知事の道義的責任の問題になった」と言う。別の県幹部からは「もう知事を守りきれない。今は職員を守らないといけない」との声が上がっている。
一連の問題「政局に発展」
元県民局長が告発文書を配布し…