【対談たいだん】Ran × 植田うえだ真梨まり恵めぐみ、コラボ第だい三さん弾だんは同郷どうきょうの大だい先輩せんぱいと闇やみ落おちをテーマに万華鏡まんげきょうサウンド「自信じしんに繋つながったというか、私わたしの誇ほこり」

Ranが活動かつどう5周年しゅうねんを記念きねんしてコラボレーション三さん部ぶ作さくを展開てんかい中ちゅうだ。第だい一いち弾だん“feat.新しん⼭詩織しおり”は、ふたりの女性じょせいシンガーソングライターによる初はつコラボ作品さくひんであり、憧あこがれのアーティストとの共同きょうどう制作せいさくが「あの日ひ feat.新山にいやま詩織しおり」「春はる曇くもり feat.Ran」といった2曲きょくを生うみ出だした。続つづく第だい二に弾だんは、同おない年どしであり女性じょせいシンガーソングライター同士どうしとして公私こうし共どもに親交しんこうの深ふかいmihoro*とのコラボレーション「ドリアン feat.mihoro*」。そしてシリーズ三さん部ぶ作さくのラストを飾かざるのは、同郷どうきょうである福岡ふくおか出身しゅっしんのシンガーソングライター・植田うえだ真梨まり恵めぐみを迎むかえたコラボだ。

◆Ran × 植田うえだ真梨まり恵めぐみ 動画どうが / 画像がぞう

完成かんせいした楽曲がっきょく「Lady Frappuccino, feat.植田うえだ真梨まり恵めぐみ」は、二人ふたりの歌声うたごえが絡からみ合あいながら生うまれるミステリアスなハーモニー、ドラマチックな展開てんかい、複雑ふくざつに渦巻うずまく心情しんじょうを映うつし出だすメロディが印象いんしょう的てき。高校こうこう時代じだいに植田うえだ真梨まり恵めぐみの「心しんと体からだ」を聴きいたというRanは、「もう中毒ちゅうどくでした。こんな声ごえに生うまれたかった。憧あこがれを持もつと共ともに何者なにものでもない自分じぶんに悔くやしくなりました」と語かたり、「ここに来きて「心しんと体からだ」を聞きいた時ときの感情かんじょうが、初はじめて自分じぶんのことを歌うたにした時ときの自分じぶんが、戻もどってきました」と今回こんかいのコラボに運命うんめいも必然ひつぜんも感かんじていたようだ。

Ranにとって、「闇やみ堕おち、カスタマイズ、フラペチーノ、こんなにイメージがあって曲きょくを描えがいたのは初はじめてでした。イメージを踏襲とうしゅうして、実現じつげんして、人生じんせい初はじめての経験けいけん」となった新しん境地きょうちを告つげる同どう曲きょくは、どのようにして生うまれたのだろうか？ 完成かんせいに至いたるまでに重かさねた話はなし合あい、込こめられている想おもい、制作せいさくエピソードについて二に人にんが語かたってくれた。


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■作品さくひん性せいが強つよくて、心しんの闇やみの部分ぶぶんに
フォーカスした曲きょくになったらいいな

──植田うえださんとRanさんが初はじめて会あったのは、2019年ねん11月。お二に人にんの地元じもと・福岡ふくおかのキャナルシティでのイベントの時ときだったそうですね。

植田うえだ：はい。楽屋がくやにRanちゃんが挨拶あいさつに来きてくれたんです。その前年ぜんねんに私わたしが地元じもとの久留米くるめで開催かいさいしたワンマンライブを観かんに来きてくれた時ときの話はなしとかもしてくれて、それも嬉うれしかったです。すぐに「めちゃくちゃかわいいー！」と叫さけびました。

Ran：私わたしは久留米くるめの隣となりの柳川やないご市し出身しゅっしんなんです。もともと植田うえださんの曲きょくを聴きいたり、「心しんと体からだ」のミュージックビデオを観みたりしてて、“こんな声ごえに生うまれたかったな”と思おもっていたんですね。初はじめてご挨拶あいさつした時ときは緊張きんちょうしたんですけど、植田うえださんはとても気きさくに接せっしてくれたといいますか。“ツンケンされたらどうしよう”と思おもっていたので（笑）、逆ぎゃくに裏切うらぎられた感かんじで嬉うれしかったです。


──「こんな声ごえに生うまれたかった」と言いわれていますが、植田うえださんはご自身じしんの声こえについてどのように感かんじているんですか？

植田うえだ：歌うたうことは大好だいすきですし、自信じしんもあったんですけど、声こえ自体じたいには個性こせいがないとずっと思おもっていたんです。第一声だいいっせいで“この人ひとだ！”とすぐにわかる声こえに今いまでも憧あこがれがあるので、褒ほめられると“こんな普通ふつうなのに？”と感かんじます。

Ran：いや、第一声だいいっせいで“植田うえださんだ！”ってわかります。

──Ranさんは、ご自身じしんの声こえについてどのように感かんじていますか？

Ran：たとえば、友ともだちが撮とった動画どうがとかで自分じぶんの声こえを聞きいて感かんじる“なんだこれ？”みたいな違和感いわかんはずっとありました。でも“自分じぶんの声こえが嫌きらい”というよりは、“こんな声ごえに憧あこがれるな”という気持きもちが大おおきい感かんじでしたね。

──活動かつどう5周年しゅうねんを迎むかえたRanさんは2024年ねんに入はいってから、第だい一いち弾だんとして新山にいやま詩織しおりさん、第だい二に弾だんとしてmihoro*さんとのコラボ曲きょくをリリースしてきました。今回こんかい、第だい三さん弾だんで植田うえだ真梨まり恵めぐみさんにお願ねがいした理由りゆうは？

Ran：植田うえださんはもともと同おなじ事務所じむしょの先輩せんぱいで、地元じもとも近ちかくて、学生がくせいの頃ころから曲きょくを聴きかせていただいていたので、コラボをお願ねがいする上じょうで、自分じぶんの中なかで完璧かんぺきなストーリーがすごくあるなと感かんじていたんです。ダメ元もとでお願ねがいしたら快こころよくOKしていただけました。ありがとうございます。

植田うえだ：いえいえ、とんでもない。とても嬉うれしかったんです。私わたしは昨年さくねん事務所じむしょから独立どくりつしたんですけど、今いまはなるべくいろいろな人ひとと一緒いっしょに何なにかをやりたいという気持きもちも大おおきかったんですね。これまでの活動かつどうは自分じぶんひとりで歌うたうことが多おおくて、ちょうどコラボとかもしたいなと思おもっていた時期じきだったので、すごくありがたいお話はなしでした。でも…納期のうきが迫せまっていたんです（笑）。“このスケジュールでできるのかな？”という心配しんぱいはありました。


──オファーが来きたのはいつ頃ごろだったんですか？

植田うえだ：8月がつ入はいってからだよね？

Ran：はい。

──この取材しゅざいの1ヵ月かげつちょっと前まえくらいですね（笑）。

植田うえだ：でも、時間じかんがないからこそ余計よけいに濃こいものができたと思おもえるのは、Ranちゃんに3日間にちかん、大阪おおさかに来きてもらって、その間あいだギュッと濃縮のうしゅくさせて制作せいさくを進すすめることができたからで。東京とうきょうと大阪おおさかで、住すんでいるところも離はなれているし、データで何なん度どもやり取とりをして長ながい時間じかんを掛かける制作せいさくよりは、今回こんかいは勢いきおいをもって作つくり上あげることができたので、結果けっか的てきに期間きかんが短みじかかったことが良よいほうに作用さようしたかなと思おもいます。

Ran：8月がつ中旬ちゅうじゅん辺あたりに、3日間にちかんの合宿がっしゅくみたいな形かたちで植田うえださんが住すんでいらっしゃる大阪おおさかにうかがいまして。最初さいしょは死しぬほど緊張きんちょうして、“「こいつ使つかえないな」とか思おもわれたらどうしよう？”と（笑）。でも、「気遣きづかわんでね」と言いってくださって、すごく楽たのしくできました。

植田うえだ：私わたしはRanちゃんの10歳上としうえですから。先輩せんぱいの家いえに3日間にちかんも行いくことになったら誰だれでもかなりやりづらいと思おもいます（笑）。

──合宿がっしゅくの前まえにリモートで打うち合あわせをしたそうですが、資料しりょうによると「なんだか色いろんな意味いみでかなり大人おとなになったね」とRanさんは植田うえださんから言いわれたそうですね。

Ran：はい。私わたしが上京じょうきょうしたのは18歳さいくらいで、そこからコロナ禍かに至いたるまでは自分じぶんの嫌いやなところや、周囲しゅういに対たいする不満ふまんとかを曲きょくにしていたんです。でも、最近さいきんは思おもい浮うかぶがままに曲きょくを書かいているんですね。それに昔むかしは、今いまみたいに笑顔えがおでお話はなしをする感かんじでもなかったですし。だから植田うえださんのお言葉ことばを聞きいてドキッとしました。

植田うえだ：私わたしが初はじめて会あった時ときのRanちゃんも天真爛漫てんしんらんまんな印象いんしょうでしたけどね。ニコニコ笑わらっていて、『ご近所きんじょ物語ものがたり』のパーカーを着きていて、ポップで健康けんこう的てきな存在そんざい感かんをもつ女おんなの子こでした。でも、頂いただいたCDの曲きょくのテーマは心しんの痛いたみを含ふくんでいる印象いんしょうを受うけたので、本人ほんにんのはつらつとした感かんじと、曲きょくのダークな感かんじのギャップがあって、それがいいなと感かんじていたんです。


──資料しりょうによると「Ranちゃんの屈託くったくのない笑顔えがおや小こぶりで可愛かわいらしい見みた目めと、5年ねんの時ときを経へて現在げんざい大人おとなになりゆく彼女かのじょの今いまの感かんじとが被かぶさるといいかなと書かき進すすめました」とのことですが、久ひさしぶりにリモートで会あったら、初対面しょたいめんとは印象いんしょうが変かわっていたという？

植田うえだ：はい。久ひさしぶりに話はなしをしたらあまり喋しゃべらないし、わりと大人おとなしくて、丁寧ていねいに言葉ことばを選えらんでいる印象いんしょうだったんです。“上京じょうきょうして大人おとなになったのね。苦労くろうされているのかしら？”と若干じゃっかん思おもったりもしました（笑）。

──そういうリモート打うち合あわせを経へて、どのように楽曲がっきょく制作せいさくが進すすんで行いったのでしょうか？

Ran：まず、植田うえださんと曲きょくのテーマについてリモートとか電話でんわでお話はなしをしている中なかで、“闇やみ堕おち”というキーワードが出でてきたんです。でも、そこからどうやって進すすめたらいいのかあまりわからなくて。大阪おおさかに行いって一緒いっしょに歌うたいながら作つくることは決きまっていたんですけど、その前まえに少すこし何なにかを形かたちにしなくちゃいけないと思おもいつつも、“こういう曲きょくを書かきたい”というイメージに沿そったフレーズが1個いっこも出でてこなかったんですね。だから“一旦いったん、深ふかく考かんがえ過すぎるのはやめよう”と思おもって、朝風呂あさぶろに入はいる前まえにボイスメモに録音ろくおんしたフレーズを4つくらい植田うえださんに送おくったんです。これをきっかけとして、違ちがうなら違ちがう、いいならいいと言いっていただけるだろうと。お送おくりしたデータは1フレーズとかでもなくて、本当ほんとうに“♪ラララ～”といったメロディーの欠片かけらだったんですけど、「これいいね」とおっしゃっていただけたのが1つありました。

植田うえだ：リモート打合うちあわせの後のちに電話でんわでお話はなしをした時とき、年齢ねんれいの差さもあるし、前まえから仲良なかよしって感かんじのコラボではないので、作品さくひん性せいが強つよくて、Ranちゃんが心しんの中なかに持もっているであろう、消きえてしまいそうな闇やみの部分ぶぶんにフォーカスした曲きょくになったらいいなというイメージが浮うかんだんです。二人ふたりで歌うたうならコーラスワークが激はげしかったり、あんまり聴きいたことがない音像おんぞうがあったり、コラボならではの曲きょくにしたい、という細こまかいイメージが。だから、その電話でんわの中なかで、「『セーラームーン』のちびうさの闇やみ堕おちみたいなイメージで曲きょくを作つくりたい」というようなことを言いって、私わたしはリファレンスとしてシステム・オブ・ア・ダウンとか、コーラスが激はげしいような曲きょくを3曲きょくくらい送おくったんです。「これくらいマイナー調ちょうで神々こうごうしいメロディを、思おもいつきでいいから送おくって」とお願ねがいして。Ranちゃんの歌声うたごえをとにかくフィーチャーしたかったので、二に声こえが絡からまることで、“声こえだけですごい！”みたいな世界せかい観かんが出でればいいなと思おもってました。

Ran：私わたしが送おくったボイスメモの録音ろくおんをもとに植田うえださんが頭あたまのメロディーやAメロやサビとかを書かき進すすめてくださって。それを聴ききながら大阪おおさかへ行いった感かんじでした。

──それをもとにイメージを共有きょうゆうして、大阪おおさかで作詞さくしや作曲さっきょくを二人ふたりで進すすめていったんですね。

Ran：はい。

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