ビッグイシュー日本にっぽんとは

ビッグイシューは市民しみんが市民しみん自身じしんで仕事しごと、「働はたらく場ば」をつくる試こころみです。2003年ねん9月がつ、質しつの高たかい雑誌ざっしをつくりホームレスの人ひとの独占どくせん販売はんばい事業じぎょうとすることで、ホームレス問題もんだいの解決かいけつに挑戦ちょうせんしました。ホームレスの人ひとの救済きゅうさい（チャリティ）ではなく、仕事しごとを提供ていきょうし自立じりつを応援おうえんする事業じぎょうです。ビッグイシューの原型げんけいは1991年ねんにロンドンで生うまれました。

詳くわしくは販売はんばいのしくみをご覧らんください！

コンセプトと編集へんしゅう方針ほうしん
創刊そうかんの背景はいけい
国際こくさいネットワーク
販売はんばいのしくみ

社会しゃかい的てき企業きぎょうとは、ビジネスの手法しゅほうで社会しゃかい問題もんだいの解決かいけつにチャレンジする企業きぎょうのことです。最もっとも解決かいけつが難むずかしいと思おもわれていたホームレス問題もんだいですが、野宿のじゅくをしているホームレスの人ひとでも、その多おおくが働はたらいており、働はたらいて収入しゅうにゅうを得えることを望のぞんでいます。ビッグイシュー販売はんばい者しゃとなった人ひとは１冊さつ500円えんの雑誌ざっしを売うれば、半分はんぶん以上いじょうの250円えんを収入しゅうにゅうとできる、ビジネスパートナー、代理だいり店主てんしゅ、自営業じえいぎょう者しゃとなります。

創刊そうかんから20年ねんと8ヵ月かげつを経へて、『ビッグイシュー日本にっぽん版ばん』の累計るいけい販売はんばい冊数さっすうが1000万まん冊さつを超こえました。
現在げんざいはおよそ100人にんが販売はんばい、これまでの登録とうろく者しゃ数すうは2070人にん、16億おく2371万まん円えんの収入しゅうにゅうを提供ていきょうしてきました。(2024年ねん5月がつ）

創刊そうかん前まえ、ビッグイシュー日本にっぽんは100％失敗しっぱいするといわれました。日本にっぽんでは、

1. 若者わかものの活字かつじ離はなれ、
2. 雑誌ざっしの路上ろじょう販売はんばい文化ぶんかがない、
3. 優すぐれたフリーペーパーが多おおく有料ゆうりょうでは買かってもらえない、
4. ホームレスの人ひとからは買かわない、

という四よん重じゅう苦くが、その理由りゆうでした。創刊そうかんから18年間ねんかんで、多おおくの市民しみんとともにこの常識じょうしきに挑戦ちょうせんし、累計るいけい942万まん冊さつ を売うり、ホームレスの人ひとに14億おく8,920万まん円えんの収入しゅうにゅうを提供ていきょうしました。（2022年ねん3月がつ現在げんざい）

ビッグイシュー販売はんばい者しゃには、制服せいふく、マニュアルはありません。マニュアルではない自然しぜんな心しんを込こめた「ありがとう」がさわやかな街角まちかどコミュニティをつくっている、といわれています。また、販売はんばい者しゃの姿すがたに励はげまされる、という声こえもよく寄よせられます。
また、創刊そうかん10周年しゅうねんにはその当時とうじの販売はんばい者しゃ自みずからが話はなし合あって「販売はんばいの心得こころえ」を作つくりました。

雑誌ざっし『ビッグイシュー日本にっぽん』はすべての人ひとが生いきやすい社会しゃかい、特とくに若者わかものが希望きぼうをもって生いきられる社会しゃかいをつくる雑誌ざっし。率直そっちょくさと楽たのしさを合あわせ持もつ「今いまを生いきる市民しみん」の雑誌ざっしです。
そこでは、「生いきていくのに本当ほんとうに必要ひつようなこと」が取とり上あげられ、路上ろじょう（販売はんばい者しゃ）の目線めせんを持もち、読後どくご「希望きぼうをもって」社会しゃかいに関かかわれる「参加さんか型がたの雑誌ざっし」です。

2015年ねん秋あきから販売はんばい者しゃのいない市区しく町村ちょうそんでも読よんでいただけるよう定期ていき購読こうどく制度せいどを始はじめ、2020年ねん4月がつからは全国ぜんこくどこからでも定期ていき購読こうどくができるようにしました。野宿のじゅく生活せいかつ者しゃの減少げんしょうに伴ともない、販売はんばい者しゃが減へり、雑誌ざっし販売はんばい冊数さっすうも減へり再ふたたび赤字あかじも増ふえたことや、販売はんばい場所ばしょまで行いけないという声こえが増ふえたことがその理由りゆうです。雑誌ざっし販売はんばいを販売はんばい者しゃにとって自活じかつできる“仕事しごと”にしながら、さらに貧困ひんこん問題もんだいの解決かいけつに取とり組くんでいけるよう、路上ろじょう販売はんばいと定期ていき購読こうどくの両輪りょうりんで立たち向むかいたいと考かんがえています。

さらに販売はんばい者しゃの自立じりつのため認定にんていNPO法人ほうじんビッグイシュー基金ききん（2007年ねん9月がつ設立せつりつ）と協力きょうりょくし、市民しみんが市民しみんであるホームレスの人ひとをサポートする“再さいチャレンジ”応援おうえん事業じぎょうを行おこなっています。

ＮＰＯ法人ほうじんの基金ききんは、「①社会しゃかいとのつながりを回復かいふくできる生活せいかつ自立じりつや就業しゅうぎょう応援おうえんと生いきる喜よろこびを感かんじられるスポーツ・文化ぶんか活動かつどう、②ホームレス問題もんだいの解決かいけつや予防よぼうについての政策せいさく提言ていげん、③市民しみんが社会しゃかいを変かえる市民しみん参加さんかの機会きかいを提供ていきょう」など３みっつの柱はしらで応援おうえん事業じぎょうを行おこなっています。

たとえば、自分じぶんのアパートを確保かくほする前まえに住民じゅうみん票ひょうなどの必要ひつような書類しょるいを整ととのえたり、生活せいかつ訓練くんれんをするための場ばとして、期間きかん限定げんていで入居にゅうきょできる「ステップハウス」を試験しけん的てきに運用うんようしています。また、人ひととのつながりや人生じんせいを楽たのしむ感覚かんかくを取とり戻もどすために、スポーツ・文化ぶんか活動かつどうの場ばを提供ていきょうしています。
これらを通とおして、当事とうじ者しゃの居場所いばしょとなり、当事とうじ者しゃ自みずからが発信はっしんできる機会きかいをつくります。

（詳細しょうさいはビッグイシュー基金ききんサイトにて）

今いま、野宿のじゅく者しゃは減へっていますが、路上ろじょうで見みえない若者わかものホームレスの人ひとが増ふえています。ビッグイシュー日本にっぽん版ばんの創刊そうかん号ごうの特集とくしゅうは「今いま、若者わかものに仕事しごとがない」（2003年ねん9月がつ）でした。ビッグイシューでも、2007年ねん秋あきの世界せかい経済けいざい危機きき後ご、50～60代だいが中心ちゅうしんだった販売はんばい者しゃの年齢ねんれいが若わかくなり、30代だい、40代だいの人ひとが増ふえ、20代だいの若者わかものもいます。一方いっぽう、大卒だいそつ者しゃの就職しゅうしょく率りつは76.1％（2017年ねん）、3年ねん後ごに30％以上いじょうが離職りしょく、非ひ正規せいき雇用こよう者しゃは2,023万まん人にん、37.5％（2016年ねん）と過去かこ最高さいこうとなっています。

ビッグイシューは、若者わかものを使つかい捨すてにしない、ホームレスにしない社会しゃかい、若者わかものが喜よろこんで社会しゃかいに参加さんかできる未来みらいを願ねがって活動かつどうをしてきました。今後こんごも、基金ききんとともに、若者わかものの困難こんなん、住宅じゅうたく、ギャンブル依存いぞん症しょう、新あらたな仕事しごとづくり（シビックエコノミー）などの問題もんだいへの政策せいさく提案ていあんを続つづけます。
そして、ホームレスの人ひとを中心ちゅうしんに、社会しゃかいから排除はいじょされやすい生活せいかつに困窮こんきゅうする人々ひとびと、生いきるのに困難こんなんを抱かかえる人々ひとびととともに活動かつどうを続つづけます。